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住宅設計の行き着く先を考える 続編

今回は、前回書いた「住宅設計の行き着く先を考える」の続編です。


前回、住宅設計の行き着く先を考えるためには”ディテールをこだわること”
また、”ディテールを疑うことで行き着く先が見えてくる”
というお話をしました。

建築をきちんと勉強している方には、当たり前に思えることだと思いますが、ディテールを考え抜いてこそ、良い建築を作ることができます。
しかし、今作られている住宅の多くは、ディテールを考えなくても成立してしまいます。

安くて耐久性に優れた既製品が大量にあり、それを選び組み合わせることで住宅は出来上がっていきます。さらに施工要領もメーカーが決めたものに従うことで、保証が適応される。という中で、ディテールのことを考えず、間取りと仕様を決めることで住宅が出来上がってしまうのです。

安心安全はもちろん大切なことですし、スピーディーに計画を進め、工期を短縮することはビジネスの観点からしても大切なことだということは解ります。

とはいえ、一生住む家ですから、こだわって作り、手入れをしながら永く住んでも飽きがこない住宅の方が愛着が湧きますし、大切に住まうことができると思います。

では、どういったところをこだわって作るべきか!?
それは、大きく考えると2つに分類されます。

まず1つ目は「手で触れるところ」

2つ目は「住まい手のお気に入りになるところ」または、「住んでいて、いいなぁと思えるところ」です。

1つ目の「手で触れるところ」を具体的にいうと、
・扉の取手や引手
・階段などの手摺
・椅子やソファ
・テーブル
などにあたると思います。

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2つ目「住まい手のお気に入りになるところ」または、「住んでいて、いいなぁと思えるところ」は、住まい手の趣味嗜好にもよりますので、その部分に影響する住宅の部分としては、
・照明
・窓
・壁や天井
・アクセントになる部分
・住宅のアクセサリー部分(タオル掛け、表札、ポスト)
などになります。
こっちは、かなり幅が広いので、窓から見える庭木なども入るかもしれません。

この、大きく2つの部分をこだわり、オリジナリティ溢れるものを作って行くこと、そこに住まい手だけではなく、設計者のこだわりをのせることが、住宅設計の行き着く先ではないでしょうか。

つまり、住宅を構成するプロダクトのデザインをすることが住宅設計の行き着く先であり、設計者が常に挑戦する部分であると考えています。

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