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自己紹介② 空間とは? 音楽であり、本であり、思考である。

希望通り近畿大学工学部に進学した僕。

何をしていたかというと・・・

DJをしていました(!)

いつも単位はギリギリ、遊んでばっかりでしたが
遊びの中で学んだことが、今の僕をつくりあげてくれています。


“音楽”で空間をつくる

僕はDJをはじめたのは、所属していた「意匠研究室」の尊敬する先輩の影響です。

「お前もやったらいいやん!」その一言で始めました。

DJって実は空間演出なんです。
モノではなく、音楽で空間をつくる。

お客さんは何人?雰囲気は?表情は?

曲を構成するギターの音、ピアノの音。
それらを抽出して、繋いでいく。

ノリや直感だけではない、空間を読む力、つくる力。
DJから、たくさんのことを学びました。

なんでも空間に置き換える

DJをはじめ、大学時代に学んだのは、「なんでも空間に置き換えられる」ということでした。

僕が学んだ空間づくりは、図面を考えることではありませんでした。
「哲学」としての空間。

ーデコンストラクティビズム(脱構築)
空間の概念を壊し、建築の自由にすること。
純粋で、新しい建築。

例えば、音楽や本、香りetc...なんだって空間に置き換えられる。

全てを疑い、再構築すること。

それが「空間」ということに気づかされました。


空間づくりに夢中だった

新しい空間論に夢中になった僕は、大学院へ進学。
周りにいた先生方は、世界を相手にするような偉大な建築家の方も多く。
また、毎月著名な建築家が講義に来てくれて、とても刺激的な日々でした。

空間の勉強が楽しくて楽しくて。
就職のことは・・・正直考えていませんでした。

そんな時、建設のお手伝いをしていた店舗がたまたま、今をときめく建築家・谷尻誠さんの設計。

谷尻さんに「卒業したら、うちに遊びにおいでよ」と声をかけてもらい、
卒業後、本当に電話をかけたら・・・雇ってもらうことになりました(笑)

設計事務所の仕事って、華やかに思えるかもしれませんが、実はとても過酷です。

最初はほとんど丁稚奉公のような感じで。
他のバイトをしながらでないと、生活していくことができません。

平日は設計事務所、土日はアルバイト。

そんな生活を繰り返し、僕は体調を崩し、サポーズを突然辞めてしまうことになります。

いい感じで辞めることができなかったのが今でも心残りです。

それでも設計が好き


その後、違うデザイン事務所にも入りましたが、お給料がもらえない状況が続き。

それなら自分で事務所を構えよう!

と、「上田英和建築計画事務所」という個人事務所をつくりました。
27才の頃です。

たくさんしんどい想いもしましたが、やっぱり建築が好きで、夢中でした。

そして、32才になる頃。
奥さんと「家を建てたいね」と話をするようになりました。

家を建てるなら、田舎がいいね。
奥さんは徳島、僕は愛媛。
どちらかの田舎へ帰ろう。

そして、家を建てるならローンを組まないといけないから個人事業主は難しい。

それなら、どこか会社に就職しよう。

そんな感じで、僕はあっさりと個人事務所を畳み、地元愛媛へ帰郷。
就職活動をはじめたのでした。

text by 大木春菜

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