小林家住宅主屋
中山道桶川宿にあり、江戸時代末期頃に旅籠(宿屋)として建てられました。発見された棟札(むねふだ)から穀屋(古久屋・こくや)吉右衛門が「子三月吉日」に建てたこと。「子」の年がいつかは不明ですが、文政10ねん(1827年)に桶川宿に大火があり、文久元年(1861年)にはすでに吉右衛門の名が記されていることなどから、文政11年(1828年)か天保11年(1840年)か嘉永5年(1852年)のいずれかの「子」の年と考えられています。
1852年だったとしても、今から170年のの建物を見ることができること、そして建物の中に入れるのは非常に貴重なことだと実感したのは訪れてから数日後のことでした。
その後当主となった小林家は、木材商を営みそれに伴い大きく改修されたようですが、外観は当時の姿をとどめているそうです。
正面の2階には六間にわたって出窓を出し、格子戸をはめこんでいます。宿場町当時の旅籠のたたずまいを今に伝える貴重な建造物なのです。
主人が「ママと行きたいカフェがある~」と、お誘いを受けて早速行ってきました。
中山道をこの辺りかなとスピードを落として走行していたけど通り過ぎてしまいました。道路に面していながら建物が奥まっているので通り過ぎてしまいました。交差点の角にあり、お店の前に駐車して・・・。
入り口を入るとギャラリーになっていて、この日は「手仕事展」が開催されアーティストが手がけた器や小物やこだわりぬいた作品が陳列されていました。
ギャラリーの奥にカフェスペース
観葉植物とモダンな内装。お店にはマスターしかおらず道路に面しているのに静かでどこかにタイムスリップしたかのような空間でした。
日差しが降り注ぐ窓際の席で。
ブレンドコーヒーをいただく。
この建物で面白いことをやりたいな。どんなことができるかなと妄想を片手に乗り込みましたが、建物の外観を見ただけでお腹いっぱいになってしまいました。
どんなことができるかな、どんなふうに人が行きかうのがいいのかを考えて。この建物の存在を大事にしながら今を生きる人たちとともに更なる歴史を刻んでいってほしいと思いました。
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