秋田美人ハラスメント考

容姿に対するコンプレックスは
簡単に解消できるものではない。

暇さえあれば鏡をのぞいていた
中学・高校の頃。

自分の立ち位置は
〝可もなく不可もなく〟
というところで落ち着いていた。

高校は一学年に50人‪✕‬11クラスの
女子校だった。

二重だけど目が小さく
造りの薄い顔立ち。

身長だって
高くもなく低くもない。

特に目立った特技もなし。

自分はとりあえず
〝美人〟ではない。

そう思い込むには
充分過ぎる根拠があった。

だって！

〝クラス対抗秋田美人コンテスト〟が
開催できるほど。

正統派からギャル系まで。

代表を決めるのに悩むほどの逸材が
目白押しだったのだもの。

ほんとうに可愛い子が
たくさんいたのだ。

他称〝秋田美人〟の背中

そんな訳で。

確固たる〝秋田美人の定義〟
をもって社会へと飛びたった。

そんな自分が。

ハラスメントの対象になる
日が来ようとは
夢にも思わなかったのだ。

初めまして…の
会話の途中。

「出身は秋田です」

と伝えると。

「秋田美人ですね〜！」

となること多々。

それ。

軽〜いノリで言ってるよね？

心が伴ってないよね？？

なんならちゃんと
顔を見てもいないよね？？？

軽〜く聞き流せば
よいのだが。

根が真面目で几帳面。

「いやいや…！
  秋田美人というのはですね…」

などと。

言い訳めいた訂正をする癖が
ついてしまったではないの。

秋田を出るまでは
〝秋田美人〟なんて
言われたこともなかったのだ。

わざわざ〝秋田〟は
つけないか 笑

時は流れに流れたが。

秋田出身の女性に対して
「秋田美人ですね」というお作法は
変わらずに健在だ。

自分も大人になり
人にはそれぞれ好みがあること。

故に。

わざわざ否定しなくても
よいことを学んだ。

「秋田美人ですね！」

には。

「ぁははは…(苦笑い)」

で対処する技を覚えた。

随分前に。

自分の容姿を
よいと思えるかどうかは
前世の容姿が基準になっている
と聞いたことがある。

とどのつまり。

今生の自分は
前世の自分よりも
美しくない。

ってことを知っているから
素直に喜べないのだろう。。

ね 笑

逆のパターンも
あることを考えると
また面白い。

ご当地美人。

褒められて嬉しいのは
自分を美人だと
思えている人だけ。

という着地では
乱暴過ぎるだろうか。

いずれ。

野の花のような人で
ありたいと思う
今日この頃である。