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Excelをどこに使っているの?

はじめに

以下の記事では「DXを阻むのはExcelだ!」といった趣旨の内容が書かれています。

これは上の記事だけでなく、検索エンジンで「脱Excel DX」あたりで検索すれば無数にヒットします。「Excelを使うのを止めて、ローコード・ノーコードツールにしよう!」という結論になりがちな気がします。

一方で「いや、Excelを使わないと仕事にならない!」という意見も出て、両者が対立、場合によっては議論が炎上することもあります。しかし、そもそも突き詰めてみると、

「Excelを何のために使っているか?」という前提条件が全く違っている

ために、そこから話がずれていることがあります。そこで今回はExcelを何のために使っているかを整理してみます。

入力→処理→出力 (IPO)

以前「あらゆるシステムは、入力→処理→出力という構成でできている」という記事を書きました。

INPUT→ PROCESS → OUTPUT
(https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/1712/01/news148.html より引用)

そして、Excelは入力・処理・出力のいずれかのために利用できます。

Excelは入力・処理・出力のどこでも使える #一枚絵図

以下で一つずつ紹介していきます。

入力にExcelを使う場合

まず、入力にExcelを使う場合です。「Excelにデータを入れるのは当たり前でしょ?」と思うかもしれませんが、業務においては

Excelをデータ入力のためだけで使い、データ処理以降では使わない

という使い方が存在するのです。代表的な使い方は「Excel帳票」です。

Excel帳票の一例

こういう形式はネ申Excelなどと揶揄されたりしますが、日本では広く使われているのも事実です。

処理にExcelを使う場合

これは、先に示した参考文献で、Excel VBAを処理部に使う例が示されております。

ExcelVBAの場合のIPO
(https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/1712/01/news148.html より引用)

ある意味で「真っ当な使い方」であり、入力が別のシステムから出力されたExcelファイルだったり、逆に出力したExcelファイルを別の入力ファイルに使ったりと、業務自動化の一部を担っているという使い方になっていることも多いです。

出力にExcelを使う場合

最後は、Excelを出力に使うというパターンです。これはExcelで出力すると、その後人間が読み書きする場合に可読性が高いということで、システムからあえてCSVではなくExcel形式で出力される場合があります。

おわりに ~ 自由度の高さが前提を崩す

今回はExcelを入力→処理→出力のどこに使っているの?をテーマにいたしました。いずれにしても、Excelというアプリケーションは非常に自由度が高く、

それゆえにこの自由度の高さが、議論の混乱を招く

という点がご理解いただけたでしょうか?

DXの議論において、Excelのリプレースがテーマになった際には、是非Excelを入力→処理→出力のどこでどう使っているか?を明確にして議論を進めてほしいです。

(おわり)

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