はじめに
以下のような記事がありました。
この記事を読んで非常に共感を覚えたのですが、同時に
何故世の中はなしくずし的にDXが進まないのか
とも思えました。今回はこの点について考えていきます。
なしくずしDXは誰が行うのか
DXに関して導入を進めようとするときのセリフは決まって「小さく始めるべき」とか「PoCを」とか「成功体験を」とかです。
そんなことはもうわかりきっているのに、なぜそうならないのか
という点に興味があります。先の記事では、続いて以下のような記載がありました。
この企業では、DXアンバサダーなるポジションを用意し、その人に導入を推進してもらうことをしたようです。
アンバサダーとか、インフルエンサーとか、エバンジェリストとか
この「アンバサダー」という言葉は最近よく使われているようですが、少し前のはIT界隈では「エバンジェリスト」という呼び名もよく聞いていました。また、デジタルマーケティング界隈では「インフルエンサー」という呼び方もよく聞きます。これらは違いがあるのでしょうか?
以下のサイトでは「営業」とこれら3種のキーワードとの違いについて説明してくれています。
どのキーワードも、彼ら/彼女ら自身が自発的に広く影響を与えようとするところは同じように見えますが、特にアンバサダーは「自分自身が広告塔になる」という点を特に強調したい時に使うようです。
影響を与える範囲は3.5%で十分?
アンバサダーが広告塔になるという話が出ましたが、これはどこまで広げたらよいのでしょうか? 以下の記事によると、
ある集団の意識を変えるには、その集団の3.5%を変えればよい
とのことです。
いわゆる、イノベーター理論でいう「イノベーター」は母集団の2~3%程度とはよく言われますが、
アンバサダーがイノベーターに対してしっかり魅力を伝える
ことができるかどうかがポイントということなのでしょう。(イノベーター理論については、以下のnoteもご覧ください)
おわりに ~ 最後は自分が変わらない限り、何も変わらない
最後にもう一度、記事を読んでみましょう
「DXは自分事にならない限り進まない」とはよく言われます。それはつまり
DXによって自分が便利になるという変化を実感する必要がある
ということだと考えます。人にやってもらうDXはまだDXではなく、その意味では、どれだけ簡単なデジタルツールでもよいから、身近にファンがいて、そのファンとともになしくずし的に使ってみるということでしかDXは進みません。
逆に「聞かれたらなんでも答えますよ」とか「全部やってあげますよ」というコンシェルジュサービスのようなものは、その意味ではDX的ではないと言えるのかもしれません。
(おわり)