見出し画像

月面の物理探査

2022年12月11日の午後4時40分ごろ、宇宙新興企業『アイスペース』の月着陸船が、アメリカのフロリダ州から打ち上げられました。打ち上げは成功し、来年4月末頃に月に到着し、民間企業として世界初となる月面着陸を目指すようです。今回の打ち上げは、HAKUTOーRハクトアールと名付けた計画の第1弾で、アイスペース社は月の資源開発や物資輸送などの事業展開を目指していて、今回はその技術実証を行うとのことです。

着陸船は、アメリカの民間企業・スペースX社のファルコン9ロケットで打ち上げられ、約50分後にロケットから分離されました。今後、着陸船は地球から直線距離で38万kmの月を超える、約150万kmの地点に一旦向かい、その後に月に戻ってくる特殊な軌道を飛行する予定だそうです。無人機なので、燃料を節約しながら約4ヶ月半かけてゆっくりと月に向かい、2023年4月末頃、月の北半球にある直径87kmのクレーターに着陸する予定です。

本格的な事業展開はまだ先でしょうが、いよいよ民間による宇宙開発の時代に突入しました。本格的な事業展開のためには、様々な技術が必要です。今回のような月に行くための飛行技術が必要なのは当然ですが、今後は月面下の資源調査のための技術が必要となるでしょう。すでに、月面探査の基礎的な研究は行なわれていて、月の地震(月震げっしん)を利用する探査法や、弾性波探査の研究も行なわれています。月の電磁探査の研究はまだのようですが、火星探査用には電磁探査装置が開発された先行研究があるので、いずれ実施されるかもしれません。

私が生きている間に、月の商業的な資源開発を見聞することはできるのでしょうか?。20年後くらいに実現するなら、ギリギリセーフかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?