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22歳まで飲めなかったコーヒーをハンドドリップで胃があれない美味しいコーヒー沼にどっぷりつかっている訳
朝起きると朝ごはんの支度をしながらコーヒーの独特の匂いが混ざっていた。この匂いが嫌で朝ごはんを食べ終わるににすごく時間が必要だった。幼稚園に行き始めたころからこの時間までに朝ごはんを食べ終わらないといけなくなり、朝ごはんを食べるのが大変だった記憶がある。その頃は父の祖父母と一緒に同居していたから、母は父のごはんと子どもたちのごはんとお父母のごはんの準備をしながら私のためにお弁当を作り、父のためにコーヒーを淹れていた。いろんな匂いが混ざる中で食事の準備をするのが私の役目だった。今日の朝ごはんのメニューがわかるのは楽しかったけれどみそ汁の匂いと煮物の匂いとが混ざるのはおいしそうでたまらない。だけどそこに子供は飲まなくていいコーヒーの匂いが混ざると一瞬にして食べたくなくなるのだ。それでもそのいろんなものが混ざった中で朝ごはんが始まる。大学卒業するまでその匂いとともに朝ごはんを食べてきた。子どもの頃から朝ごはんの支度とともにコーヒーの匂いが混ざる朝ごはんでコーヒーが嫌いだった。
大学卒業後私は先生になるべく、宮城県気仙沼市の私立高校講師として働いた。女子高と男女共学の姉妹校での勤務。女子高には徒歩で行ける距離だったが男女共学の学校は車通勤だった。男女共学の学校に始めて赴任する前の日にガソリンを入れた。あの当時はガソリンは店員さんがいれてくれて入れている最中はガソリンスタンドの待合室でお茶を飲むという形式が当たり前だった。キレイとは言えないけどソファとテーブルがあってそしてそこで飲んだコーヒーがとても美味しかったことを覚えている。私が今まで実家で嗅いだあの匂いとは違うように感じた。
ん?これ、コーヒーですか
目の前に出されたコーヒーらしき飲み物を見ながら店員さんに聞いた。
そうそう、コーヒーだよ。俺コーヒーが好きだから淹れたてのコーヒーを飲んでもらいたくて淹れてるんだわ。
珈琲の印象がそこで変わった。
こんなにいい香りだったとは。
ここはガソリンスタンドの待合室。道路を挟んだ先は海。潮風を感じながら飲むコーヒーがこんなにおいしいなんてびっくりしたのだ。
で、初任給で購入したのがコーヒーメーカーという新しいおもちゃだった。ガソリンスタンドの待合室で飲むコーヒーとは違うけど、明らかにコーヒーが好きになっていった。
気仙沼で家庭科の先生として働いた4年間はコーヒーメーカーを愛用しながら自分が飲んでいるコーヒーの分析を始めたり、実家に帰ってはスタバやタリーズに行っていろいろ試したりしていた。実家に戻り今度は松島の高校まで車での高速通勤をしていたことからハンドドリップに転向した。朝ごはんをちょっぱやでたべてその後私がコーヒーを淹れる係だったから朝ごはん中に匂いが混ざることがなくなったのだ。朝ごはんの後にコーヒーを淹れて出勤するそれがわたしの楽しみになっていた。
結婚をして、コーヒーメーカーとハンドドリップといろいろ試し始めた。様々なコーヒーメーカーのコーヒーの淹れ方講座に参加してコーヒーのことをもっと知りたくなった。タリーズのここがスキ、スターバックスコーヒーのここがスキ、小川珈琲のここがスキ、村上コーヒーのここがスキなどなどコーヒー専門の知識や淹れ方の違いやテイストなどを学んだ。それを元においしいだけじゃないコーヒーの淹れ方について研究を始めた。
10年前からおいしいだけじゃない、胃があれないのにおいしいコーヒーの淹れ方を自分なりに研究し始めた。
2019年のキーコーヒーの初売りでコーヒー豆の福袋を購入して今度は自分好みの挽き方の研究を開始。説明書に書いてあるやり方でおいしいのか。何秒でどれくらいの大きさになるのか。その大きさによって抽出具合が変わるのか。香りや口に入れているときの味の伝わり方や飲み込んだ後の口の中の残り具合と飲み終えた後の体調の変化など。自分でどのように入れるとどんな味に変化があるのかを研究した。
そして、2020年にコーヒードリッパー、キーコーヒーのNoiに出会う。
それまではホームセンターでも購入できるオーソドックスなものを使っていた。インスタグラムでキーコーヒーのNoiを見て、欲しくなり近くのショッピングモールで偶然みかけて、即ゲット。その日からずっとこのキーコーヒーのNoiで淹れている。かわいいだけじゃないこのドリッパーは、ダイヤモンドカットになっていることでおいしいコーヒーになるように計算された模様で凹凸がある。円錐状のコーヒーフィルターをセットして、デジタル計量器にセットして。胃があれないでも薄すぎないおいしいコーヒーを淹れている。
そして、3年ほど前からパパ様だけに私がコーヒーチケットを手書きで作って11枚綴りで1000円で販売しています。私が飲みたい時も朝ごはんの後のコーヒータイムもチケット制にしています。いつでも最高の一杯になるように心を込めて。
おいしくて胃があれないコーヒーのおいしさを追求したことで今もコーヒーの魅力にはまり続けている。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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