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読んだ本や映画のこと

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インパクトのあった本をまとめています。
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記事一覧

ドッグシグナルがおもしろいぞ

昨年から観ているアニメ。『ドッグシグナル』 ドッグトレーナーの話だが人間ドラマの要素も入っていて興味深い。肝心なイヌについても「リードの持ち方」から教えてくれる。なるほど、だからリードの先端には輪っかがあるわけか。なんでもそうだがすべての形や構えには意味があるのだ。まだ飼ってもいないのに飼える気がしてきた(笑)。 トレーナーの丹羽の右前腕には常に黒いサポーターが巻かれている。過去に噛まれた傷を隠すため。学生時代から尊敬していた藤原氏に卒業後も師事していたが、ある出来事から

他人と比べた時点で不幸は始まる

いや~読書の秋は忙しい(笑)。先月末に伊坂幸太郎さんと東野圭吾さんの新刊が同じ日に発売。そして今日は『SPY×FAMILY』明日は『MFゴースト』が発売される。一冊毎じっくり楽しんで読んでいこうっと。 まずは伊坂幸太郎さんの『777』 私が大好きな殺し屋シリーズの4作目。決して殺し屋の話が好きだからといって皆が殺人鬼になるわけではないよね。治安がいい日本だからこそフィクションの殺人事件を楽しく読めるのだ。 タイトルにした「他人と比べた時点で不幸は始まる」 そう、これなんだ

イマジネーションを働かせよう

出版不況と言われる現代でも村上春樹氏はさすがに強い。長編新作が売れに売れまくっている。久々にいいニュースだ。それにまだまだ活字を求める国民が多いことに安堵した。 私はわりと小説を読むほうだが映画も観る。それぞれのいい部分があると思う。大事なシーンに切り替わろうとしたとき、小説では自分で間(ま)をつくって「よし行くぞ!」と核心に入っていく。対して映画では監督と役者の共同作業によって絶妙な間をつくり観客を引き込んでいく。映画館では「まだ心の準備ができていないから一時停止」なんて

子どもの「やる気スイッチ」 実はアノ人が鍵を持っている

先日、教職員の異動の発表がされた。担任が「いい先生」だったなら、さぞかし親子で悔しがっているでしょう。でも、卒業まで親以外の多くの大人と関わるのは決して悪いことではない。異動じゃなくても毎年クラス替えがあれば小学校だけで6人の教員と関われる。たった一年だけでも“本物の教育”を受けた体験は将来的にいい経験値となるはずだ。逆に下記のような教員に出会ってしまったら人間不信になりそうだけど…。 科学的根拠のある教育を受けているか?「どこかの誰かの成功体験や主観に基づく逸話ではなく、

他人へ依存し過ぎた結果がこうなる

「将来、日本が良くなる」と考えている若者が10%以下しかいないようだ。大人から見れば悲しい数字。更に「自分で国や社会を変えられると思う」の質問では18.3%。若者たちにこんな悲観的な気持ちにさせてしまったのは、紛れもなく大人たちの責任。 世界の恥となった感染対策「はい、これが学校の決まりです」これで終始するのが現状。教員が合理的に説明できない校則に対し生徒は何も得るものがない。ただただ無為にその校則を守らせても自分では何も考えず何も判断できない一人の大人が一丁上がるだけ。そ

トンビが鷹を生んだ

“トンビが鷹を生む”とは平凡な親が優れた子を生む喩え。昨日は試写会に行ってきた。4月8日公開予定の映画『とんび』 特に薬師院の住職が語る「寒い海のシーン」は必見。「うん、うん」と素直に頷いてしまう含蓄のある言葉。 以下は原作もドラマも見ていない素人の感想(たとえ話)。 「いい人いるから会ってみない?」と言われ、会ってみたら確かに“いい人”だった。会う前に「ああなんだよ、こうなんだよ」と聞かされた通りの好青年。でも、想像の域を超えたかというと「ん~」 そこまで印象に残らない

ゴッホの死 誰が引き金を引いたのか?

新たなジャンルに手を伸ばしてみた。私の妄想力が存分に発揮された小説。読んだのは原田マハさんの『リボルバー』 パリの小さなオークションハウスに勤める冴(さえ)。彼女はパリ大学で19世紀のフランス美術史を学んでいた。働きながらゴッホとゴーギャンの関係性について博士論文を書くつもりの研究者でもある。 あるオークション終了後、会場の出入り口に佇む女性。オークションに参加するつもりだった人かと声をかけると、出品の依頼。バッグの中からしわくちゃの紙袋を取り出す。そこから震える手で取り

もしも徳川家康が総理大臣になったら

最強内閣発足! 総理大臣に徳川家康、官房長官に坂本龍馬、経済産業大臣に織田信長、財務大臣に豊臣秀吉とそうそうたるメンツの英傑たちが混乱した日本を救う。 ときは2020年、コロナでパンデミックが発生。その渦中、総理官邸でクラスター。あろうことか持病を抱えていた総理大臣が感染し死亡。 総理不在の混乱の中、政府は裏ワザを発動。AIと最新ホログラム技術によって日本を変えてきた歴代の偉人を現代に蘇らせ、最強内閣を発足させる。 危急の役目はコロナを収束させること。その後は堕ちるとこ

お探し物は図書室まで

好きな人は好き! 本ってそういうもんさ~ 活字を読まなくなった人に小難しい本をどうぞ、と渡されてもハードルは高い。「そういえば読書をしている時間って楽しいものだったんだなぁ」と思い出してもらえないと出版界は冷えていくばかりだ。 これから初めて活字を手に取るような若者たちにとって「楽しい・幸せ」と気づけるような一冊になればいいね。そこから活字の深い世界にドップリ浸かるのもよし、現実逃避の時間にするのも自由。 若者たちは決して物語を嫌いなわけではない。映画やドラマは変わらず好

ウッドショックの波が山形県内にも

米沢市徳町の元タイヤショップ。ずっと空きテナントだったが、最近になり壁面にカブトムシが描かれていた。何の店舗だろう? 住宅資材や建材の販売を手掛ける和以美さん。壁面には『Waibi』と表記。 グッドタイミングでしょうね。ニュースで度々耳にしていると思うが木材価格が高騰する“ウッドショック”が起きている。これから家を建てようと考えている人は「やめてくれー!」と叫びたくなるだろう。 先日、ご来院の工務店の方から聞いてしまった。当初契約した金額より木材だけで仕入れが70万円もオ

映画『いのちの停車場』

先週公開した映画『いのちの停車場』を観てきた。 何故か日本では死の話はタブーとされている。「縁起でもない」などの理由から。しかし、ヒトは致死率100%である。生ある者は必ず死あり。 いつかは必ず向き合わなければならない問題。文字として書くのは簡単だが当事者となったら冷静に向き合えるだろうか。 この映画は各登場人物毎に「命のしまい方」を投げかけてくる。鑑賞した人はそれをどう受け止めるのだろう。 舞台は金沢。そこは吉永小百合さん演じる咲和子の故郷。東京の救命救急センターで働

「うっせぇな、クソばばあ」への切り返しがお見事

「うるさいな、くそばばあ」 これは「対話の除幕」の言葉です。通訳するとね「私は今から自分の言いたいことを口にしようとしているけど、あなたは聞いてくれますか?」という意味。 そう解説しているのは大阪市にある『大空小学校』の初代校長を務めた木村泰子さん。学校の校則はなし、あるのはたった一つの約束のみ。 「自分がされて嫌なことは人にしない、言わない」 上記は木村さんの著書『「ほんとのこと」は、親にはいえない』から。 著者の切り返しは「はい、ババアは認めます。クソはいらないけど」

悩みなんて全部まとめて貝塚にポイ

なかなか面白い視点で「クスッ」と笑ってしまうこと多々あり。 望月昭秀さんの『縄文人に相談だ』 現代人の現代的な悩みに縄文人のふりをした現代人が縄文的に答える本。 深刻にみえる悩みも縄文的な価値観の前では何てことないのさ~ Q.女子なのに女友達がいません A.私は女子なのに女友達がいません。それはもう小学生の高学年くらいから女友達ができません。ちょうどみんなが男子を意識しはじめた頃からです。彼氏はいますし、男友達もたくさんいるのですが、どうしても女友達だけができません。

猫派の人間が『少年と犬』を読んでみた

人という愚かな種のために、神が遣わした贈り物 人の心を理解し、人に寄り添ってくれる。 こんな動物は他にはいない。 馳星周さんの『少年と犬』 こちらは司書さんからだいぶ前のバレンタインデーにいただいた小説。私にとってはチョコより嬉しいプレゼント。ありがたや~ 司書さんはここ最近、小説の傾向が変わってきていることを嘆いていた。シーン毎に「主人公はこう思った」という表現が多くなったと。 「そこでどう思うかは読者の自由なんだから書かないで」 結局、小説は妄想の世界。そして間