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人事・経営支援関連

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私の経営・人事支援関連の記事です。
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#AobaBBT

「人事課題を解決したい」企業の方に対し、私がお尋ねする観点

 私は、地方企業様の人事課題の解決支援の活動をしています。その際、経営者の方、担当の方とも多くのコミュニケーションをさせていただいています。その際、話題として、人事関係(制度等)の話はもちろんですが、基本的な経営の状況の話もさせていただいています。  最近でこそ、「人事は経営の根幹の一つ」という経営者の方も多くなってきました。総論としては理解されているものの、なかなか深く突っ込んで議論をするのは苦労します。とはいえ、最初から「サーベイシート」のような、こと細かい資料を使って

経営と人材方針を変えるニューロダイバーシティの力ーKaien鈴木慶太氏より

 Aoba-BBTの番組『組織人事ライブ703』のテーマは「ニューロダイバーシティで考える経営・人材方針(鈴木慶太氏(株式会社Kaien 代表取締役))」でした。  株式会社Kaien代表取締役の鈴木慶太氏をゲストに迎え、高橋俊介氏と、ニューロダイバーシティの観点から経営・人材方針について議論しています。発達障害の強みを活かした就労移行支援・自立訓練(生活訓練)を実施している企業です。人事にとっても極めて重要な、興味深いテーマでもあります。 人的資本経営とニューロダイバー

変化に強い人材になるためのリスキリング:個人編ー後藤宗明氏

 Aoba-BBTの番組後藤宗明氏による「リスキリングのステップ(個人編)」というテーマです。今回は、「リスキリングのステップ 個人編」と題し、従業員がどのようにリスキリングを進めていけば良いかについて、具体例や詳細な情報を交えながら解説されています。  後藤氏は、リスキリングに関する以下の書籍を出版していますが、こちらも非常に参考になります。  リスキリングは、単に新しいスキルを身につけるだけでなく、変化の激しい時代を生き抜き、キャリアアップを実現するための重要な手段で

成功するプレゼンテーションの心理学ー川上真史氏の5段階アプローチ

 川上真史ビジネス・ブレークスルー大学教授の「企業と心理学 トピックス #12プレゼンテーション」というテーマでした。「プレゼンテーション」をいうと苦手の方も多いです。私もその1人。一方、質問ー驚きー具体例ー論理ー行動で実践すると良いとのこと。深掘りして事例を考えてみたいと思います。 プレゼンテーションの構成の5段階 1.Question(質問)  プレゼンテーションの最初に、聴衆に対して質問を投げかけます。この質問は聴衆の関心を引くためのものであり、具体的な回答を求める

日本人が苦手な伝えるコミュニケーションの克服法ー川上真史氏より

 川上真史ビジネス・ブレークスルー大学教授の「企業と心理学 トピックス #11 伝えるコミュニケーション」というテーマでした。今回は、日本人が苦手とする「伝えるコミュニケーション」について、その原因を深く掘り下げ、具体的な改善策を紹介しました。このテーマは、ビジネスシーンだけでなく、日常生活における人間関係にも深く関わる重要なものです。 日本人が伝えるのが苦手な理由 教育の影響  日本では「よく聞きなさい」という教育が重視され、「自分の意見を伝えなさい」という教育は後回し

「定年前と定年後の働き方」を考えるー石山恒貴氏

 Aoba-BBTのAirSearch「定年前と定年後の働き方」を聴講しました。この番組は、昨年2023年に石山氏より発刊された、『定年前と定年後の働き方』(光文社新書)をベースにつくられています。私も同書を拝読し、以下に読後感を執筆しています。改めてその重要性を認識したところです。 1.シニアの働き方の概要 ここでは、シニア世代の働き方や生活に関する概要を紹介し、定年前後の人々が直面する課題と機会について詳細に掘り下げています。石山によってまとめられたこの内容は、シニア世

能動的傾聴:アクティブ・リスニングで築く信頼関係ー川上真史氏より

 川上真史ビジネス・ブレークスルー大学教授の「企業と心理学 トピックス #10 アクティブ・リスニング」というテーマ。アクティブ・リスニングは、単に相手の話を一生懸命に聞くだけではなく、聞き手が能動的に質問や働きかけを行いながら、話し手の発言内容を深く理解しようとする技法です。この技法の目的は、話し手自身が今まで気づいていなかった自分の真の思いや感情、意図などに気づくことを促進することにあります。  私も時々取り上げている、リーダー・エフェクティブ・トレーニング(L.E.T

キャリア自律を目指す人事戦略ー高橋俊介氏『キャリア論』再訪

 BBTの番組・高橋俊介氏による「組織人事ライブ#702 」を視聴しました。その内容から考えること、人事企画にどのように活かすかを考えてみたいと思います。  当内容は、高橋俊介氏が2003年に出版した『キャリア論―個人のキャリア自律のために会社は何をすべきなのか』の内容を、現在の視点から再訪するというものです。本書は、慶應義塾大学SFC研究所のキャリア・リソース・ラボラトリーが主催し、14社もの大手企業に参加していただいた研究会を通じて行われた数多くのキャリアインタビューと

川上真史氏ー企業の持続的成長に向けたエンカレッジメントの活用: 従業員の個性を活かす人事施策

 川上真史ビジネス・ブレークスルー大学教授の「企業と心理学 トピックス #9 エンカレッジメント」というテーマは、古くて新しい概念を改めて認識する良い機会となりました。エンカレッジメントとは、単に人を励ますことではなく、自分の意思や判断に基づいて主体的に行動を起こすための勇気を与えることを指しています。  具体的には、他者のために生きるのではなく、自分の意思で主体的に生きる責任を持つことの重要性が強調されています。周囲の人々に認められるために、社会的に望ましいとされる行動を

経験学習によるポテンシャルの解放ー部下の強みを育てるマネージャーのガイド(松尾睦氏)

 Aoba-BBTの番組で、松尾睦氏による『部下の強みを引き出す育成力養成講座』というテーマ。部下の強みを引き出し、その成長を後押しすることは、マネジャーにとって最も重要な役割の一つです。組織の持続的な発展のためには、一人ひとりの部下が持つ独自の才能や強みを見出し、それを最大限に活かしていくことが欠かせません。しかし、現実には、部下育成に悩むマネジャーが少なくありません。「どのように部下と向き合えばよいのか」「部下のやる気を引き出すにはどうすればよいのか」といった疑問や不安を

川上真史氏ーパブロフの理論からビジネス戦略へー条件付けとマインドセットの理解

川上真史ビジネス・ブレークスルー大学教授の「企業と心理学 トピックス #7 条件付けとマインドセット」というテーマは、マインドセットが条件付けによって変わっていくという興味深い視点を示しています。人事の立場においても非常に重要な示唆を得られるものでした。考察してみたいと思います。 条件付けとマインドセットの理解 条件付けとは、ある特定の刺激(条件刺激)に対して一定の反応(無条件反応)が習慣化される心理学のプロセスです。この概念は、イワン・パブロフの古典的条件付けの実験から広

学び方革命ー人的資本経営と自律的キャリア形成ー高橋俊介氏

 BBTの番組・高橋俊介氏による「組織人事ライブ#701 人的資本経営と学び方改革」を視聴しました。その内容から考えること、人事企画にどのように活かすかを考えてみたいと思います。 人的資本経営における学び  人的資本経営において、人は単なる資産ではなく、むしろ資本として捉えられるべきです。さらに、人は知的資本の投資家としての役割も担っています。従業員は自らの知識や能力に投資することで、企業の成長に貢献し、同時に自身のキャリアも向上させることができます。  しかし、日本の

職場における自我の役割と主体性の育成ー川上真史さんの指摘から考える

 川上真史ビジネス・ブレークスルー大学教授の「企業と心理学 トピックス #8自我と主体性」というテーマは、心理学の中でも特に人間の意思決定プロセスやパーソナリティ形成に焦点を当てており、特にフロイトの精神分析理論を基に自我の機能とその社会生活や職場での影響について述べられており、大変興味深いものでした。  自我は、内部の無意識的な衝動(イド)と外部の社会的規範や道徳(超自我)との間で調整を行う役割を持っています。このバランスをうまく管理することで、個人は社会内で適切に機能す

AI時代の企業変革ー従業員リスキリングの戦略と実践ー後藤宗明氏

 Aoba-BBTの番組後藤宗明氏によるの「AI時代のリスキリング2_リスキリングのステップ(法人編)」というテーマは、AI時代における企業と従業員のリスキリング(新しいスキルの習得)の重要性と、その具体的な方法について非常に深く言及しています。  後藤氏は、リスキリングに関する以下の書籍を出版していますが、こちらも非常に参考になります。  まず、リスキリングは企業が主導して行うべきであり、就業時間内に実施することが極めて重要だと指摘されました。個人の自助努力に任せるので