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ラルクと核と禁断の恋人 -what is forbidden?-

人は現在進行系で罪を覚えることは少ない。

未来を担保に現在を豊かに過ごすための一時しのぎであろうとも
その負債が如何ほどかまでは到底想像し得ないのである。

過去の自分は現在の自分を想定できたであろうか。

予想、はしていた。
でも、それは思う以上の損害だったんじゃないかな?

今一度問う。

現状手にしている安寧は、何のもとに成り立っているのか。
それがいつか取り返しのつかない損失と変わり果てる可能性は、
如何ほどか。

科学に頼り切っていても、脳まで機械的にできるのは
まだそんなに近くはない――


introduction

昨日教えてもらったさくさんの冬プレイリストを聴いております↓

一部持ってなくてカバーだけど。
完全に持ってなかったのは
嵐・アイドリング!!!・星野源・SUEMITSU & THE SUEMITH
くらいかな。

音楽の親和性が高いと証明されました。笑

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ちゃんとツイートにあるミックスバージンで再生する徹底ぶりです。
確かに『スノースマイル』に関してはこっちのほうが好みですね。

で、凜音さんも好きだとコメントをくれたL'Arc~en~Cielの『snowdrop』。

今回はこちらで思い出したことがあるので綴ってみます。


『snowdrop』のPVについて

楽曲は雪解けと生命の息吹を思わせる希望の唄
なのでタイトルとは裏腹に、どちらかと言えば春に聴きたくなる曲です。

MUSIC CLIPは、その部分をさらに拡大解釈し
冷凍保存から目覚めラルクが世界を色づけていく
という内容。

金髪hydeがまたかっこいいですよねぇ。
ラルクの中でも特にファンタジーしてる一品だと思います。

このまるで瓦礫の上に築かれた楽園的な開放感のあるPV
わずか1週間後に発売される楽曲の続きだと
繋げて考える
のがとても自然だったりします。


――え、真反対の印象だって?

ではwikipediaまで辿らない方に私が説明いたしましょう。


『forbidden lover』の歌詞の解釈について

こちらの曲、どういう印象でしょうか。

マーチングなドラムに這うような低音を絡ませるボーカル。
サビで一気に開放される高揚感と悦楽感。

危険な笑顔で揚々と歌われるには怪しげな単語で
なんだか過激な歌詞が並んでいます。

あ、ほとんどの人は歌詞まで読んでないですよね。
タイトルからして"禁断の恋人"ということで、
なにかまっとうではない意識で付き合ってる彼女のことでも
歌ってるのでしょか。


――それはある意味では合っています

ちゃんと読めばそのまんま書いてあるのですが、
明らかに戦禍を歌っています

Heartじゃなく争いに火をつけています

いまでこそ第3次は起こってませんが時間の問題とも言われています。
罪は繰り返され過ちは育つのです。

2番にてタイトルが出てきます。
重なり合わない色彩の部分は性交渉とも読み取れますが
愛は同時に核融合反応と似ています

大変有益なため昔から研究されているにも関わらず
未だよくわからない代物という点に於いて。

その解は直後のサビをみれば一目瞭然。

燃え上がった頃には取り返しのつかない事になっています。
そして叫びます。「oh my god!」

つまりforbidden loverとは
手軽すぎる大殺戮兵器を生み出してしまった人類への警告というわけです

第2次世界対戦の残酷さはみなさんも学生で習ってきたことでしょう。
東日本大震災がこんなにも特別悲観されているのは
原子力の恐ろしさが露見したからでしょう。

私の実家は六ケ所村が近いので
そのことについて考える時間は人より多かったと思います。

この楽曲では終ぞ放たれてしまってますが
結局新しい未来が作られたとしても
同じ過ちを繰り返すのだろうかと嘆いています。


結局私も日本の科学に頼って暮らしているの同罪です。
自分のことで手一杯なのでソレに対して異議を唱える気力すらありません。


200万枚も売れるCDでこのような内容の歌詞を歌う意味。
音楽は娯楽と言い切るような偉い方々は
果たしてほんとに私達を助けてくれるんでしょうかね?

100万人のために歌われたラブソングなんかに思いを重ねたりはしませんが
200万人に向けて歌われた問いかけは少なからず私の心を揺らしました


――ということを
高校生んときに抱いたなぁなんてことを、思い出しましたとさ。

別に10万円はいらないからさ、
エンタメ業界だけを縛り付けるのは筋違いだと思うので
そこだけは早く緩和してください。

音楽は心を救うんよ。頼むぜ国会。


ラルクこそブランディングの鬼

そしてこの2曲を分けて新作アルバム2枚同時発売となるわけですが
世紀末だったからこその世界観を徹底して突き詰めた作品と成っています。

この構想はいつからあったんでしょうか。

少なくとも『snowdrop』『forbidden lover』発売時にないと
22曲も終末論に関わるような楽曲は集まらないと思います。

そして当時から「シングル3枚同時発売」「2週連続リリース」
「アルバム2枚同時発売」「CMに藤原組長を起用してコミカルに」
等々

シリアスな音楽性とは別に売り込むための施策を
幾重にも散りばめていました。

今でこそ普通に使われているブランデイングという言葉ですが
まさにラルクが歩んできた道もそれに相等するでしょう。


ついでになんですが、ラルクの曲って結構反戦歌が多いです。

この2つもですし、『死の灰』もわかりやすいですが
『KILLING ME』『DAYBREAK'S BELL』でも込められていて
紛れもなく彼らはロックなんだと言い切りたいです。

……あれ、その精神ってパンクだっけ?まぁなんでもいいや。
とりあえずポップバンドではない。

こんな感触なので
勝手に「ark」「ray」の続編に「AWAKE」があると思ってます。


ちなみにGLAYも「ONE LOVE」や「UNITY ROOTS & FAMILY, AWAY」
そしてシングルの『SAY YOUR DREAM』あたりは
同じような世界観を垣間見れます。

そして私はまさにその辺りのアルバムがお気に入り。
曲単価で見るとまた変わるんだけど、
アルバムの完成度として気に入ってます。

音楽を奏でる意味と芸術性の融合。
それを感じられた時、そのアーティストをより好きになるでしょう。
その好感度の上がり方はまさに核融合並みの爆発力だぜ。


Afterword

まぁ斉藤和義とかのほうがわかりやすい活動してますが
私はGLAYやラルクの音楽のほうが好みというだけです。

べつに反戦のことだけ考えて暮らしてるわけじゃないですしね。

・ラルクの楽曲は戦争への是非を問いかける曲が多い
・これだけの影響力のもとでそれを歌うから凄い

とまとめさせていただきます。

そういう意味ではKOKIAなんかも該当します。
彼女の場合現地にまで赴いて歌ってるんですよ。
感服します。曲の説得力はんぱねぇ。
そんなに売れてるイメージもないんだけど。

音楽は人を救いません。でも、ないと生きていけない。
私にとってはアーティストはそういうイメージです。

音楽を好きでいることで、なんとか自分が保てています。



前職はそういう意味では、人生で一番有意義だったかもなぁ。


……代償めちゃくちゃでかかったけどな!



最後まで長文お読みいただき誠にありがとうございました。 つっこみどころを残してあるはずなので 些細なことでもコメント残してくれると嬉しいです!