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旅の縁 一期一会の仲間と辿り着いた縄文杉

皆さまコンニチハ、ひでみです。

今日は屋久島旅語り・第8話をお届けします。

いよいよ森の主が登場!

どうぞ最後までお楽しみ下さい。

往復10時間をかけて森を歩き、屋久島最大級の縄文杉を目指すトレッキングツアー。

森を進むにつれて、登り下りが多くなって歩くのも一苦労。でもそれと同時に、生命の多様性がプクプクと膨らんでくる。木の上を滑るように移動する、見たこともないくらい繊細な蜘蛛きのこ

森の入り口では大きな岩や木に圧倒されるばかりでドキドキしていたけど、だんだんと小さなものに気付けるようになってくるのが不思議です。

こんなのもあるよ、こんな生き物も住んでいるんだよ。ほら、見てごらん。

という森の声が聞こえるかのように、探そうとしなくても、ふっと目線を動かすとそこに美しい景色や、小さな生命が待っていたりする。

森に歓迎されているようで、とても嬉しい瞬間です。

その声は滞在時間が長くなるほど、はっきりと聞こえてくるみたい。

海外旅行で言葉の通じない国に訪れた時、最初は何が何だかさっぱりわからなかった現地の人の言葉が、数日経てばなんとなく「こう言う意味かな?」と予測できるようになる瞬間ってありますよね。

それと同じ感覚です。通じ合えた時の喜びはひとしお。

11:24 妖精が住んでいそうな小川を渡る

歩き始めてから5時間半。だいぶ日が高くなり、森に光が入って明るくなってきました。スタートした時は真っ暗闇だったのが嘘のよう。

小川に反射した光がキラキラと輝いて、更に心が躍ります。妖精たちが飛び出してきそう。

木をぐるりと囲うように階段になっている

小さな谷を越えると、次はぐいっと登りに。そこには大きな大きな木が!木のすぐ横に見えるのは同じツアーの参加者さん。屋久島の木の巨大さがわかっていただける写真かなと思います。

雲が晴れて、後ろから後光が差す神秘的な光景。この木は数ある中でも特に印象に残っています。

山の天気は移ろいますね。1年に35日雨が降ると言われる屋久島ですから尚更です。太陽が照り始めたと思うと、霧が降りてきたり、みるみる変わりゆく天気とそれに合わせて表情を変える森。

トレッキングも最終ゴールの縄文杉に近づくと、折り返して下山する人達とすれ違うことも多くなります。

「こんにちはー」と挨拶すると

霧で何にも見えなかったよ!」と、少し悔しげな表情で様子を教えてくれた人もいました。

えー!往復10時間かけて縄文杉が見えないこともあるなんて・・・他にも見所は沢山あると言えども、それは寂しいなー!晴れますように晴れますように・・・と祈りながら、ゴールを目指します。

はい、この階段を上がったところが縄文杉です!皆んなで一斉に振り返って見るから、木の方をまだ見ないようにー!

と、ガイドさんからの指示。初デートで彼氏が夜景に連れて行ってくれる時のような声かけでワクワクです笑

縄文杉は保護のため間近に近づくことは出来ません。ウッドデッキのような展望台が作られているので、グループごとに順番に登って、写真を撮ったりするようです。

未だ空は曇ったり、晴れたり・・・数秒単位で天気が変わります。

我々の順番の時はどうだろう・・・
お願い晴れてー!と祈りまくります。

ついにデッキに上がれる順番が来ました。

3・・・2・・・1・・・せーの!

ガイドさんの掛け声で一斉に振り返ります。

11:43  縄文杉到着
推定樹齢2000〜7200年
屋久島最大級の屋久杉

見えた!綺麗に見えました!

霧に太陽の光が反射して、幽玄の美の世界です。

枝の隙間から漏れる光の柱が神々しい・・・

皆んなで口を開けて感動している間にも、景色はどんどんと移り変わります。

順番に写真を撮り終える頃には、山の上からスーッと霧が降りて来て、幕が閉じられたかのように木は隠れていきました。

1分も経たないうちに霧で覆われる

一瞬の出来事。

スタート地点から約6時間。奇跡的な晴れ間に、念願の縄文杉に会うことができた・・・

感動と、達成感と、安心感が混ざった良い顔で、よかったよかったと声をかけ合う参加メンバー達。

ほっとした雰囲気の中、縄文杉の近くの小屋でお弁当を食べながら少し休憩を。ガイドさんが用意してくれたお味噌汁が沁みた〜っ!日本人で良かったと思う瞬間です。

喜びのお弁当タイムも束の間、今度は下山。来た道をまた地道に降りて行く。気が抜けたのか、疲れが出たのか、下山時は転倒するメンバー続出・・!

気をつけて!と声を掛け合いながら登山口を目指します。

一期一会のメンバー。

行きは早朝の真っ暗闇を進んできたので、こんな景色だったんだ!と帰りもまた新たな発見があったり。

名残惜しい気持ちと、早く帰って温泉に浸かりたい〜という気持ちを半分半分に感じながらの下山です。

登山口に近づくと、さっきまであんなに大きかった木々がもう一つの山としてしか認識できない。

16:31  登山口までもう少し

ああ、これで森の時間は終わりなんだなぁ。人間界に帰ってきたみたい。

まるで浦島太郎のような気持ちです。永遠のように感じた10時間が一瞬のように思えてくる。たった10時間森に居ただけで、元々いた人間世界が嘘のよう。森に入った時は、森の世界が嘘のようだったのにね・・・

何はともあれ、誰も怪我をせずに戻ってこれた!

お疲れ様でした!ありがとう!の掛け声が飛び交います。

あとはガイドさんの車に乗り込み、それぞれの宿へ運ばれる。BGMは真冬のサザンオールスターズ(この時12月)。季節外れのJ-POPが流れる中、山道を走る車に揺られて皆んな爆睡。頑張ったもんねぇ。宿まで我慢できず・・私もいつのまにか寝てしまいました。

宿に到着したら、ガイドさんと共に過ごした仲間に

ありがとう、またどこかで。

旅って、良いですよね。
出逢う瞬間も良いけど、別れる瞬間もまた良し。

また会えるかもしれないし、もう会えないかもしれない。

でも、それで良い。それが良い。

往復10時間をかけた縄文杉トレッキングツアー

〜完〜



✳︎✳︎今日はここまで✳︎✳︎

次回は、ウミガメ産卵の地へ・・・!

屋久島旅語りも残すところあと少し。
引き続きお楽しみ下さい。

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