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人口ピラミッドと「製造業の労働力」

はじめに

日本は人口が減っています。そのため、日本のあらゆる分野で労働生産性を高める必要があります。以前より、このサイトでも労働生産性について記事を投稿してきました。

今回は、日本の人口ピラミッドと製造現場の労働人口構成と比較してみるという視点で書いていきます。

人口ピラミッドとは

いまさらですが、まずは定義から確認しましょう。

人口ピラミッド(じんこうピラミッド)とは、男女別に年齢ごとの人口を表したグラフのことである。 中央に縦軸を引き、底辺を0歳にして頂点を最高年齢者として年齢を刻み、左右に男・女別に年齢別の人口数または割合を棒グラフで表した「年齢別人口構成図」のこと。

https://ja.wikipedia.org/wiki/人口ピラミッド

人口ピラミッドは下から上に年齢が高まるように図を書くのですが、「老人が少なく、新生児が多い地域」の場合だとまさにピラミッド型になります。しかし

日本はピラミッド型とは程遠い

形になるというのは皆様ご存知の通りです。たとえば、国立社会保障・人口問題研究所ホームページにて公開されている2020年の日本における人口ピラミッドは以下の通り、「尖り」が目立つ独特な形をしています。言うまでもなく、

この「尖り」に相当するのは、団塊世代および段階Jr世代

です。

2020年の日本 https://www.ipss.go.jp/site-ad/TopPageData/2020.png

製造業の労働人口構成は

それでは、製造業の労働人口構成はどうなっているのでしょうか? いまや定年を60歳からもっと先に送るという議論も広く行われていますが、70代はすでに現役世代とは言えず、その場合の人口構成がどうなっているのか非常に気になるところです。

少し古い統計ですが、平成29年(2017年)にまとめられた製造業における労働安全及び設備保全IoT導入等に関する調査報告書というドキュメントがあります。これは製造業における安全や設備導入状況などが調査されたものなのですが、その中でp6に製造業における年代別分布のグラフがあります。

この報告書では、2006年と2016年の人口分布の比較が行われており「2006年に多くの割合を占めていた50歳代の職員が、現在は既に退職もしくは再雇用の状態にあるのではないか。」と分析されております。

人口構成が変わるリスク=ベテランがいなくなる、だけ?

2010年代に団塊世代が後期高齢者となり、製造業の現場から抜けると結局何が起こるのでしょうか?

まず、この調査報告書では、工場内からベテランがいなくなることで、過去から伝えられた知識が失われるという懸念について指摘されています。主なリスクとして工場内の安全が低下するリスクが挙げられていますが、ともかく「上がいなくなることのリスク」について記述されています。

しかし、リスクはそれだけなのでしょうか? もう一方の懸念として、「下が全然入ってこないというリスク」についても、もっと深く検討すべきではないのでしょうか? 特に

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