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数学よもやまエッセイ

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数学や算数にまつわるエッセイをまとめました。内容は、そんなに専門的ではありません。ちょっとした息抜きにどうぞ。
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2022年2月の記事一覧

数学の小ネタ#5 素数とメルセンヌ数

 素数(prime number)は、2以上の自然数で、正の約数が1と自分自身のみの数のことをいいます。したがって、1は素数には含まれません。また素数は、正の約数の個数が2個である自然数と言い換えることもできます。1より大きい自然数で素数でないものは合成数と呼ばれます。具体的な素数は、小さいものから列挙すると、  2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 31, 37, 41, 43, 47, 53, 59, 61, 67, … となります。

数学の小ネタ#4 数の拡張(2) 四元数

 前回の記事で、複素数について少しだけ触れました。複素数は実部と虚部の2元から構成される二元数ですが、虚数単位をさらに2つ追加した四元数という、さらに変わった数の概念があります。  この四元数(quaternion:クォターニオン)とは、複素数を拡張した数体系で、3つの虚数単位 i, j, k を用いて a+bi+cj+dk と表せる数のことです。ここで、a, b, c, d は実数であり、3つの虚数単位の間には以下の演算規則があります。このような演算則を使うと、四則演算が

数学の小ネタ#3 数の拡張(1) 双対数

 高校数学では、二乗すると-1になる変な数”虚数”が出てきます。この二乗すると-1になる基本単位は、虚数単位iと表現されます。ただし、電気系の学問分野では、電流にiの文字を使うので、iの代りにjが使われることが多いようです。  一般的な複素数は、2つの実数aとbと虚数単位iを使って、a+biのように表現します。このような虚数を使うと、これまで解けなかった二次方程式にも(虚数の)解が出てきます。これは、それまでの実数を拡張した新しい数の概念です。  二乗して0(ゼロ)になる

数学の小ネタ#2 無理数の覚え方

 よく使う無理数には、語呂合わせを使った覚え方があります。ちなみに無理数とは、有理数(整数の分数)で表せない数のことです。有名なものでは、√2、√3、√5などがあります。√2は「一夜一夜に人見ごろ」=1.41421356・・・、√3は「人並に驕れや女子」=1.7320508075・・・、√5は「富士山麓、鸚鵡鳴く」=2.2360679・・・ です。  円周率πはおよそ3.14ですが、これにも面白い覚え方があります。その覚え方は「産医師、異国に向こう、産後役無く、産婦、御社に

数学の小ネタ#1 11で割り切れる?

 今日は2022年2月2日で、2が5つも並びます。しかし、あと20日待てば2022年2月22日がやってきて、2が6つも並びます。さらに200年待てば・・・。ここで問題です。この年号と日付を数字にした”20220202”は、11で割りきれるでしょうか?。  筆算でも電卓でも構いませんが、計算してみると割り切れません。では、”20220222”は11で割り切れるでしょうか?。こちらは、11できれいに割り切れます。2や3や9で割り切れるかどうかの判定法なら、知っている人は多いと思