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同じクライアントを10年以上担当するということ

担当を始めてから、ありがたいことに何年も継続するクライアントが存在します。富士急グループは17年。アサヒのワンダも7年。ワンダを担当する前は、コカ・コーラのジョージアも6年担当させていただきました。
単に長ければいいというものではありません。
でも、長いクライアントに共通するのは、キチンと自分の思いを伝えて、
正しく議論して前に進められる環境がつくれていること。
よく勘違いされるのは、クリエーティブのエゴを押し通すとか、
面白ければいいとか、そういう判断をクリエーティブディレクターはしていると思われること。でもそうではなくて、多くのクライアントを担当してきた経験則から、客観的にマーケットや視聴者の反応を予測して、
その上で、クライアントのビジネスやブランディング(その両方であることが多い)にもっとも貢献できそうな表現を追求する。
もちろん、事情があったり、超短期的な回収を求められていたりとか、
プロジェクトによって環境は変わりますが、
それでも粘り強く諦めることなく「最適解」を模索する。
クライアントの置かれてる立場に立って考えた上で、
クライアントの想像する範疇にないところまで思いを巡らせて、
提案をする。そんなスタンスでいたら、
自然と長く担当しているクライアントが増えました。

もちろん、中には短期で終わるものもあります。
「言ったことを、何も考えずにそのままやってくれればいい」
そう望まれるクライアントには、もしかしたら合わないのかもしれません。
「何も考えずにものを前に進める」ことが、苦手だからです。
なので、ブリーフに対して、議論させていただく機会もたくさんあります。
訴求ポイントや、選ぶメディア、時には広告からではなく、CIや、リアルな場所の設計からはじめたり。

長く担当していると、代理店の担当営業が変わったり、
クライアントの担当者も人事異動されたり。
気づけば同じブランドに誰よりも長く関わっていることもあります。
時間が経って、担当者だった人が偉くなって戻ってこられる時もあります。
転職されて、別のクライアントでお会いすることもあります。
僕から辞退することはほとんどないので、
クビにならない限り担当は続くのですが、何年担当しても、
「そのクライアントが置かれている状況を当たり前だと思わずに、常に客観視すること」を大切に、これからも、必要とされる現場でひとつずつ課題をクリアしていきたいなと思います。

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