見出し画像

なぜ急に「正社員、転職回数少ない、高学歴じゃないとダメ」と言い始めるのか問題を考える

スタートアップの初期は採用する体力がないことがほとんどなので、知り合いに手伝ってもらったりフリーランスの人を業務委託契約で手伝ってもらうことも多いと思います。

なんとかやりくりしながら、事業がある程度うまく行き始めて「採用を強化しよう」となると急に「学歴は早慶以上、転職回数も1回から2回くらい。外資コンサルとかにいた人を正社員で」となる場合、結構あるなーと感じています。こういった条件を満たしていないと書類選考通らない、みたいな。会社によってどのくらいのフェーズからそうなるかはそれぞれだと思いますが、なぜ会社は「ちゃんとしている風」の経歴を求めるようになるか、を考えてみたいと思います。


なぜ急に正社員、高学歴、経歴ピカピカみたいな人を求めるようになるのか

この現象、私が以前在籍していたスタートアップでもありました。まだ十数名の時に人材紹介会社さんなども使いながら採用を本格化し始めたのですが、その時の書類選考の基準が「早慶以上、経歴ピカピカ、転職回数少ない人」みたいなもの。それまではHPや知り合い経由などで採用していて、しかもその人たちが活躍していたにもかかわらず、このような経歴を求めるようになりました。

もちろん以上のような条件は書類選考する上での最低限のフィルター、という意味合いが多いと思いますが、それは正しいフィルターなんでしょうか。


なぜ起こるのか?


もちろんさまざまな要因があると思いますが、

・書類選考で何を基準に判断したらいいかわからない
・ある程度、組織化していくには大手などにいた人が必要だと思っている
・優秀な人を採用し、社員のレベルを上げていきたい
・優秀な社員が多いし、そのくらいの人じゃないと通用しないと思っている

などでしょうか。

他にも

・実は創業者の学歴コンプレックスの裏返し
・創業者の学歴至上主義
・すごい会社、有名な会社のブランドに弱い

といったパーソナルな要因もあるかもしれません。

それ以外の理由もあると思いますが、総じて「採用という手段の目的化」によって起こるのではないかと思っています。


「採用という手段の目的化」とは何か?

「採用という手段の目的化」とは文字通り、「採用すること自体が目的になってしまっている」ことを指しています。

「採用しよう!」となる背景には優秀な人を入れていくことで組織を強くしたい、会社を飛躍させたい、みたいなこともあると思いますが基本的には「人手が足らない」というのがベースにあります。人手が足りないのは「事業が成長しているから」であったり「誰かが辞めたから」、「新規事業を始めるから」であったりしますが、すべての共通しているのは「人手が足りない」ことです。


本来、「人手が足らない」という問題の解決策は「人手を増やす」以外にもあるはず。

・現在の業務を自動化する
・業務を見直し、無駄な作業は辞める
・特定の業務を1人に集中させ効率をあげる


みたいな方法もあるでしょうし、業務改善や工夫ではなく人手で解決するにしても

・特定の業務をアウトソースする
・知り合いにバイトで手伝ってもらう
・フリーランスに業務委託する

などが選択肢としてはあるはず。


「事業も伸びてるし、忙しいから人欲しい」という場合、「人欲しい」=「採用」になっていて、採用するなら優秀な人、優秀な人=学歴高く経歴ピカピカ、みたいになってしまっているのではないか、と。

要するに、採用に対する思考停止なんじゃないか、と。

もちろん優秀な人の採用は大事ですし、それが一番の解決策のことも多いですが。意外と忙しい=採用、となってしまってる会社が多いんじゃないかなと思います。


なんで採用するんでしたっけ?の精神

「人手が足りない、忙しい」となってる時ほど、本当に「採用」じゃないと解決しないのか?
採用するにしても、本当に必要な能力や経験、マインドは何なのか?をちゃんと具体的に考えようという至極当たり前だけど、なかなかできないものだったり。

そんな時は「なんで採用するんでしたっけ?」と改めて疑ってみるのがいいかもしれないですね。恐らく、、、ほとんど具体的な理由出なかったりするので。

なんで学歴必要なの?とか、社員じゃないとダメな理由なんだっけ?とか、いちいち考えるのって結構めんどくさいことだと思います。

ただ、少しでも「なんで採用するんでしたっけ?」と考えることで、自社にとって本当に必要な人材像は明確になるでしょうし、きっとそれは学歴や転職回数では計れないはず。


そうやって考え、動き続けることで自分達なりの「選考基準」や「フィルターのかけ方」を見つけられる会社が少しでも増えるといいな、と思っています。


以上です。

よろしければ「スキ」や「フォロー」お願いします。ぜひTwitterもフォローしてください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?