『学会』というもの
研究者や大学生・大学教員を除けば、普通の人は”○○学会”という存在とは無縁でしょう。私も大学院生になるまでは、学会とは無縁でした。学会とは研究発表の場で、それまでの研究成果を発表し、そのほかの研究者たちにその研究の成否を評価してもらいます。
初めて参加した学会は地熱学会で、東京大学の山上会館で行われました。本番の発表前には、喋る内容の原稿を考えて、同級生と何度も練習しました。かなり緊張していたので、発表内容を飛ばしたところも多少ありましたが、発表自体は何とか乗り切りました。しかし、その後が全くダメでした。
発表の後には、質疑応答という時間があり、会場の研究者から厳しい/温かい質問がやって来ます。発表を何とか終わって放心している私には、質問内容が全く理解できませんでした。耳では音声が聞こえているのですが、その質問内容がイチミリも理解できなかったのです。時として、質問には専門用語が数多く含まれます。ベテラン研究者になれば常識的な質問でも、学会初心者の私にはハードルの高い質問でした。答えに窮して(そもそも質問の意味が分かっていませんので)モジモジしていたら、共同研究者の先生(指導教員)が「共同研究者の○○ですが、△△については・・・」と代わりに答えてしまいました。
共同研究者とはいえ、登壇者以外が質問に答えるのは、褒められたことではありません。できるだけ、登壇者(発表者)が質問に答えるのが常識です。以前、とある学会で司会者を補佐するタイムキーパー(時間を測る係)をしていた時に、会場の質問者と共同研究者が激論となり、登壇者が申し訳なさそうにポツリと立っていたことがありました。こうなったら、発表者は地獄です。時間が過ぎるまで、ひたすら耐えるしかありません。その時は、「時間が参りましたので、この発表を終わります」という司会者の発言で、ピリオドが打たれました。
コ〇ナの蔓延で、学会も様変わりしました。大人数が一ヶ所に集まる学会は、対策が難しいのです。ここ2年は、学会中止やリモート開催がほとんどでした。しかし来週、2年ぶりに物理探査学会が対面で開催されることになりました。もちろんコ〇ナ対策のため、リモートも併用したハイブリッド開催です。
来週は、2年ぶりに東京で物理探査学会に参加します。学会も重要ですが、学会期間中の夜には研究室のミニ同窓会が開催予定です。こちらも旧交を温める重要なイベントです。来週の出張が楽しみです^^。
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