人類を前に進めたい

チームラボ 猪子寿之さんと宇野常寛さんの著書。

Amazonや書店では11/21発売だが,PLANETSのサイトで先行販売していたので購入。先行販売にはステッカーや特別対談の「ニッポンを前に進めたい」が同封されていました。

毎回のように400字で興味を持っていただきたい…と思ったが,今回は私がずっと好きで作品に触れているチームラボに関する内容だったので,少し長めになった。

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 私がチームラボの表現を観て何を感じていたのか,宇野さんによって言語化された感覚を持った。

 チームラボは他者との共生をアートでポジティブにしている。現代社会やシリコンバレーのような自己決定や自分の意志ではなく,運命的に他者をつなげることで,現代人が忘れてしまった他者の存在や行為の美しさを取り戻している。

 まさに「秩序はなくともピースは成り立つ」を体現している。


 大自然に圧倒されているときにも感じる違和感。気づかないうちに形成されてしまった自分と自然の境界線。

 チームラボの作品はいかに人間を自然の美しさの一部に差し戻すのか,そして物の中に入ったときに世界の外側を認識しないもしくは外側が成立していない世界として境界線のない没入感を表現する。

 時間と空間の相関関係を壊し,失われた感覚を取り戻すような,まるで世界の一部になる感覚で,一体感の気持ち良さを得られる。

 この気持ち良さが私がチームラボに感動した部分と考える。


 アンディ・ウォーホルのスープ缶が,政治や経済に影響を与え,大量生産をブランド化したようにアートは新しい価値を生み出す。

 猪子さんのアートは,他者のイメージを否定的なものから肯定的なものに変換する。情報社会の肯定的な価値を発見している。「情報」から「体験」に移る時代の中で,人類の共通体験としてチームラボのアートが影響していく。

 地方都市の可能性もアートは生み出す。デジタイズド ネイチャーは日本の地方都市に可能性がある。日本の地方都市は,少し外れれば見つかる。この自然と人との営みが長く続いてきた場所を活かしてアートや展示会をやっていくなど,地方と都市の格差を乗り越えるには文化的な価値しかない。それに気づいている日本の地方はまだ少ない。


 他にも宇野さんによって言語化されたと感じたのは,チームラボの作品は時間感覚によって変化すること。そのため全貌を把握することができない。
 また作品の物理的な境界がない。人間の五感をハックする体験を通じ,世界を立体的にとらえて考える力を鍛えることができるアート。

 またチームラボの作品を観に行こう。

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読む前に,本の魅力を引き出す宇野さんのnoteを読んでほしい。


また,読書中にはチームラボのYouTubeを再生しているのも良かったのでオススメ。


展示への予約はこちら。

【チームラボ・プラネッツ】

【チームラボ・ボーダレス】

私はプラネッツは2回,ボーダレスは1回行っています。これからも増える予定。

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