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39歳でASD(自閉スペクトラム症)と発覚したら大事なものに気づいた

子どもの頃から「あれ、自分はちょっと変かな?」「周囲と違うな」と思うことは日常茶飯事だったし、学生や社会人になってからは空気が読めなかったり余計な一言を言ったり、自分の発言によって場を困らせてしまったりなど多くの失敗をしてきた。
若手社会人の頃はそれで凹むこともあったし、なんとかして克服しようと思ったこともあったが、どう頑張っても他人の気持ちを理解する、共感することはできなかった。
それなりに失敗経験も多く積んできたので「こういう場面ではこう感じる人がいる」という知識が蓄えられてきて、共感はできないけど知識として知ってるから知識をフル動員して対処することも増えてきたとは思う。


昔から人付き合いは得意ではなく友達は少ないが、数少ない友達とは長く付き合っている。その中の友達数人に「もしかしてASDかもよ?検査してみたら」と言われ、ちゃんと診断を受けることにした。
これまでも自分の特性や性格に?と思うことはあったが、幸い友達や家族、職場のみんなに恵まれ、とりあえず社会生活に困ることは減っていたので「まぁいいか」と思って調べる気にはならなかった。でもせっかくだしやってみるか、と思い昨年末から今年頭にかけて検査、診断を受けることにした。


予想通りというかなんというか、診断結果は「ASDでほぼ間違いないと思います」とのこと。ちなみにASDとは?という人は以下などを見てもらえれば。詳しく知りたい方はググってみて欲しい。

特徴としては以下のようなことが言われている。

会話が続かないことが多く、コミュニケーションが難しい
相手の気持ちを察するのは苦手
空気を読むことが難しい
思ったことをそのまま口に出してしまう
急な予定変更があるとパニックになってしまう
あいまいな指示をされると困る
先の見通しをたてるのは苦手
興味の幅が狭い
繰り返しの作業や同一性への強いこだわり
ルール(時にはマイルール)への強いこだわり
自分のペースがあり、他者と合わせるのが苦痛である
特定の匂い、音など特定の感覚に対して過敏性がある
人間関係がいつもうまくいかない など


またASDは大きく分けて2つある。

知的障害を伴う自閉症
知的障害を伴わない自閉症(アスペルガー症候群)

ASDの主な特性としては、次の2つが特徴的とのこと。

対人関係における相互的反応の障害

「相手の心情を表情や言葉のニュアンスから察することが苦手」「場の雰囲気を読むことが難しい」などが多いです。

同一性へのこだわり

「特定の対象に対して強い興味を示す」「反復的で機械的な動作が見られる」「こだわりが強く、状況に応じた柔軟な対応が難しい」などが多いです。


僕の場合は、知的障害を伴わない自閉症(アスペルガー症候群)に該当するようだ。
診断を受けた時は「あーやっぱりそうなんだ」というくらいで特に動揺も何もなかった。むしろ自分がなんで人の気持ちを察せられないのか、空気を読まずに発言してしまうのか、1つのこだわりが強いのか、などが説明された気がして腹落ちしたというかスッキリしたのが本音だ。


診断を経たから、数少ない友達とご飯を食べながら「実は...」と話してみることにした。個人的には診断結果が出て、自分に新しいタグのようなものがついたことを話したくて仕方なかったのもある。(この辺がASDっぽい笑)

そして話してみたところ「へぇそうなんだ」「なんかそれっぽいよねw」「やっぱりすぎてウケるw」みたいな反応。そして僕がASDであることを話すまでとそれまでと何も変わらずに会話が続いていった。
僕はその反応は素直に嬉しかった。ASDっぽい特性が強くて、隠しきれていなかっただろうし、その特性にどうやら病名?が付いているらしいくらいの感覚だったのかもしれないが。笑


でも、ふと考えるととても貴重だなとも思った。
僕と友達としてやっていくのは大変な面もあるかもしれないし、なんだこいつ?と思うこともあるかもしれない。でも、それも含めて僕の特性を「石倉ぽい」と思ってくれていて、それも含めて僕との時間を楽しんでくれている。(と勝手に思っている。違ったらごめん笑)
そしてこれからも別に今までと変わらずご飯食べたりお酒飲んだりくだらない話をしたり、時には仕事の話したりするのだろう。


子どもの頃から「変わった子」「なんで他人の気持ちがわからないの?」などと言われて過ごしてきたが、そんな特性も「石倉らしい」と受け入れてくれる人が身近にこんなにたくさんいたことに気づけたのはとても大きかった。また、そんな友達や家族がいることが誇らしかったし、自分がそのままでいても面白がってくれる人たちとの時間や関係性こそがとても貴重で大事なものだと改めて認識できた。


どうしても自分ができないことに目が向いてしまったり、他人に嫌われないか心配になってしまったりするのが人間だが、それよりも本当に自分のことを大事にしてくれる人を大事にすることこそ重要だ。

弱点だらけの姿でも、それを気にせず仲良くしてくれる人、遊んでくれる人、笑ってくれる人との時間が自分の幸福を作っていくのだと思う。

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