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スポーツ特化のMCN/デジタルスタジオWhistle Sportsが、New Formを買収した話。

スポーツコンテンツ特化のMCN/デジタルスタジオのWhistle Sportsが、LAに拠点があるデジタルスタジオのNew Formを買収したと発表しました。

Whistle Sportsはスポーツ系の動画を投稿している数百ものYouTubeチャンネルをネットワーク化するMCNとして、2014年にニューヨークで創業。BSkyB・NBC Sports・Aser Media・Liberty Global・Tegna、そしてJeffrey Katzenberg率いるWndrCoなどから累計で1億ドル以上調達しており、元ヤンキースのDerek Jeterや元NFLのPeyton Manningらも出資しています。NFL・NASCAR・MLB・PGA Tourなどともパートナーシップを締結し、昨年タレントエージェンシーのCAAとも契約、長尺コンテンツの制作を加速化させていました。

現在はDude Perfect・The F2・Nitro Circus・FaZe Clanなどクリエイターやスポーツリーグなど500チャンネルを抱えており、登録者はネットワーク全体で5.18億人、月間動画再生回数は21億回。スポーツコンテンツと言っても、DAZNのようにプロスポーツの試合中継とかハイライトを配信する訳ではなく、トリックショットやフリースタイルなど含めて広義のスポーツコンテンツを投稿しているイメージです。


一方のNew Formは、「アポロ13/Apollo 13」や「ビューティフル・マインド/A Beautiful Mind」などを世に送り出した映画監督/プロデューサーのRon Howardが、長年コンビを組んでいる映画プロデューサーのBrian GrazerとDiscovery Communicationsと共に立ち上げたデジタルスタジオ。2016年にはITVらから1800万ドル調達し、累計で3000万ドル調達していました。

ハリウッド人脈を存分に活かしながら、多くのオリジナル番組のパイロット版をクリエイターと共に企画開発・インキュベートし、オンラインメディアやソーシャルプラットフォーム向けに番組シリーズを販売してきました。その数は30タイトル以上。例えばTXTSTORIESは、グループチャットのUIで物語を伝える実験的な番組シリーズ。またロマンチックコメディー「Single by 30」は、Wong Fu Productionsと共にパイロット版を作り、YouTubeオリジナルドラマとして配信されていました。


今回の買収によって、Whistle Sportsはスポーツ特化のMCN/デジタルスタジオとして確固たる地位を築くことになり、New Formの力を使ってメディアブランドに沿ったオリジナルコンテンツ制作を加速させることになりそうです。最近はSportsを外してシンプルに「Whistle」とし、メディアブランドを自ら再定義しているしているようなので、スポーツの捉え方を拡張させるようなコンテンツを企画開発していくのではないかと。






140文字の文章ばかり書いていると長い文章を書くのが実に億劫で、どうもまとめる力が衰えてきた気がしてなりません。日々のことはTwitterの方に書いてますので、よろしければ→@hideaki