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保育園・幼稚園で育む「10の姿」から学ぶ、先生たちの仕事術(前編)

保育所や幼稚園、こども園では「保育所保育指針」や「幼稚園教育要領」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」に基づいて保育がなされます。決してその日に思い付いたことをテキトーに行なっているわけではありません。
それらの要領などの共通の指針として「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」があります。
ここを目指して保育をするわけですが、実はこの10の姿、先生方(私も含めて)や社会人にもしっかり応用が効くのです。私は「10の姿最強説」と勝手に思っているのですが、今日はどのように応用できるのか、少し書き留めてみたいと思います。

10の姿の社会人への応用イメージ

①健康な心と体

社会人としての大事な素養は、誠実に仕事に向き合うこと。
しかし、心身の不調があっては子どもの前に笑顔で立てません。心身の健康を維持することも社会人としての大事な素養です(もちろん、予期しない病気は別です)。
今の保育現場はとても忙しく、有給休暇どころか休憩すらまともにとれません。これをマネジメントする立場にある管理者もこの点は意識すべきで、保育者がしっかり休むことが子どもの利益に繋がることを頭に入れておかなければなりませんね。
しかし、現実は保育士不足等の問題で、各園の努力だけでは限界があることも重々承知しています。
行事を3つから1つへ、などのドラスティックな改革も選択肢かもしれません。
「壮大な壁面装飾よりも、先生の笑顔の方が何倍も価値がある」と私は思います。

②自立心

子どもの場合の自立は「自ら考えて行動する」という意味でしょう。大人にもそのまま当てはあります。
「自立」という言葉には度々誤解が生じます。「誰に頼ることもなく、自分で道を切り開け!」という根性論のような誤解です。これは間違いです。
そもそも人間は社会で生きる存在で、誰かに頼り、頼られる存在です。ですから「自立」とは自らしっかりと考えた上で、適切に「助けて」「教えて」と他者を頼って自ら成長しようとすることだと思うのです。これは「甘え」とも違います。
特に先生方は指示をそのまま受け入れるのでなく、指示を土台に自らより良い業務にアレンジしていく「自立性」が求められるのだと思います。
良い意味で「疑問を持つ=クリティカルシンキング」が求められており、「この業務は本当に必要か?」という視点がないと、いつまでも業務は改善していきません。

③共同性

どんな職場でも、他者と共同して、同じ方向を向いて仕事をすることが組織としての成長につながります。
特に保育の現場は先生方の連携が何よりも大事で、風通しの良い組織、風通しの良い人間関係が保育者の心を穏やかにし、時には課題も見つかって、結果として「質の高い保育」が提供できると思います。結果、何よりも子どもと保護者が幸せになりますね。

前編のまとめ


以下、中編、後編へと続きます。
いずれにしても、私たちは「10の姿」から学ぶことが非常に多いのです。
組織で仕事をするということは、時に軋轢に巻き込まれ、上長の指示に納得できずに心を病み(または、部下の理不尽な訴えに心を病み)、落ち込むこともあるでしょう。
ここでもう一度仕事のあり方を振り返り、究極的な目的である「すべての保育者が子どもの前に笑顔で立つ」という保育現場の実現に向けて私も研究を続けていきます。
共に頑張りましょう。



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