要件定義に生成AIを活用することは可能なのか?
はじめに
以下のような記事がありました。
このnoteでは、プログラミングに生成AIを活用することをいくつも書いてきましたが、今回は「要件定義」フェーズに生成AIを活用することが果たして可能なのかについて考えていきます。
生成AIの得意なことと得意でないこと
これはいつも言われることですが、生成AIは何でもできるわけではありません。むしろ、弱点が明確だと言えるかもしれません。
生成AIの技術を、一言でいうと
過去の傾向から『それっぽい』回答を自動生成するプログラム
です。あくまで、学習に使ったデータをもとに「それっぽい何か」を出力しているだけで、正確なものを出力するわけではないという点に注意が必要です。
このnoteでは、将棋をテーマにいろいろな実験をしてきましたが、正確に「(日本の)将棋」を理解している生成AIサービスはほとんどなく、
将棋=Japanese Chessという訳から、チェスっぽい何か
を出力することがわかっています。
生成AIに要件定義はできるのか?
さて、本題の「生成AIに要件定義はできるのか?」ですが、私は
少なくとも現時点の技術ではかなり難しい
と考えています。その理由は明確で、上述の通り「生成AIは『それっぽい』文字列しか書けない」からです。もし、要件が「それっぽい」だけなら、その後の仕様Fixの工程で手戻りになるだけです。文字通り
仕様=スペック(Specification)は一意(Unique)でないといけない
のです。さらに深堀した記事については以下をご覧ください。
要求と要件の違い
そもそも、要件定義とは何でしょうか? そもそも
IT業界において「要求」と「要件」という2つの語は意味が全く異なる
のですが、そこから整理してみましょう。
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