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ダメ人間、沖縄へ行くday.3

沖縄に来て3日目。やっと晴れた空。

外へ出ると、沖縄に期待した爽やかな暑さに心が解れる。

彼女が運転する車で、遅めの朝食を取りに行く。

「Buy Me Stand Okinawa」というカフェへ。

セレストブルーというか、明るい青みの壁にアメリカンな装飾が映える、お洒落なカフェだった。

ここで、彼女は普通のモーニングを食べていたが、俺はちょっと冒険して「ストラータ」という謎の料理を食べてみることにした。

お洒落な店内を眺めながら、出来上がりを待った。

これがストラータの正体だ!

「ストラータ」は、繰り抜いた食パンに

ポテト、挽肉、玉ねぎを混ぜ合わせたものを詰めて

上から山ほどチーズを振りかけてオーブン焼きした、

とってもワンパクな食べ物

であった。

アメリカナイズされたキッシュのような、そんな美味さ。

しかしながら、朝から食べるにはちょっと重かった。

満腹以上だ。

今日はせっかくの晴れ間。

少し遠くへ車を走らせた。というか、走ってもらった。

斎場御嶽(せーふぁうたき)という沖縄随一のパワースポットへ向かった。

その途中、「さんさんロード」という海沿いの道路を走っていると。

綺麗な砂浜から海へクセ毛のように伸びた細い砂嘴(さし)が見えた。


何だか写真に収めたくなって、その砂嘴へと足を伸ばした。

そこは、砂浜から一本道が続いていて、その先が丸く小さな陸地になっているのだった。

この日は大変に風が強く、こちらの髪がくしゃくしゃになってしまったが、
周り270度くらいがセルリアンブルーの海だ。

嘴の先に立つ俺


自然の真っ只中。潮の匂いと波の飛沫を肌に感じて、清々しい気持ち。


その後、斎場御嶽へ。


聖地というから、もっとひっそりしているのかと思ったが、立派に観光地として扱われているらしく、看板も大きく出ていた。

斎場御嶽はやや小高い丘の上にあった。

坂道を登って、事務所のような場所で受付をして、説明を受ける。

観光地然としてはいるが、今も聖地として祈りの場になっているようだ。

斎場御嶽は、巨大な岩群であって、その各所に祈りのためのスペースが設けられている。

神聖な場所を侵さないよう、慎重に見て回った。

こういう巨岩に向かって祈る文化というのは、どこかで聞いたことがあるな、と思ったのだが、思い出した。

長崎の隠れキリシタンが「祈りの岩」と呼んでいた岩を現地の方に紹介してもらったのだ。

隠れキリシタンは、江戸時代のキリスト教禁制の時代、その岩に隠れるようにして「オラショ」という隠れキリシタンにだけ伝わる独特な経典を諳んじていたと聞いた。

その岩がある場所も山の上で、人から離れて何かを願掛けするにはもってこいの場所だと思ったのを記憶している。

そうした事例を踏まえると、場所は違えど、こうした巨岩を神聖なものとして扱い、大事にする文化は日本各地にあるらしい。

しかしながら、斎場御嶽はちょっとスケールが違った。

「岩」というか、その場所自体が、まるで「島」のようだった。

そして、その岩から無数に植物が生えていて、葉や枝が垂れ下がっている。

そのビジュアルは、なんというか、

まるでジブリの「ラピュタの城」のように見えた。


若しくは「もののけ姫」で扱われたテーマ、人間が抗いようのない巨大な自然が形になったようで、あまりに現実離れしていたのだった。

例えがジブリばかりであれだが、それほどまでに浮世離れした雰囲気。

沖縄最強の聖地は伊達ではない、と思った。

その御嶽の中で、一番神聖とされる参拝地は、岩と岩の間に出来た三角地帯、トライアングルの中だという。

三角形、トライアングルというのも意味深ではなかろうか。

図形に秘められたパワーというものを感じる。

ピラミッドも三角錐であるし、バミューダトライアングルなんてものもある。

太古から、人間は特定の図形に意味を持たせて、そのパワーを信仰してきた歴史がある。その系譜のようにも思えた。

この三角地帯、三庫理(さんぐーい)から吹き抜ける海風に身を任せてみる。そして、深呼吸してみる。

風が吹くと気持ちが良い

そこから吹く風は、妙に心地よかった。

なんだろう。

Coccoの曲、「樹海の糸」を聴いているような、たおやかな風だった。

基本的にスピリチュアルなものをそこまで信じていない俺は、パワースポットというのは、「人の念」が集まった場所だと思っている。

人が念を込める、その行為は「祈り」と同義だ。


そうした場所に行くと、これまでの人々がその場所に託した念が漂っていて、同じような念を抱えた人に共鳴してしまうのではないか、と。

そして、それが「パワースポット」と呼ばれるだけなのでは、と思っている。

こういう余計な詮索は野暮かもしれない。

今はかなり観光地っぽくなっているが、今だに重要な「祈りの場」なので、
これから訪れる方は最低限のマナーを忘れずに。

帰り路、斎場御嶽からもほど近いカフェに立ち寄る。

ここがまたよかった。

高台から海が一望出来て、一服つける場所でした。

(冒頭の写真を撮った場所です)

コーヒー1杯で粘りたくなる店の最高峰だと思います。

これでひとまず旅程が一通り終了。

その後、那覇市内へと車で戻り、那覇空港から帰京致しました。

帰りの飛行機はまったく怖くありませんでした。

漢32歳、この旅で少しだけ成長したように思います。


まとめます。

沖縄、何故だか良い土地なのです。

なんなら人生の最後は沖縄かな、とすら思いました。

だって、気持ちいいんだもん。

空気、食べ物、自然、土地の人達、文化、と全てが大らかでとっても良いのですね。

経度緯度の違いだけとは思えないくらい、なんだろう、

空気の流れが違う!

と思いました。

ホテル近くの『ドン・キホーテ』に居ながらにして思ったんですから、これは確かなのです。

なるほど、昔から「日常を離れるなら沖縄!」という感じで旅行のCMが打たれるのがよくわかる旅でした。

金は無いけど時間はある、という方。

今は「全国旅行支援」があります。

沖縄、とてもいいところです。

欲を言えば年に1回くらい来たい!

旅行嫌いの私が言うのです。

信用していただきたい。

そして、今。

私はお土産で買ってきた「ミミガージャーキー」で一杯やっております。

美味しいです。

それでは皆様もよい旅を!

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