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製造業のDXとは「産業用メタバース上でQCサークルのカイゼン活動」?

はじめに

「工場DX」「スマート工場」などと呼ばれる取組みは23年度も引き続き力を入れて行われるようです。

この中で、目を引くフレーズがありました。

デジタル化商品・サービスの中で同社が注目するのが、CPSとデジタルツインだ。

23年度の工場デジタル化市場は1.8兆円、矢野経済研究所が調査 | 日経クロステック(xTECH)
view-source:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/15096/

CPSとは“Cyber-Physical System”の略です。ずいぶん昔から利用されているフレーズですが、最近また注目されているようです。たとえば、以下のような記事がありました。

いまなぜこのフレーズが注目されているのか? 今回はこの辺りに注目していきます。


「CPS」「デジタルツイン」…昨日、今日の言葉ではない

そもそも、このサイバーフィジカルシステム(Cyber-Physical System: CPS)という言葉はいつからあるのでしょうか?

「サイバーフィジカルシステム(Cyber-Physical System: CPS)」という概念は、今から10年以上前から、米国を中心にリアルタイムシステム、組込みシステム、センサーネットワークなどの研究コミュニティーで議論されてきました。そして、米国の国立科学財団(NSF)によるワークショップを経て分野横断型の複合研究領域として具体化され、平成19年(2007年)の米大統領科学技術諮問委員会(PCAST)の報告で情報通信技術(ICT)研究開発における最優先項目として取り上げるべきとの提言がなされました。

「CPSとは - 解説」第73号 - NII Today / 国立情報学研究所
https://www.nii.ac.jp/today/73/5.html
https://www.nii.ac.jp/today/73/5.html より引用

これを見る限り、少なくとも2007年にはあったようです。また「デジタルツイン」という言葉も、Wikipediaを見る限り、2012年には既に存在していたようです。

"デジタルツインは実空間に対応するライフサイクルを反映するためのマルチフィジックスかつマルチスケールな統合システム。実オブジェクトに対応する物理モデル、センシング、それらの履歴などを利用し統合したシステム群により構築される。"Glaessgen&Stargel,(2012)

https://ja.wikipedia.org/wiki/デジタルツイン

つまり、

「CPS」も「デジタルツイン」も、少なくとも10年以上も前からある概念

ということです。それがなぜ今注目されているのでしょうか?

産業用メタバース?

2023年2月にIDC Japanが国内の産業用メタバース/デジタルツイン市場動向の調査結果を発表しました。そこで、面白い記述を発見しました。

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