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写真が苦手

実は写真を撮られるのはそんなに得意ではありません。撮る仕事をしているのにおかしいですよね。いざカメラを向けられるとそわそわして物陰に隠れてしまったりもします。同じように撮られるのが苦手な人ってけっこういるのではないでしょうか。

緊張する、どういう顔をすればいいかわからない、どこを見ればよいですか、というのはよく言われます。その気持ち、すごく分かります。と心でうなづきながら、そういうときはこんなお話をします。

ちょっと思い浮かべてみてください。その写真が20年後、30年後に残っていたらどう思うでしょう? あなたは誰と一緒にその写真を見ていますか? 今はまだ出会っていない大切な誰かかもしれませんね。もしかしたらあなたのお子さんかもしれませんね。その時、その誰かの隣にいるあなたはどんな姿をしていますか? そこはどん場所で、どんな景色が見えますか? なにより、

その写真のなかにいるあなたはどんな表情をしていますか?

この話をすると不思議とみなさん「いい顔」をしてくれるんですよね。そして、その目はカメラの先にある、どこか遠い未来のほうを見つめているような気がします。写真なら、未来にいる自分になって今の自分を見つめることができるんですね。

そんなことを想像すると、一枚くらい撮られてもいいかも、って思ったりしませんか?

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このテキストは「ひろがるしゃしん」に収録予定です。

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