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人事・経営支援関連

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私の経営・人事支援関連の記事です。
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「人事課題を解決したい」企業の方に対し、私がお尋ねする観点

 私は、地方企業様の人事課題の解決支援を行う活動に取り組んでおります。人事に関する制度設計や評価体系の見直し、人材育成プランの策定など、幅広いテーマについて企業様をサポートしております。その際には、経営者の方々や人事担当者の方々と多くのコミュニケーションを重ね、企業ごとの特性や課題に合わせた最適な解決策をご提供しています。  この際、人事制度に関する議論はもちろんですが、企業全体の経営状況についてもよく確認させていただき、それに基づいた支援を行っています。このような全体的な

「ご機嫌な上司」の効果ーチームモチベーションと組織文化の向上

 リーダーシップにおける「ご機嫌な上司」の存在感は、そのチームだけでなく、組織全体の文化に深く影響を及ぼすものです。人事管理の立場からこの問題を考えるとき、ポジティブな上司がいることの効果は、個々の従業員のモチベーションとパフォーマンスの向上、組織の雰囲気の改善、そして最終的にはビジネスの成功に直結します。この文脈で、「ご機嫌な上司」が持つ力の深堀りと、このようなリーダーシップを育成する戦略について掘り下げて考察していきます。 チームダイナミクスと組織文化に及ぼす影響  

プロジェクト終了から学ぶ人事戦略ー従業員の成長と組織の進化

 新規事業プロジェクトを閉じるべきか続けるべきかを考える際には、従業員のキャリア成長、モチベーション、組織全体の成長に与える影響を総合的に評価する必要があります。プロジェクトの終了が与える影響は多岐にわたたります。人事の視点から検討すべきポイントを考察してみます。 1. キャリア成長と学習機会の提供  プロジェクトが終了する場合、その過程で従業員が得たスキルや知識を次のキャリアステップにどう活かせるかを考えることが重要です。失敗から学んだ教訓や経験は、従業員の成長にとって

相手を理解する7つのステップ:共感と観察の重要性

 相手の不可解な言動に直面した時、私たちはつい「なぜ?」と疑問を抱き、その理由を理解しようと試みます。しかし、その答えは決して単純ではありません。相手の言動は、まるで氷山の一角のように、表面には見えていない複雑な背景が隠されていることが多いのです。その背景を理解するためには、まず「ステレオタイプ」や「決めつけ」を捨て去ることが重要です。  例えば、職場でいつも無口な同僚がいるとしましょう。私たちは「あの人は内向的で人付き合いが苦手なんだ」と決めつけてしまいがちですが、もしか

「好奇心」の魔法ー未知への冒険の扉を開く力

 好奇心は、私たちの心の中にある潜在的な冒険心をかき立てる、まさに魔法の鍵のようなものです。幼少期に砂場で泥団子を作って遊んだときの無邪気な喜びから、大人になって初めての海外旅行で異文化に触れたときの驚きと感動まで、人生のあらゆる局面で私たちを輝かせる原動力となります。この好奇心が、私たちを未知の世界へと誘い、視野を広げ、成長を促します。  例えば、ルネサンス期の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチを思い浮かべてください。彼はその飽くなき好奇心によって、芸術、科学、工学などの多岐

イチロー氏の教えー準備を通じて言い訳をなくす

 イチロー氏の「準備とは言い訳を排除すること」という言葉は、スポーツの世界だけでなく、人生のあらゆる局面において重要な意味を持っています。この名言は、私たちに準備の本質とその重要性について深く考えさせてくれます。  イチロー氏の哲学によると、真の準備とは単なる練習や知識の蓄積以上のものであり、起こりうるあらゆる状況に対して自分自身を完璧に整え、言い訳の余地を一切残さないことを意味します。  人は失敗に直面した時、自然と言い訳をしがちです。これは自己防衛の一種ですが、イチロー

組織の真価を引き出すー逆境をチャンスに変える人事の役割

 経営の現場においては、確かに楽しい職場環境を作ることは理想的ですが、同時に避けられない困難や対立が生じることも少なくありません。これらの課題は、組織の真価を問い、リーダーシップの質を高める機会を提供します。  しかし、それと同時に、これらの困難な状況は、組織内の人々のモチベーションを低下させ、生産性に悪影響を及ぼす可能性もあります。したがって、経営者や人事担当者は、これらの課題に適切に対処し、組織全体の健全性を維持することが求められるのです。  ここでは、そのような困難な

組織の基盤を強化する共感ベースの人事戦略

 「共感」に基づくコミュニケーションは、組織運営において単なる交流の手法ではなく、組織全体の基盤をより強固にし、生産性や従業員の満足度、そして定着率を向上させるために欠かせない重要な要素といえます。組織のあらゆるレベルで共感が浸透している場合、従業員は職場での安心感や信頼関係を築きやすくなり、それにより組織全体としての生産性も大きく高まる傾向にあります。  具体的には、共感とは、相手の立場や背景に立って物事を捉え、相手の価値観やニーズ、さらにはその時々の感情や考えに寄り添い

社員が自分らしく働ける環境づくりー注目すべき6つの視点

「自分らしくいられる」ことの価値  個人として「自分らしくいられる」ことは、心の健康や生きがいに深く関わっています。自分の価値観や信念に沿って生きることで、人は自己実現の喜びを感じ、人生の意義を見出すことができるのです。また、自分らしさを発揮できる環境は、ストレスの軽減やモチベーションの向上にも繋がります。  ビジネスにおいても、社員が自分らしく働ける環境は生産性やイノベーションに直結するため、人事の視点から特に注目すべきものです。自分らしさを発揮できる社員は、仕事への熱

フィードバックを力に変える-従業員の成長と組織発展への道

 指摘や注意を受けるということは、誰にとっても心が揺らぐものです。そのような時でも、ポジティブな行動へと転換することは非常に重要であり、個人の成長と組織の発展の両方において中心的な役割を果たします。  人事の立場から見た場合、このプロセスは従業員のエンゲージメント、パフォーマンス向上、組織文化の育成という観点から非常に重要です。  フィードバックを受け止め、それを建設的な方向へと活かしていくことは、一人一人の従業員にとって不可欠なスキルであり、同時に組織全体の健全な発展にも直

家事・育児への男性の参加ージェンダー・バイアスを超えた職場環境の整備

 家庭と仕事の両立支援において、「女性を活躍させる」という焦点は重要な一方で、男性のマッチョイズムの意識改革や働き方改革も欠かせません。男性が家事や育児を積極的に担える環境を整えることは、女性の負担軽減と社会全体の生産性・幸福度向上につながります。ここでは、男性が育児休暇や時短勤務を利用しにくい現状やその問題点、さらにその改善策について考察してみます。 現状と課題マッチョイズムの影響  男性が家事や育児の役割を果たすことに消極的な背景には、「男性は外で稼ぎ、女性は家事・育

個人の価値観を尊重するための職場環境の構築

 人生において自分自身の幸せを追求することは、私たち一人一人にとって欠かせないことです。自分の価値観や信念に基づいて行動し、自分らしさを発揮できる環境を作ることは、人生の質を大きく向上させるでしょう。そして、そのような個人の充実感は、職場においても大きな影響を与えます。  人事として長年働いてきた経験から見ても、職場においても個々人が「自分軸」を持って活動することは、チーム全体のモチベーション向上と生産性の向上につながります。社員一人一人が自分の強みや価値観を理解し、それを

自己啓発とキャリア発展ー得意分野の強化と苦手分野の改善

 得意分野と苦手分野は、プロフェッショナルな成長において非常に重要な要素です。それぞれの個人は、固有の才能や能力を持っており、それらを生かすことで、より高いレベルの成果を達成することができます。  一方で、苦手分野があることは、プロフェッショナルな成長において障壁となることがあります。しかし、その苦手分野を克服し、さらに得意分野を伸ばすことで、個人の能力を最大限に発揮することが可能となります。適切なアプローチと戦略を用いることで、誰もが自分の潜在能力を引き出し、より高いレベル

現実的アプローチで高めるメンタルタフネス

 メンタルタフネスを高めるためには、多角的なアプローチが必要不可欠です。従来から知られている瞑想、運動、睡眠の質の改善などの方法に加えて、困難な状況に対してポジティブな姿勢を保ち、感謝の気持ちを育むことも重要でしょう。日々の生活の中で直面するストレスや困難に立ち向かう際に、それらを成長の機会ととらえ、前向きに捉えることができれば、メンタルタフネスの向上につながります。  また、日常生活の中で無理なく取り入れられる小さな実践を積み重ねていくことが、メンタルタフネスの向上に効果