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オタク生活55年が語る若きクリエイターを”AWAKING"=覚醒させるヒント㉝

ゲームデザインの初歩 行動の手順を考えるトレーニング

東京都民である私は、まだまだ外出自粛モードです。本当は5月10日(日)の『ウルトラセブン』でコラムを終えるつもりだったんですが、東京都などの教育機関は5月いっぱい休校になる模様ですので…もう少しだけ、ゲームクリエイター希望者に必要な考え方を書き続けます。
ただ、今週は企業へのZOOMでの新人研修なども入っていますので連日は厳しいと思います。ですので、前職で行った教育メソッドを披露していこうと思います。
今回は“行動の手順を考える”ための“行動の解析”トレーニングの話をします。まあ、最後はお笑い話になりますが…

ゲーム仕様設計のイロハを教えるために(前職でも現在でも)行っているトレーニング方法は“朝起きてから家を出るまでの行動を出来るだけ詳細に書きだせ”です。(かつて、僕が担任として接した者たちには、懐かしさと苦笑をもって思い出すネタでしょうね。)

ゲーム制作を行っている方には当たり前の事柄。“動作の開始と終了を、きちんと考える事”を参加型ゲームにしたものです。無意識の行動を意識させるゲームでもあって、今まで記載してきた分析から企画を練っていく行為の第一歩として行ってきました。で、その結果はと言うと…なかなかの珍解答、ケアレスミスが多く正解にたどり着く初心者の学生は、ほぼいませんでした。

例えば
*ベッドを降りたのち(歩行せず)トイレに移動している
*眼鏡をはずさずにコンタクトレンズを装着する
*トイレで用をすましたのちに水を流していない
*服を着たままシャワーを浴びる
*コーヒーで歯磨きをしている
*箸もフォークも使わずに麺類を食べる
*裸のまま外出する
などなど、動作の終了を宣言せずに次の動作に向かうケースが続出します。
クラス全員で、同じ時間帯で時間を決めて行うと、効果は絶大です。
初心者のクラスは、ミスに苦笑する解答者だらけになり、笑いに包まれました。みんなで行うことで、自分だけが出来ないと考える部分が少なくなっていくのと同時に、自分のミスも自覚することが出来ます。

15人以上のクラスで行う場合は、集団を3段階ぐらいに分けて
① 最初のグループは、大失敗の状態を発表してもらう
笑いものになっても気落ちしない人選をしていくとスムーズに行きます。
② 2番目のグループは、食事のシーンを詳細に報告させる
細かい作業が得意そうなタイプ、理解力が高いチームが良いと思います。このグループに、箸、食器をどのように使い、どの料理を食べるか?を発表してもらうと、ナイフ、フォーク、コップを同時に持てないことが明確になります。
③3番目のグループは、第1、2の失敗や正解をもとに食後の行動を分解
このグループは、正解に向かっているのでケアレスミスを修正することでスムーズに進むと思います。 

そう言えば、10年ほど前に詳細に説明することで、男子の妄想をかきたててしまった女子学生がいたな~。
読者モデルをするくらいのカワイイ子でしたが、天然でして…
「服を脱いでシャワールームのドアをあけます。ドアを閉めて、シャワーを出します。お湯を一度、体、全体にかけます。水を止めます。ボディーソープを手に取って、首筋に…」
「やめ!出るとこまで飛ばしなさい。」
「どうしてですか?」
「となりの男子の顔を見るように」
真っ赤な顔でうつむいている青年の顔を見て、初めて自分がセクシー告白をしそうになった事に気づいたようで、真っ赤になっていた。
(この素直さで彼女は、ちゃんとゲームプランナーになっています)
この年を最後に、女子に朝シャンの解説をさせるのは中止しました(笑)

ゲーム制作をする前に、自分がいかに”無意識の行動”をしているかに関しては、プランナーだけではなく(プログラマー志望者はもちろん)デザイナーに取っても重要だと思っています。そのためのデッサンや、デザインの解析、モーションの解析ですからね。
どの職種に関しても、意識しての観察は必要ってことですね。

次回は、デザイナー関連の分析の基礎を語ります。


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