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まさか自分で食パンを作ることになるなんて。

パンとごはんのどちらかといえばごはんがスキです。ごはんはどんなおかずにも合いおいしいハーモニーを奏でてくれるから。おにぎりは冷めてもおいしい主食で、炊飯器で一緒に炊き込むこともできます。もち米を入れておこわにしたり、黒米をいれたり胚芽押し麦を足したりすればいつものごはんがより一層もちもちになったり栄養価が高まったりしますね。漬物と味噌汁があれば十分で和食も中華も洋食も韓国料理にも欠かせないのがごはんです。こんな私が食パンを自分で、しかも家庭用のオーブンで焼き上げてしまうなんてこの時は想像していませんでした。ごはんがスキな私が自宅でおうちパン教室を開くことになったこと、そして『あれが食べたい!』を叶えるために作る日々。上の写真は初めて2斤の食パンを焼き上げたときのです。ホームベーカリというおもちゃもありますが、手ごねの奥深さは粉からパンになるまでのひとつひとつの工程で姿も形も変えていく様子がたまらなく面白いから。この写真を見る限り、失敗せずきれいな角食パンにみえますよね。


今から5年ほど前のことです。私の料理教室に参加していた友人がパンの先生の資格を取得しました。おうちでパン教室を開くためにパンに合うスープやサラダを考えてほしいとの相談を受け、それがきっかけでスープやサラダや簡単にできるメイン料理をプロデュースすることに。その際、友人から手ごねパンのレッスンを受けることになりました。


それまではジョアンのあのパンがスキ、三橋の森のカフェボスケのこのパンがお気に入りで、パリゼットのあのパンがスキという風に私好みのパンがどこにあるのかを研究していました。パリゼットのトラディショナルバケットは複雑な粉が配合されているから手でちぎったレタスにスライスしたきゅうりとトマトを盛り付けてオリーブオイルとレモンをかけて塩を散らしてシンプルに仕上げて食べたいとか、こだわって作り上げたパンにどんなものを組み合わせて食べるとおいしいかという研究をしながらたのしんでいました。そんな私がまさかおうちで食パンを作ることになるなんて思ってもいませんでした。


友人から教えてもらった手ごねパンはバターロールパンでした。

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上の写真は習ってから3回練習してやっと納得のいく形に焼きあがったバターロールパンです。

私が習った時はひとつ80gと大振りでしたが中は今まで味わったことのないほどのバターの香りとコクが口の中に広がり、食感は全体的にふわっふわでした。

この写真のバターロールパンはひとつ55gでやや小さめです。生地の中に空気が程よく入り外側はかりかりで内側はふんわりなパンに仕上がりました。

レッスンの倍の量で練習して、友人に習った時と似たようなクオリティになるようにイメージしながら練習した結果です。同じように作っても中のパン生地がみっちりになったり、焼いている途中で形が崩れたこともありました。失敗しても納得がいくまで作り続けたからこそイメージ通りのバターロールパンができあがりました。


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その後、型を使わない手ごねパンにはまっていきました。失敗しないプロセスとシンプルな材料とカラダに優しいパンを作りたくて配合を研究した結果私だけのオリジナルのおうちパン教室が始まりました。今まで他のパン教室に行ったことがある方がこんなに簡単にパンが作れるなんて!と驚いて下さり、お家でも同じようにできましたという感想をいただいてとっても嬉しかったことをいまだに思い出します。


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これはレーズンとクルミを入れたベーグル。

どんなパンが食べたいか。を叶えるためにどこに行けば買えるかではなく、どんな風に作られているのかという部分に着目して、自分が好きなパンの固さや食感、口の中にある状態で鼻に抜ける香りと唾液と絡むことで粉の味の広がり方などベーグルといえども粉と水分量によって出来上がりが様々でした。いくつかの分量を比較して自分が好きな配合で作り上げたベーグルです。


角食パン2斤の話に戻ります。

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実は初めて焼き上げた2斤の角食パンは元気が良すぎて二次発酵の段階で生地がはみ出しちゃいました~。スライド長の蓋を持ち上げてしまうほど元気のいいパン生地にニマニマして。どうすればいいかなんてわからず、このままオーブンで焼き上げました。後から知ったことですが焼いている最中に蓋が飛び出てしまい危険だということを知りました。


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危険な状態にならずに済んでホッとたことを今でも覚えています。右上の生地が飛び出ているところはまさに二次発酵の時に漏れた部分。そこもしっかり焼きあがりました。


粉からパンへ。


そのままでは食べられないものたちが混ざりあい、まとめられて、温かいところでぬくぬくと成長し、一旦取り出してお休みする。その後ガス抜きをして成形というパン作りの中で一番楽しいのがココ。その後二次発酵を経てオーブンで焼き上げます。家庭用のオーブンだからパン屋さんではないけれど家族で十分楽しめます。ごはんが好きな私がパン作りにはまり、作り方とおいしい食べ方を伝える仕事をしています。


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6年前の私です。

2斤の食パンをプレートにのせてにニマニマしています。この時はまだ自分で食パンを焼こうだなんて思ってもいませんでした。


時々パン屋さんのパンを購入して味と香りと唾液との絡み具合を研究しています。



これからもおいしいパンを作り続けます。




最後まで読んでくださりありがとうございました。

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