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「Demiちゃんが行く!」#12 写真家 緒方秀美 私小説 "新たな世界に突入"

こんにちは。今日からまた写真の雰囲気を変えました。
熊本の田舎からカメラマン目指して東京に出てきて、コマーシャル写真の世界で拒絶されながらも進んでいったら、素晴らしい伊島薫氏のアシスタントになる所までたどり着いたデミ、今思うと怖いもの知らずのパワー、自分の事を信じる力はとてつもなく強かったな〜〜と思います。


第12話”新たな世界に突入"

伊島薫のオフィスは西麻布の交差点のすぐ近くにあるRed ShoesというBarがあるビルの5階、コミックスという名の事務所でグラフィックデザイナーの安西肇さんと一緒にオフィスをやってた、マネージャーは安西さんの奥さんの加代子さん、二人のアシスタントは岡野さんと植田さん二人とも青山スタジオでスタジオマン経験者で仕事のできる奴、二人ともパンクロック好きだから音楽の趣味はあって話しやすかった。
私が押し掛けアシスタントになった事で若手カメラマンの伊島さんは三人もアシスタントがいる事になった。「三人アシスタントになったから給料そんなに払えないから、俺の仕事は三人でローテーション組んでやってくれ、たまにバイトしてもいいから!」と言われた
バイトしながらアシスタント?それは宝島というカルチャーマガジンの仕事をしていいという事だった。伊島さんはやりたい面白い雑誌がないからといって気の合う仲間と一緒にTRAというカセットテープを付録につけたマガジンを定期的に発行してた、その主要メンバーはイラストレーターのミック板谷さんグラフィックデザイナー安西肇さんビジネスマンの式田 純さんカメラマンの伊島薫で作ってた。
そのTRAの制作のためにいつもいろんなアーティストがコミックスには来る。ミュージシャンやアーティストが売り込みに来てクリエイティブな刺激を与えてくれる、ある号では鉛の板でカセットテープを巻いて付録として雑誌につけて販売したり、毎回違うアイディアでTRAを出版している事がとても面白かった。伊島さんの撮影もミュージシャンからファッションどの撮影も面白いアイディアでエキサイティング、現像 プリントがアシスタントの仕事だから撮影後の夜中から暗室に入ってプリントして毎日が寝る間がないくらい働いたけど、やっとクリエイティブな世界で仕事できてる事が嬉しくてしかたなかった。
ある日コミックスに月刊誌「宝島」編集部の渡辺裕さんが打ち合わせに来た、伊島さんが「新しいアシスタントのデミ、仕事あげてね」と紹介してくれた。翌日すぐに裕さんから電話があり「明日の夜あいてる?」という「夜だったら空いてます」「では原宿のモンクベリーズでピンクドラゴン オーナーの山崎さんとロンドンから来てるダギーフィールズとうアーティストを撮って」「はい分かりました」とクールに電話を切った。その直後に思わず叫んだ「ヤッタ~~~!!私にカメラマンとしての仕事が来た!!嬉しい~~~!!」

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