vol.34 人事評価に目標は必要なのか?

前回の話のまとめを再掲します。

役職者のお仕事は成果の最大化
     ↓
メンバーのゴールは成果
     ↓
成果には目標が必要

では人事評価に目標は必要なのか?

人事評価に対する目標

さぁ、かなりキワドイ話になってきましたw
人事「評価」なので目標は必要そうですよね。でも、僕なりの答えですが

人事評価に対する目標は「本質的には」必要がない

と考えています。
理由は端的にいうと、あくまでゴールは成果であって人事評価はゴールではないからです。単に成果に対して評価がなされるべきだと思います。
MBO、OKR、360度評価、さまざまなマネジメント手法において人事評価と紐付けないほうがよい、という話がでてくることに、とても共感します。

また前々回に、

  • 役職者のお仕事である成果最大化から成果に対する人事評価は分けた方がよい

  •  とはいえ人事評価に適切なのは「基本的には」役職者

  • 結局、人事評価は役職者に委ねられるが、論理的に正しい状態で組織運営をした方がよい

と書きましたが、この論理的に正しい状態で組織運営をすることで目標の書き方も変わってくるような気がしています。

一旦ここまでのまとめ

さてここで、ちょっとまとめます。

・役職者のお仕事である成果最大化から成果に対する人事評価は分けた方がよい
・とはいえ人事評価に適切なのは「基本的には」役職者
・結局、人事評価は役職者に委ねられるが、論理的に正しい状態で組織運営をした方がよい
・成果はゴールなのでこれに対する成果目標は必要
・人事評価はゴールではないのでこれに対する目標は「本質的には」必要がない

具体例

ここで具体例をあげてみます。
例えば、マネージャーが人事評価と目標をリニアにつなげたマネジメントを続けた結果、メンバーは成果というゴールではなく人事評価に対してコミットし始めるのではないでしょうか。その場合、以下のような問題が起こりやすくなると思います。

問題例1:目標設定レベル引き下げ合戦

目標設定で高い人事評価を得るために、達成がより楽になるように低い目標を設定しようとする作用が働き、役職者とメンバーの間で無駄な目標設定レベル引き下げ合戦を繰り広げる

全くお客さまに目線が向かず、意味の無いコストが発生する上、またストレッチな目標になりにくいので会社/個人の成長がイマイチになりがち

問題例2:人事評価引き上げ合戦

役職者がメンバーの人事評価を盛り、さらの上の役職者に対しその評価を承認するように人事評価引き上げ合戦を繰り広げる。管理者はメンバーの人事評価を引き上げることで、メンバーをさらにコントロールしやすくし、自らの仕事を進めやすくする

こちらも同上ですね。また人事評価に偏りが出ると、人事評価を常にプラスに盛る傾向の役職者とそれを支持するメンバーからなる謎のグループが形成され、その謎のグループ vs その他公正な役職者、という構図となりがちです。そうなった場合、この公正な役職者は大体劣勢となります

特に問題例2ですが、「人事評価を勝ち取ってきたぞ!」という会話が役職者から聞こえたら赤信号です。すぐになんらかの対処をした方がよいかと思います。

とはいえ、どうやって成果を測りましょう。。。?

つづく
次回 「どうやって成果を測りましょう。。。?

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