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「Demiちゃんが行く!」#14 写真家 緒方秀美 私小説 ”私にとっての写真とは?"

こんばんは。
今だコロナが蔓延してますが、どうお過ごしですか?
私はやっとワクチン接種して、この大変化の時代に生きている事も貴重な体験だと、全てがガラッと変わる生活の中で前に進むだけと思っています。
9月9日〜9月12日は表参道にあるTIERS GALLEY にて HIBIKI 響-LIVE PERFORMANCE ART EXHIBITION開催します。https://www.arakawagrip.co.jp/tiersgallery/archive/hibiki/
みなさにお会いできる事を楽しみにしています。

第14話 "私にとっての写真とは?”

伊島さんのアシスタントも毎日が眠る時間がないくらい忙しくとても充実してた、
日本のトップクラスのファッションやミュージシャンを伊島ワールドで撮影し、TRAの編集では面白いクリエーターがいつも伊島さんの周りに集まってくる、私はそんな伊島さんの撮影現場を手伝いながら時々宝島の取材写真を撮る。
伊島さんは撮影後のプリントが誰もやらないような色使いでプリントしたり、コラージュして伊島ワールドを展開していく、この写真は伊島薫にしか撮れないという仕事が入ってくる。一方私の宝島の仕事は取材、有名人には会えるけどさっと撮って写真の技術があれば誰でも撮れる仕事だった。いつのまにかデミは、私も伊島さんのように自分の世界観での撮影する、こんな写真はデミにしか撮れないという自分の世界観を持ったカメラマンになる!! そう思う様になってきた。そんな時に伊島さんが急に「今までのアシスタントは面白い奴を雇って仕事もさせてたけど、これからは俺のアシスタントだけに徹する真面目な奴をアシスタントにする事に決めた。おまえら全員卒業~」と急に言い出した。私達3人のアシスタントは急にクビになったのだ。でもそろそろ次のステージかなと思っていたからちょうど良かった。
私達への餞別として岡野さんにはカメラ、植田さんにはプリント引き伸ばし機
私には原宿にあるピテカントロプスとういナイトクラブの専属カメラマンという仕事をくれた。
そして西麻布の中華屋 北海園で送別会もしてくれた。
私へのプレゼントは二人の先輩みたいに物ではなかったけど、ピテカントロプスというクラブは原宿にあって東京のアーティストや音楽業界、ファッション業界の人達が集まる日本の文化が生まれるクラブ、ある時はN.Y.のアーティストのナムジュン パイクがライブした。その時はマスコミの撮影で許可を得たのは篠山紀信だけ、デミは専属カメラマンだから関係なく撮れる、この二人だけに撮影を許された事がある程、貴重な体験ばかりしていた。専属カメラマンといっても撮影料はどこから出るかも知らされてなく、ただ伊島さんがオーナーのトニーさんにデミの事を頼むと言ってくれただけだったので、ギャラはいつもトニーさんのその日の気分でポケットから現金を出してくれた。
伊島さんを卒業してからは宝島の仕事も頻繁にする様になった、その頃は博多メンタイロック、シーナ&ロケッツ、 ルースターズ 、ロッカーズ、 モッズなどカッコィーバンドのライブ写真撮ったり、作詞家で有名な売野雅勇さん放送作家の影山民夫の取材スナップなど、こんな日々を送りながら心の声が聞こえてくる、デミにとっての写真って何なの?カメラマンにはなったみたいだけどデミにしか撮れない写真は何?
憧れだけで写真の世界に入ったけど、伊島さんみたいに自分の世界観、独自の作風を画一したいのでしょ?今のデミの撮影は写真の技術があれば誰でも撮れる写真だよ、と心の声が聞こえてくる。もっともっと感性磨いてデミ ワールドを画一する!!
それだったら東京で感性磨くより、世界の中心N.Y.で感性磨く!!!その時デミはN.Y.に渡る事を決意したのです。

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