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VUCAの時代、必要なスキルは「転職力」?

はじめに

現代はVUCAの時代と言われます。技術者として、この先生きのこるために、我々は何を考え、どのようにふるまう必要があるのでしょうか? ここで一度改めて考えてみたいと思い、noteを書いていきます。

VUCAとは

いまさらですが、VUCAとは何かについて確認しましょう。

VUCAとは、一言でいうと「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」を意味します。元々は1990年代後半に軍事用語として発生した言葉ですが、2010年代に入ると、昨今の変化が激しく先行き不透明な社会情勢を指して、ビジネス界においても急速に使われるようになりました。
VUCAは、こちらの4つの単語の頭文字をとった造語です。
V(Volatility:変動性)
U(Uncertainty:不確実性)
C(Complexity:複雑性)
A(Ambiguity:曖昧性)

VUCA(ブーカ)とは?予測不可能な時代に必須な3つのスキル|グロービスキャリアノートhttps://mba.globis.ac.jp/careernote/1046.html

このうち、Volatility(ボラティリティ)は、投資や金融商品の関連でよく見る用語です。

ボラティリティー(Volatility)とは、一般的に価格変動の度合いを示す言葉で、「ボラティリティーが大きい」という場合は、その商品の価格変動が大きいことを意味し、「ボラティリティーが小さい」という場合は、その商品の価格変動が小さいことを意味します。
現代ポートフォリオ理論などでは、このボラティリティーを標準偏差で数値化し、それをその商品のリスクの度合いとして捉えるのが一般的です。そのため、ボラティリティーが大きい商品はリスクが高く、ボラティリティーが小さい商品はリスクが低いと判断されるのが通常です。

https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/ho/J0280.html

ここでは「これからの時代、未来像/ビジョン/計画は、当初想定していたものよりブレ幅が大きい」と解釈いたしました。なお、「ビジョン」という言葉については、以下の記事をご参照ください。

つまり、VUCAの時代とは

ブレ幅が大きく、不確かで、複雑で、曖昧な時代

ということになりますが、このような時代においては、想定外の出来事が次々と起こり、業界の概念を覆すサービスの登場し、また今までの常識が非常識になることが予想されるというのです。

VUCAの時代 #一枚絵図

OODAループとは

VUCAについて書かれた文章では、プロジェクトを進める際の手法としてOODAループが紹介されることが多いです。

業務改善の手法で「PDCA(計画、実行、評価、改善)が浸透していますが、PDCAに代わり、VUCA時代に対応する手法として「OODA(ウーダ)ループ」が注目されています。
OODAとは、「観察する(Observe)」「状況を理解する(Orient)」「決める(Decide)」「動く(Act)」の頭文字をとった言葉です。VUCA同様に、OODAループも軍事用語として発生したものです。

VUCA(ブーカ)とは?予測不可能な時代に必須な3つのスキル|グロービスキャリアノートhttps://mba.globis.ac.jp/careernote/1046.html

このようにOODAループは、PDCAに代わるものとして説明されることが多いです。理由としては、「VUCAの時代は、見通しが立たないので、計画を立てるより、状況把握に力を注ぐべき」と考えられているからでしょう。つまり、VUCAの時代は

「完璧な計画を立てる力」よりも「状況を把握する力」

の方がより求められると言えます。

VUCA時代に必要なスキル

このようなVUCAの時代において、必要なスキルが3つあると紹介されていますので、順に解説していきます。

テクノロジーの理解と情報収集力

この点については、DXという言葉に通じると思います。

テクノロジー、特にデジタルの知識をフル活用する人が生産性高く、価値を提供することが可能になる時代です。デジタルの分野は技術変化も非常に激しいので、常に最新の情報を把握する「調査力」や、自分で使ってみて理解する「理解力」も必要になるでしょう。

たとえば、ここ最近はChatGPTなる新しい技術が世を席巻しておりますが、大事なことはこれを一度は試してみて、自分なりの評価をすることです。

また、デジタルの知識というものは、廃れるものも多いです。「プログラムは何故動くのか?」あるいは「TCP/IPの原理」といった、一生使えるデジタルの知識というものも確かに存在はしますが、たとえば

「一生くいっぱぐれないプログラミング言語」というものはない

という姿勢でいることは重要です。要するに、常にアップデートが必要だと考えておくことが何よりも大切だということです。

自らの頭で考える力

OODAループでは、二つのO、すなわち「観察する(Observe)」「状況を理解する(Orient)」から始まります。ここからわかることは、事前の計画が綿密であることよりも、

都度、最適な状況を把握することが大事

であるということです。そして、判断は引き延ばすことなくその場で行い、行動をすぐに起こす必要があります。行動の結果、失敗することもありますが、失敗から次の行動に結び付けていく姿勢が求められます。これは、自分の頭で考えるということなくしては実現不可能であり、またAI・ロボットで代替困難な力であるとも言えます。上に挙げたChatGPTのような技術が出てきており、単純な知識だけではもはや生き残っていけません。今後はそのアウトプットをどう活用するか?を考えるといった、ひと味違う働き方が求められていくでしょう。

ポータブルスキル

引用元では「転職力」と書かれておりましたが、要するに専門分野/市場に限らず通用する力ということです。具体的には「コミュニケーション能力」「英語力」「ITスキル」などが挙げられます。これらのスキルは、転職する/しないに限らず、これからの時代に最も重要なスキルであることは間違いありません。

VUCAの時代に必要なスキル #一枚絵図

おわりに ~ これからは「ポータブル」な人の活躍機会が増える

こうして考えると、VUCAの時代は「行動力」がまさに重要であるということがわかったのですが、むしろこれからは行動を実現するために

あらゆる力を「ポータブル」にしている人の活躍機会が増える

と言えるかもしれません。

ポータブルとはどういうことか? たとえば、在宅勤務のように、労働環境をオフィスから持ち出す「ポータブル化」はここ1,2年で、制度としても定着し、社会インフラもすっかり整いました。確定拠出年金=「退職金のポータブル化」のように、人材の流動性を高める施策も一昔前よりは随分整ってきたように感じます。そもそも、日本の大企業ですら終身雇用制度はもはや維持できなくなるだろうと表明しているし、それを皆が受け入れ始めているのが現代なのです。

結局、このVUCAの時代に生きのこるというのは、そこで身に着けたビジネススキルをなるべく汎化させ、そこでないと使えない力にするのではなく

どこにでも持っていけるし、どこでも使える力に変換する力

がますます重要になるでしょう。

(この項おわり)

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