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ブルーオーシャンよりもライバルがいるところに参入する

レッドオーシャンではなくブルーオーシャンを狙って参入せよ。
という話をよく耳にします。

レッドオーシャンとは、競合企業との競争によって血を血で洗う様な競争が激しい真っ赤の血の海をイメージした言葉です。ブルーオーシャンとは競合のいないこれから作られる未開拓市場のことを指します。

競合がいないというブルーオーシャンがいいもちろんいいです。

ですが、現実的には競合のいない未開拓市場を切り開く能力と運を持っている経営者はなかなかいないでしょう。


凡人のスモールビジネスを行なっている経営者や事業主は、あえてライバルのいるところに参入して勝負することの方を取ることをお勧めしています。

何もないところから大きなマーケットを取るという大勝利を得ることはできないかも知れませんが、大きな失敗することはありません。負けない経営をすることは可能です。

消費者のだれもが想定していなかったような、iPhoneを発明し市場に投入浸透し成長させるだけの発想力、技術力、資金調達力、マーケティング力、プレゼン力があるとするならばブルーオーシャン戦略を取るべきですが。残念ながらその様な人は少ないのではないでしょうか?

あえて競合のいる分野に参入するメリットをあげると

1 市場が既に開拓されている
試行錯誤、死屍累々の中で作られたマーケット。顧客が商品サービスに理解があります。まったくない分野やない商品を作ったとしたら市場に浸透させる啓蒙活動に時間を割くことになります。農業に例えると開拓され開墾されて、肥沃な土壌とに種を撒くのか、それとも荒地を開拓するところからスタートするのかくらいの差があります。

2 マーケットのリーダーの存在がある
どんな分野にも、先行していて成功しているマーケットリーダーがいるはずです。当該ビジネス分野でのいいお手本になっているはずです。100%真似をするだけではなく、後発参入者としての工夫やアレンジをすることで顧客にさらにメリットを享受できます。

3 目標設定ができる
ライバルがいて顧客もいるマーケットではある程度の売上予測をたてることができます。客数やシェアなどの目標数値や販売促進にかかる予算を設定することが可能です。

4 集中での誘因効果がある
リアルのお店でも同業がひしめくお店があります。例えば飲食店街はそうですし、アパレルショップもある一定の場所に集中しています。ネットショップでも同じ分野のショップが集中することでトータルで集客力が高まります。


5 ライバルの存在が成長につながる

ライバルがいることで常に緊張感を得られます。ライバルが10のことをやっているなら自社は12のことにチャレンジをするなど常にライバルを意識することで健全な成長につながります。ライバルがいなかったり弱いまたは守られている業界はどうでしょうか。他の業界に比べて遅れていたり消滅するマーケットになってしまいます。

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しかしながら、競争がある分野がすべていいというわけではありません。以下の様なことは注意すべきでしょう。

ライバルとの戦いで注意すべきこと

1 価格戦に巻き込まれない
顧客を集めるために利益を削る様な価格戦略を取ってしまうと、スモールビジネスにとって致命的です。粗利益の確保を行うことが何よりも大切です。粗利益を取るために原価を下げるのではなく品質を上げるということが大切です。ライバルに勝つためには原価を上げることが最大の戦略です。こちらもよかったらご覧ください。


2 品質を下げる様なことを行わない
利益を上げるために商品やサービスのクオリティを下げることを行うとライバルにとって変わられます。顧客にとっては選択肢が多い業界ということですから手を緩めたり質を下げた途端に他に変わられてしまいます。


3 ライバルの誹謗中傷を行わない
健全な市場の成長が結果として自社の成長につながります。先人が耕してくれたマーケットのおかげでもあります。他社を誹謗中傷したり、業界批判の広告や告知をする企業もありますが。その様な会社は自ずと市場から消えています。


4 絶対勝てない様なマーケットには参入しない
既に成熟していたり衰退している様な業界。後発では参入しても追いつけない業界は当然参入すべきではありません。


ライバルがいることで緊張感もありますが成長ができます。競争の厳しさをサイバーエージェントの藤田社長が語っています。


ビジネス社会は、言うまでもなく競争社会です。業界大手だからといって、安堵が社内に蔓延すれば、緊張感がなくなってしまう。それでは突然襲ってくる危機に対処することはできません。
経営者をしていてつくづく感じるのは、会社の空気は山の天気のようにすぐ変わるということ。業績が好調だと喜んでいたら、競合他社の猛追を受けて、一週間後にピンチに陥ったりする(略)

「人は自分が期待するほど、自分を見ていてはくれないが、がっかりするほど見ていなくはない」 見城徹 藤田晋


ライバルの存在が成長を促す。目標となるライバルがいるところで成長することが成功の近道です。レッドオーシャンがもしかしたらゴールデンオーシャンになるかも知れません。

紹介した本です。


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