25:憧れの蓄積
4歳ごろ。
いまはまったく観ないのだが、かつてのテレビ番組というのは「知ること」の入口だった。というのは以前の記事でも書いた。
さて、当時はどんな作品があったのだろう。
のちに触れることになる漫画作品なども、連載開始時期は意外に早かったりする。
そちらも合わせて、今回も振り返ってみることにする。
***
・テレビ:世界忍者戦ジライヤ(1988年1月24日~1989年1月22日)
◯◯レンジャー的な、特撮戦隊モノの作品。
私が忍者や刀といったものに興味をもったルーツなのかどうか。
あまり話数を見た覚えはなく「ジライヤ」という名称も認識していなかったくらいなので、思い入れはそれほど深くない。
ただ、その忍者的な覆面をしたビジュアルはよく覚えていて、調べて特定することはできた。
名前を特定して、そういえば友人が「ジラーイヤ、ジライヤ」と口ずさんでいたことがあったな、と思い出す。これの主題歌だったのだろう。
一人遊び用の人形の玩具も、買ってもらったことがある。
出先でおもちゃ売り場などを通りかかると、金色の装飾が眼を惹いたものだ。
男児用・女児用ともに金色の装飾を施してキラキラさせがちなのは、子供の眼を惹くための購買戦略なのだろうか。
・テレビ:おそ松くん(1988年2月13日~1989年12月30日)
放送は観たことがなく、家にあったVHSに1話だけ録画したものがあった。
内容は、チビ太が鼻唄まじりにやって来て、おでんの屋台を覗くも店主がいない。どこに行ったんだろうと探している隙に、イヤミがおでんを平らげる。戻ってきた店主に対し、チビ太が盗み食いした、とイヤミが告げる。
店主に捕まるチビ太。無実を訴えるも、空き地の土管に閉じこめられ、出口をトタンと石で塞がれる。「てやんでぇバーローちくしょー」と声をあげ、トタンを叩き続けて復讐を誓うと、解放されたのちにイヤミをつけ狙う。
チビ太は姿を見せず、自宅までおでんを使った仕返しをする、という内容。
おでんを使った仕返しというのは、風呂に入っていると電気が消えて、次に点灯したときには湯船がおでんだらけになっていたり、着替えを出そうとタンスを開けたらおでんが詰まっていたり、というものだった。
我ながらよく覚えているものだ。
チビ太の声は『ドラゴンボール』のクリリンや『ワンピース』のルフィなどで知られる田中真弓さん。
イヤミの声は、声優変更前の『ドラえもん』でスネ夫を演じた肝付健太さん。
台詞は、その声による言いまわしまでいくつか覚えている。
しかし、なぜあの1話だけが録画されていたのかは謎である。
・テレビ:つるピカハゲ丸くん(1988年3月3日~1989年9月6日)
改めて見ると、なかなかに尖ったタイトル。
こちらも放送は観たことがなく、VHSに1話だけ録画があった。
方舟に必要なものを集めてまわる、といった内容。
なんだかほかにも短いネタ作品コーナーみたいなのがあった。
1話しか観ていないにも関わらず、記憶にあるハゲ丸の台詞は杉山佳寿子さんの声で脳内再生される。
『アルプスの少女ハイジ』のハイジ役や『キテレツ大百科』のコロ助などの印象が強いので、継続的に耳にしていたせいもあるのだろうか。
聞けば多くの人が知っている声。
レトロゲーム好きな人なら『ボンバーマン』の「バイ ハドソン!」の声、といえば、自動的に脳内再生されるであろう。
・映画:ドラえもん のび太のパラレル西遊記(1988年3月12日公開)
私が何度も観たのはVHSに録画されたテレビ放送だったので、これ以降ということになる。
きっと一番観た映画だろう。
この作品については以前も書いたので、今回はさらっと。
・テレビ:あつまれじゃんけんぽん(1988年4月5日~2003年4月4日)
こんなに長い期間やっていたのか、と知って驚く。
児童向けの人形劇、だったはず。
内容はあまり覚えていないのだが、オープニング曲だけは妙に覚えている。
・テレビ:仮面ノリダー(1988年~1990年)
『とんねるずのみなさんのおかげです』内で放送されたもの。
コントなのか本気なのかわからないノリがウケたのか、かなり人気があった模様。
ノリダーを演じる木梨憲武さんが歌う主題歌も印象的だった。
チビノリダーとして子役出演した伊藤淳史さんは、いまでは立派な俳優に。
無断パロディだったらしく、当時は本家から抗議を受けたとのこと。
しかし2019年に公開された『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』では、木梨さんが「ライダーと認められず囚われていた人物」として、変身こそしないが当時の役名で出演したようだ。
おそらく、制作サイドの年齢が、当時「ノリダー」を観ていた世代に移ってきたのだろう。
・映画:となりのトトロ(1988年4月16日公開)
言わずと知れた作品。
主題歌もエンディング曲も、多くの人が口ずさめるであろう。
私が最初に観たのは、テレビ放送だったと思う。
後年になって、いろいろと考察や裏設定などの話を眼にすることもあり、もう一度観てみたい作品ではある。
久石譲さんの曲は好きな雰囲気のものが多いが、トトロの作中で流れる『風の通り道』は特に好きな曲。
・マンガ:今日から俺は(1988年9月号~1997年47号)
私が読んだのは、姉が借りてきたものを借りて読んだのが最初だった。
その時点でもう連載は終了していたと思う。
西森博之さんの作品はここから好きになって、あまりマンガを読まないうえに買うこともほぼない私が、西森さんのマンガは買っている。
物語の描き方が好きなのだと思う。
台詞のない表情だけのコマの使い方も好きだし、誰も見ていないところでやった努力が報われるシーンがあるのもいい。
しばらく読んでいないが、読みはじめると止まらなくなるので、いまはやめておこう。
・テレビ:仮面ライダーBLACK RX(1988年10月23日~1989年9月24日)
前作『仮面ライダーBLACK』(1987年10月4日~1988年10月9日)の放送終了後、間を置かずにはじまっている。
例によって、いつ放送されているのかをよく知らなかった私は、ほとんど放送を観ていない。
けれどもグッズなどは買ってもらっていた。
BLACKよりも首周りが太くなって、前のほうがスマートでよかったなと感じていたのを覚えている。
・ゲーム:スーパーマリオブラザーズ3(1988年10月23日)
おそらく一番遊んだマリオ作品であろう。
発売当時はまだファミコンが家になかったはずなので、実際にプレイするのはこれよりもあとのことだ。
枯葉を取ることで「たぬきの耳と尻尾が生える」というところまではわかる。たぬきが化ける姿を描くときに、頭に葉っぱを乗せるのは定番であろう。マリオを変身させるとなったとき、まず化けるイメージのたぬきが候補に挙がったこともうなずける。
ところがそこから「尻尾を使って飛べるようになる」となったのは、不思議なことだ。
理屈ではなく、こういう自由な発想を忘れずにいたいものだと思う。
・マンガ:ハンサムな彼女(1988年11月号~1992年1月号)
吉住渉さんの作品。この時期に連載開始。
これは、姉が読んでいた雑誌『りぼん』に連載されていたので知っている。
知ったのは連載終了間近だったと思われるので、その後に連載された『ママレード・ボーイ』のほうが印象が強いが、どちらも綺麗な絵だなというくらいにしか、当時は見ていなかった気がする。
それよりも、岡田あーみんさんの『こいつら100%伝説』の印象が強すぎたせいもある。あるはずだ。
・絵本:ノンタン
ふと思い出したのだが、この白い猫の絵本も、いくつか見た覚えがある。
あの児童書特有の厚くて硬い表紙。波打つ主線。
好んで読まなかった気がするので、内容はあまり覚えていない。
が、いま私が描いている猫のキャラクター『にゃんもげら』も、あえて少しにじんだような主線を選んでいる。知らずにささやかな影響を受けていたのだろうか。
ノンタンほど波打ってはいないにしても、そこから柔らかな印象が伝わればいいのだが。
***
さて、そんなわけで4歳ごろのお話はこれにて。
12月に誕生日を迎える私は、ここで5歳となり、次の年へと向かうのであった。
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