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私家版英文法#1 クジラ構文とネズミ構文

 英語は苦手です。英文法はもっと苦手ですが、気になった英文法を取り上げてみたいと思います。今回は受験生を悩ます通称・クジラ構文です。

 鯨構文と言うのは、次の英文です。A whale is no more fish than a horse is. 和訳は、「馬が魚でないのと同様に、鯨も魚ではない」と多くの教科書に書かれています。もちろんこれでも正しいのでしょうが、たぶんネイティブの頭の中では「鯨は当然魚じゃないよ、馬だってそうでしょ」と語順に従って理解されているはずです。

 この鯨構文の理解を妨げているのが、単複同型の”fish”です。この文では、本来はこの場所にsが付いた複数形の単語が入る必要があります。fishはsheepと同じく単複同型なので、複数が意識できない悪い例文になっています。もし同じような例文にするなら、A rat is no more reptiles than a horse is. のほうが例文として相応しいと思います。この和訳は「ネズミは当然爬虫類じゃないよ、馬だってそうでしょ」くらいの感じです。この例文をネズミ構文と勝手に名付けたいと思います^^;。

 つい最近、長崎の原爆慰霊祭のニュースを見ました。反原発のスローガンで『No more Hiroshima!』と言うキャッチフレーズが使われますが、これには注意が必要です。実はこのままでは「広島なんていらない!」と、伝わってしまうのです。二度と広島のような被爆地を作ってはいけないという意味なら、『No more Hiroshimas!』とHiroshimaを複数形にする必要があります。日本語の単語自体には単数複数の区別が無いので、複数形が付く単語には意識がいかない傾向にありますが、複数形のsが付くか付かないかで意味が大きく変わります。注意したいですね^^。


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