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逃避の散歩 24.渋谷から新宿(人混みを避ける一例)

グーグルマップなどで検索するとわかるが、渋谷から新宿までは3.5キロほどと意外と近くてちょっとした散歩に向いている。

歩くなら明治通りを歩くのが一番わかりやすくて簡単だ。信号待ちを含めて40分ほどあれば歩ける。とはいえ、地図検索で出てくるルートの結果は、ほぼ必ずと言っていいほど途中まで渋谷や原宿といった繁華街の中を通らなければいけないため、朝や深夜ならまだしも、昼歩くには人通りが多い。

グーグルマップ結果からは少し遠回りにはなるが、渋谷駅西口からなるべく人混みを避けてJR新宿駅の新南改札前まで歩こう。今回のルートは自分がなるべく混雑を避けて新宿まで歩くために使う1つだ。

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西口を出たら、まず左側にある歩道橋を渡って渋谷フクラスの自由通路にある階段を下りる。そして国道246号線(玉川通り)と首都高速に沿って坂を上る。以前やった京王井の頭線踏破のスタート直後に上った渋谷マークシティ横の坂ほどの傾斜のきつさはない。

脳内でイギー・ポップの『Lust For Life』が流れる。いい出だしだ。『トレインスポッティング』の冒頭でこの曲が使われていて、劇場で観た時はガッチリ心を掴まれてしまった。

セルリアンタワーへの陸橋の脇を抜けて坂を上りきり、少し下って南平台交差点の横断歩道を渡って右側へ。ここで国道246号線とお別れだ。

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井の頭線踏破のときにも通過した道玄坂上交番前交差点に出た。ここから東急本店の裏側、オーチャードホールのある文化村北口に行きたい。そこまでの最短距離は、横断歩道を渡ってコンビニがある方の通りを抜ければいい。しかし、この通りは人通りも車も多く、ラブホテル街を抜けることになる。

人通りを避けたい、あるいはラブホテル街を歩くのが嫌な人もいるだろう。ならばどうすればいいか。神泉から回ればいい。

その行き方は井の頭線踏破の時と同じなので省略。

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スタートから9分、神泉駅前を通過。踏切を渡ってそのまま真っ直ぐ進み、2つ目の角を右折、突き当りを左折して道なりに進む。

脳内ではブルース・スプリングスティーンの『The Wrestler』が流れる。『レスラー』の主題曲だ。この作品はプロレスに対して敬意をもって作られたのが印象的だ。

渋谷に行く際は目的の場所によっては神泉から歩いた方が近い。人混みの中を歩くストレスがないので、この辺りを歩き慣れて道を覚えたことで随分と気分が楽になった。

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四差路の交差点に出た。右側が東急本店方面、手前左側は上り坂になっていて、そのまま上るとやはり井の頭線踏破で通過した旧山手通りの松濤二丁目交差点に出る。左前方は二つに分かれていて、横断歩道を渡って手前左側ではなく、右側の道を行く。

二つ目の角を右折して住宅街の直線の道に入る。先には東急文化村の裏側が見える。道を抜けたら信号のない横断歩道を渡っていく。

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スタートから15分、東急文化村の北口に来た。ここは以前下北沢へ歩くときのスタート地点となった。今回もその時と同じ道を少しだけたどる。

三つ目の角を右折し、坂を下って神山町東交差点に出る。ここは押ボタン式の信号なので、横断歩道を渡るときはボタンを押すのを忘れずに。横断歩道を渡ってすぐ右は車道、左側は遊歩道となっている。この遊歩道と道路は宇田川の暗渠だ。遊歩道に入ったところで18分経過。

ここでクインシー・ジョーンズの『ソウル・ボサノヴァ』が脳内で流れる。『オースティン・パワーズ』のオープニングクレジットで使われている曲だ。珍しく映画館で声を出して笑った作品だったな。

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この暗渠、車通りと人通りが激しい道に左右挟まれているが、意外と道幅があり人通りも少なく静かだ。

入ったところから数えて三つ目の角で右に行けば、NHK放送センター西口の近くに出られ、左に行くとさっきの交差点がある通りに戻る。左側の通りに出たすぐのところに神山町交差点があり、そのすぐ近くに『孤独のグルメ』の原作で登場した魚屋『魚力』がある。サバの味噌煮が名物だ。

柄にもなく食べ物の話をしてしまった。腹は減っていない。

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暗渠を抜けて25分経過、井の頭通りに出てすぐの代々木公園交番前交差点に着く。信号待ちをしてから横断歩道を渡り、代々木公園の外郭に沿って北側へ進んでいく。

ここでボブ・ディランの『The Man In Me』が脳内で流れる。『ビッグ・リボウスキ』の冒頭で使われている曲だ。コーエン兄弟の作品では同作が一番面白いと思う。

地下鉄千代田線の代々木公園駅とガラス張りの公衆トイレがあることで知られる代々木深町小公園の前を通過すると、対向に代々木公園の西口が見える。続けてはるのおがわプレーパークとはるのおがわ公園広場の前を通ると、参宮橋門と駐車場が見えてくる。

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34分経過、国立オリンピック記念青少年総合センターの前を通過する。「昔、英検の二次試験を受けに行ったな」くらいの印象しか残っていない。

同センターを越え、首都高速の代々木料金所および出口が見えたあたりから徐々に上り坂となる。錆びまくっていていつ壊れるかわからないような歩道橋の脇を抜け、小田急線の線路と合流したところで、参宮橋駅のホームが見える。

ここでロビー・ウィリアムズの『Man Machine』が脳内で流れる。『ロック、ストック & トゥー・スモーキング・バレルズ』の劇中で使用されていた曲だ。やっぱ、ガイ・リッチー作品で一番好きなのはこの作品だ。

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38分経過、坂を上ったところで小田急線の駅の跨線橋となっている参宮橋を渡る。その名の通り、明治神宮の西参道鳥居がこの近くにある。明治神宮も原宿駅周辺から入るといつも混んでいる印象があるが、年始の混雑する時期をのぞけば、この鳥居からなら人混みを避けて入れる。

参宮橋交差点の横断歩道を渡って左折し、最初の角を右折して突き当ると右側に小田急線の跨線橋が見えたら、左側へ行きすぐ右折する。道なりに進むと左側に小学校が見え、小田急線の踏切に差し掛かる。

踏切を渡り、そのまま道沿いに進んで突き当りを左折する。大雨が来ると浸水することで有名な小田急線のアンダーパスの前に出るので右折。

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47分経過、代々木一丁目交差点に出た。横断歩道を2段階渡り、対向の歩道へ。信号機そばにある建物の裏側の道に入る。道なりに進み、道が左右に分かれたら右へ。そのまましばらく真っ直ぐ進む。3つ目の角で左折すると、小田急線南新宿駅につく。だが、今回の目的地はそこではない。

さらに直進すると、道は緩やかな上り坂が続く。道なりに進み突き当たると、2車線の道に出る。すぐ目の前にある横断歩道を渡り、小田急線の線路が見える左側へ進み、最初の角を曲がる。

蛇足だが、逆側はJR代々木駅に向かっていて、この並びに知っている人は知っている日本最古のマクドナルド店舗、代々木店がある。さらに先の信号まで行くと、TVドラマ『傷だらけの天使』の舞台として知られた代々木会館ビル(2019年8月1日~2020年1月30日にかけて解体)の跡地が見える。

52分経過、都道414号線に出た。横断歩道を渡って左折し、小田急線の踏切がある方向へ進む。

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新宿駅のそばということもあって、昔からこの踏切は時間によっては開かず状態になり、南新宿駅側か明治通り側に遠回りした方が早いくらいに不便だったが、1998年に新宿サザンテラスができたことで歩きやすくなった。

目的地の近道でもあるので、線路手前右側にある階段を上って新宿サザンテラスに入る。

ここでMIKA vs. RedOneの『Kick Ass (We Are Young)』が脳内で流れる。映画『キック・アス』のエンドクレジットで使われている曲だ。原作のコミックは2巻以降、映画とは違う陰惨な展開になるけど、終盤が本当に泣ける。

この通りは昼間にまっすぐ甲州街道方面へ歩くと人混みが酷い。そのまま真っ直ぐ歩くよりはJR東日本本社ビル手前の跨線橋を渡って東側の高島屋の自由通路から歩くほうが少しだけ人混みを避けられる。

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スタートから1時間ジャスト、JR新宿駅の新南改札前に到着。

検索してみたら、今回のルートは5キロほど歩いたようだ。信号待ちなどを含めれば移動時間を含めてこんなものだろう。参考までにグーグルマップの検索結果で出る最短距離なら45分以内には着く。

その地域を歩き慣れてくると、始発点と終着点だけ決めてその時の気分と状況でわざと遠回りしたり、検索では引っかからない近道を抜けたりと、ルートを自在に変えて歩けるので飽きない。

そういうことを考え、楽しむことで自分は逃避の散歩を楽しんでいる。

この後どうするかは少し休憩して考えるとしよう。