ITエンジニアのお給料=500万円は安いと感じてしまう理由(つづき)
はじめに
最近世間をにぎわせている「SAPエンジニアの求人に500万円は安い!」から始まった、ITエンジニアのお給料の話について、引き続き考えていきます。前回の記事は以下をご参照ください。
職種だけでなく、国でも年収は大きく異なる
そもそも、以前書いたように、給料の額というのは、
あなたの頑張りや能力よりも、業界や企業の選択で決まってしまう
という側面があるのが現状です。
今回は、これに加えてもう一段広く、このテーマを考えます。すなわち、
国による違い、つまり「日本か日本以外か」
の違いです。
たとえば、以下の記事によれば、特に中国のITエンジニアの給与が「爆上がり」しているそうです。具体的にいうと、
日本のITエンジニアは中国の7割ほどしかもらえていない
という書かれ方になっています。
ほかにも、経済産業省が2021年(令和3年)に発行したレポートによれば、日本と米国のIT人材の給与を比較すると
最高水準での比較においては、日本は米国よりも圧倒的に低い
点が指摘されています(※)。
(※) この資料の元ネタは、同じく経産省が2017年(平成29年)8月に発行した「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」というレポートですが、2024年7月現在経産省のWebからは既に削除されたようです。
この資料では、日本の様々な業界ごとのIT人材の給与水準も調査されています。上で書いたように、IT人材の給与は企業によって大きく異なるのが現状ですが、
IT人材だからといって、その企業のほかの社員と金額は変わらない
点も示されています。これも、最近の海外の動向とは大きく異なる点でしょう。
おわりに ~ ITエンジニアは何故給与が安いと「知ってしまう」のか?
今回は、ITエンジニアの給与が安い論について、主に海外との比較の点でまとめました。
それにしても、ITエンジニアのつぶやきをいろいろ見ていると、「給与が安すぎる」という類のものを多く見る気がします。そもそも、ITエンジニアは、なぜ(ほかの職種の人よりも)相場に比べて自分の給与が安いと「知ってしまう」のでしょうか?
それは、ITエンジニアが仕事柄Webなどを活用し、年収を含めた様々な情報収集をしているからではないでしょうか。その際に、
知らず知らずのうちに、まわりと比較して安いことを「知ってしまう」
機会が多いことに関連がある気がしています。
このあたりについては、引き続き深堀をしていこうと考えています。
(つづく)
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