とりとめのない話

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最近の記事

DEATH STRANDING│よもやまぷれい日記vol.1

【告知】 ■よもやまぷれい日記vol.1 - vol.2 近日配信予定 筆者が直近でプレイしたゲームを中心に、プレイフィールを中心としたぷれい日記を公開予定です。 ゲームの演出やゲーム性、グラフィック、UIなど感じたことを素直に書いていきます。無料範囲では物語のネタバレをしません。ただゲーム性やゲームバランスについては多少のネタバレがある場合があります。 ゲームをクリアしてから記事を書くので、投稿頻度はまちまちになります。 vol.2はARMORED CORE VIを予定

    • 2021/02/17_ぜつぼう

       人間の絶望は、理想と現実のギャップが大きいほどに強くなるという。  自分はここ一週間絶望状態、軽い鬱状態であった。絶望はよくない。なぜなら、絶望状態は裏ボスが即死してしまうくらい体に悪いからだ。冗談だ。でもあまり絶望は好ましくない。少なくとも僕は絶望となかよくでき(てい)ない。  ここ先週からフッサールの書簡を読んでいたのだが、既知の情報を交えて色々と構想が膨らんで卒論の序文も目次も書けそうになった頃(気圧の変化とか生理的な問題もあるだろうが)途端に調子を崩して勉強できなく

      • シャンプー

        project 2021/02/04-1_断章と秘密 - 習慣は恐ろしい。習慣は習慣化された一連の行為を、無意識のうちに処理してしまうことを可能にするからだ。習慣に身を任せる間、僕らは何も考える必要はない。というよりも、習慣の中で何かを選択的に考えることなど出来ないだろう。 - 人間の意志が、単一系ではなく、発散系でいつも様々な意欲や関心を並行させながら、多様を統一へと収束させるものだとして、そのようにみなして、というのは、真理として石がそうだと主張するのではなく、意志のあ

        • テクスト止めたテクスト。テクストとメタテクスト(「ぬるめた」の話)

          「ぬるめた」買いました。 ぬるめた: 2018年からネット絵描きこかむもがニコニコ漫画で“趣味で”連載し始めた作品がプロトタイプとなり、きらら編集部に声をかけられてそのまま読み切り、連載、単行本出版までこぎつけた作品。 きらら漫画(美少女漫画。ごちうさとか)の皮をかぶっている――もちろんその魅力は十分ある、その魅力だけでもやっていけそう――けど、核心はメタフィクション漫画。単行本最終話で本性を表した(プロトタイプからの読者としては嬉しい)。 ニコニコ漫画でのプロトタイプは現

        DEATH STRANDING│よもやまぷれい日記vol.1

          本を早く深く理解するための2つのノートテイク術 │ 大学生のためのトリセツ

          きちんと本を読もうと思うと本の内容を書き出してまとめる(ノートする)ことは必須になる。その限りで読むこととノートすることは一蓮托生、ひとつの行為と見て取れる。 このnoteはこのような「本をきちんと読みノートすること」を便宜的にノートテイクと呼ぶ。 ここではレポート前の勉強や読書会のレジュメ作成などで役に立つノートテイク術についてまとめる。 このnoteは親記事からの抜粋と多少の修正でできている。 ▼親記事はこちら 目次ノートテイクの仕方その名の通り、目次読みとは目次を目

          本を早く深く理解するための2つのノートテイク術 │ 大学生のためのトリセツ

          大学生のためのトリセツ|読む、書く、集中するためのノウハウと読書ガイド

          はじめに今年は件のウイルスの影響で多くの学生がオンライン授業を余儀なくされており、特に新入生など十分なガイダンスのないまま高度な自学習を要求される場面が多いようです。そうした学生のために、今回は学習生活のコツを、できるだけ丁寧にわかりやすくお伝えしたいと思います。 具体的には本の読み方、レポートの書き方、集中の仕方についてお伝えします。内容は向こう数年通用すると思うので、来年あなたが先輩になったときにもこの記事を紹介してあげて下さい。きっと役に立つと思います。 方針(とりあ

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          大学生のためのトリセツ|読む、書く、集中するためのノウ…

          『現代哲学のキーコンセプト 真理』|読書ノート

          チェイス・レン『現代哲学のキーコンセプト 真理』, 野上志学訳, 岩波書店, 2019 割と最近邦訳されて出たこの本。意外といいので色んな人に読んで欲しい。 このnoteの目次がそのまま『真理』の目次に対応するように作った。 ご自身で読まれるときに杖代わりにして頂ければいいかなと思う。ざっとどんなトピックがあるか、どこが話のメインかはこのnoteで分かると思う。 『真理』には文献案内がついているのだが、いちいち『真理』を手にとって調べるのも面倒だと思うし、ある程度はこ

          『現代哲学のキーコンセプト 真理』|読書ノート

          メイヤスーをカンタンに読む(第3回)|『有限性の後で』4章

          はじめに 前回の記事に引き続き、今回は数学的なものの定式化の方に踏み込む。 4章の問題 我々は思考から理由律を追放したと見なすことで、つまり思考によって思考の限界をそのように定めたとすることで存在者がそのように存在する理由を希求する限り、あらゆる宗教を復活させることでしか形而上学を退けることが出来ない。そうならないために、我々は非理由から引き出す知的直観に基づいて感覚可能な生成変化における普遍の幻想を告発する必要がある。 不条理? 事実論性の原理の避けられない帰結として、

          メイヤスーをカンタンに読む(第3回)|『有限性の後で』4章

          ジュペリの『夜間飛行』は自己超越の物語なんかじゃない!|サン=テグジュペリ『夜間飛行』批評

          本論はサン=テグジュペリ『夜間飛行』に対して与えられてきた「自己超越の物語」「男社会・仕事の肯定」というレッテルをあえて引き剥がし、『夜間飛行』を墜落へと導く負の側面(弱さ)を引き出すことで作品の奥深さを明らかにする。 『夜間飛行』のネタバレを含むほか、作品のあらすじを知っている前提で議論が進むので、ホンシェルジュhonciergeのあらすじ紹介や、松岡正剛の千夜千冊を予め読んでおく、『夜間飛行』本編を読むなどしておくことをお勧めする。(2020/05/02現在Amazonで

          ジュペリの『夜間飛行』は自己超越の物語なんかじゃない!|サン=テグジュペリ『夜間飛行』批評

          メイヤスーをカンタンに読む(第2回)|『有限性の後で』2章3章

          はじめに 前回の記事に引き続き、今回は『有限性の後で』で展開されるメイヤスーの論証の中心に踏み込んでいく。  論証のつながりからして、2章3章は一気に学習したほうが理解しやすい。よって長大にはなるものの、今回のnoteは3章の結論まで駆け足で進むことにした。  前回と比べると図解は少ないが、これは具体的な論証の骨子を、概念を考えながら読み進めることで理解してもらいたいからだ。  代わりに、今回は前回以上に丁寧に文章を解説している。メイヤスーを読み進める人が、その論証を追う上で

          メイヤスーをカンタンに読む(第2回)|『有限性の後で』2章3章

          メイヤスーをカンタンに読む(図解付き)|『有限性の後で』1章

          『有限性の後で』 2010年代その広がりを見せ、インターネットを介して話題になった哲学的潮流「思弁的実在論」。その中心的人物であるカンタン・メイヤスーの代表作『有限性の後で』(2006) は、思弁的実在論に共通する「相関主義批判」を理解する上で重要な著作と言えるだろう。  本編はその相関主義批判について書かれた『有限性の後で』1章を、できるだけ素直に分かりやすく読んでいく。 一次性質・二次性質 一次性質・二次性質についての理論がある。「一次性質」「二次性質」という用語の初出

          メイヤスーをカンタンに読む(図解付き)|『有限性の後で』1章

          ローマの哲学者が何書いてたか簡単にまとめる|『世界の名著』巻頭解説から

          前説  本編は『世界の名著13 キケロ・エピクテトス・Mアウレリウス』とその巻頭解説、鹿野治助「古代ローマの三人の思想家」を手引に著名なローマの思想家が何を書いていたか簡単にまとめるものである。  『世界の名著』13巻はちょっとめずらしい取り合わせになっている。というのも、後期ストア派(1*)という共通点から、エピクテトス・Mアウレリウスと並ぶのは多くの場合セネカであるからだ。編者によるとこの三人の思想家が選ばれたのは、同時代にあって政治家・思想家という共通の肩書を持つセネカ

          ローマの哲学者が何書いてたか簡単にまとめる|『世界の名著』巻頭解説から

          P・オースター『ガラスの街』の可読性と限界/名前と正体

          この論考は「名前と正体」モデルの構築と、ポール・オースターの小説『ガラスの街』の読解を並行して行う。 論考が行うのは証明ではなく、あくまでモデルの提示である。 注釈は半角で丸括弧の中に数字を打ったものを文中に挿入し、各セクションの末尾に書いておいた。重要な注記が多いのでぜひ読み飛ばさずに進んでいただきたい。 *** §1 名前と名指すもの名示対象とは名のもとに明示される対象のことである。内的な名示対象(ex.性格)は名を呼ぶ前から存在する。しかし、外的な名示対象(ex.実

          P・オースター『ガラスの街』の可読性と限界/名前と正体

          マルキ・ド・サドとは何者か

          これは「マルキ・ド・サド」本人を彼の著作から再構築する試みである。注釈は末尾にある。読み飛ばしてもらっても構わないが、注釈を見つつ進めばより理解が深まるだろう。 *** ヴィルテルク(1800) 「私は目に余る残虐行為を収録した小説集四巻本(『恋の罪』のこと)を、憤慨せずには通読できなかった。(……)本書の場合、作者の文体は読むに堪えない代物であり、常に常軌を逸していて、悪趣味と不自然と陳腐な考察とからなる文章に満ち満ちている。」 澁澤竜彦(1996)『快楽主義の哲学』

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          『田園交響楽』でジッドは何を告白する

          これは全くプライヴェートな理由で作られた、アンドレ・ジッドについての小さな研究である。 *** 「書くとは、心を明かすことである」と、フランソワ・モーリヤックは『神とマンモン』〔一九二九年〕の冒頭で、ずばりと言い切る。そしておそらくは、書くという事実だけで作家が自身について明かす啓示となっているであろう。ある意味ではすべてが告白なのだ。なぜならば文学においては無垢な表現などなく、何かは常に誰かによって述べられ、したがって常に主観的に見られ表現されるのだから。 [クロード・

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          『田園交響楽』でジッドは何を告白する