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32匹の猫とラーメンマン

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初めての自伝的小説。不定期に更新していきます。 登場人物や固有名称こそフィクションですが、物語の大半はノンフィクションです。
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32匹の猫とラーメンマン(4)

32匹の猫とラーメンマン(4)

ヒカルには二個上の兄貴がいました。

エースで五番、チームの中心的存在。兄もまた学年の体育優良生徒で、ヒカルよりも遥かに体格が良く、瞬発力だけでなくパワーも兼ね備えた、運動神経抜群の少年。オマケにとても優しくて、僕の事をもう一人の弟のように可愛がってくれました。

僕もこんなお兄ちゃんが欲しかったなぁと、ヒカルのことが羨ましかったのを覚えています。

兄の正宗君は、サウスポーで速い球を投げるピッチ

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32匹の猫とラーメンマン(3)

32匹の猫とラーメンマン(3)

春になり一番上のお兄ちゃんたちが居なくなると、中古のお下がりですが念願のユニフォームをもらえました

が、

ぶっかぶか。

背の順でいうと幼稚園の頃から大体二番目か三番目が定位置だった僕にはとてつもなく大きすぎました。寄りによってちょっとぽっちゃり太ったお兄ちゃんが着ていたユニフォームで、たぶん卒業生の中で一番大きいユニフォームを一番体の小さな僕がもらったようです。

ラーメンマンはこういうとこ

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32匹の猫とラーメンマン(2)

32匹の猫とラーメンマン(2)

野球の練習をする場所は自転車で5分位走った先の住宅街の中にある公園でした。

公園なのですが一応バックネットがあり、内野は土で外野は芝生が伸び切ったような草。レフト側は小学生が前進守備でギリギリ守備位置につけるかつけないか。すぐ後ろにはアスレチックのような遊具があり、ボールを追いかけながらバックすると非常に危ない。ライト側は異常に狭く、セカンドのすぐ後ろはもはや平面ではなく斜め上に草木が生い茂る草

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32匹の猫とラーメンマン

32匹の猫とラーメンマン

2月22日

猫の日

TwitterのTLにはこれでもかと言わんばかりに可愛らしい猫ちゃんの画像が流れてきます。

ヤマト運輸の広告も。

子供の頃、自分が住んでいた町には「子供会」というものがあって年間を通して四季折々の様々な行事や地域活動を行っていました。
名称は多少違えど全国的にこの手のものが地域に強く根付いている昭和の時代。

自分はこれがとても苦手でした。

子供会にはソフトボールチー

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