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冷蔵庫にある食材でカレーを作ろう!

変数が多すぎるのがスパイスカレーの壁

「おまえらいつになったらカレー作るんだ?」
飛騨スパイスカレー研究所を始めてから度々ご指摘いただいてきました…
実は日々作っているんだけれど、公式なものとして表に出ないだけでいろんな食材でカレーを作っているのです…

スパイスカレーの難点は変数が多すぎるところ。スパイスの種類や量を掛け算していくだけでもとんでもないことになるし、そこに食材や調理法、煮込み時間が加わるとそのパターンは天文学的数字になってくる。
これが所謂?「スパイスカレーの壁」のひとつです。
だからこれを真に受けたら偉いことになるわけで、何かを前に進めようと思ったらいくつかの変数は固定しておかなくちゃなりません。

基本のカレーパウダー

飛騨スパ研では「基本のカレーパウダー」という商品を出しているので、日々の試作はもっぱらこれを使います。これでベースのスパイス調合という変数は固定されるから、ココをベースに色々なカレーにチャレンジできる。
誰もハシゴを抑えてくれないから自分で固定する感じ。
右も左もわからない真っ暗闇でガラムマサラの商品開発をしていたときとは違う安心感があります。

試食販売で提供するカレーのこと

イベントの試食販売で出すカレーは「なるべく家の近所で買える食材」でなおかつ「えっ?」という意外性のあるもので、30分くらいの短時間で作ります。これは「何も特別なことをしなくたって、美味しいスパイスカレーは簡単にできますよ」とうアピール。
特にフルーツを使ったカレーは意外性も含めとても評判が良いです。
昨年は国産オーガニックレモンを使ったキーマカレー※が好評でした。(※試食なので皆さんにお肉や具材が行き渡るようにキーマーカレーにしています。カレー用にカットされたお肉や魚で作っても美味しいです。)

レモンキーマカレー

「レモンキーマカレーの試食してみますか?」って聞くと、「いらない」という人はまずいません。
普通に「カレーの試食あります〜」っていうと「いらない」という人が3割くらいか…。
「レモン」って人を引き付けるチカラがあるんですよ。梶井基次郎さんは「檸檬」と漢字で書きましたが、彼もまたレモンの魅力にハマった人だったんでしょう…

柑橘系は実はとてもスパイスと相性が良いです。スパイスカレーが何か物足りない時、酸味を入れるとあっという間に解決する…ことが多い…です。
まあ、バランスの問題ですが、僕が作るスパイスカレーの味付けは基本的には天然塩だけなので、あとは旨味、甘み、酸味のバランスを整えていく感じ。その時に柑橘系の酸味や甘みがチカラを貸してくれます。

みかんを使ったカレーも好評

今年になってからはミカンを使ったカレーを試食に出しています。
お客様には「オレンジキーマカレー食べてみます?」的なアプローチにしていますが、実際は安全性の高い「ミカン、デコポン、八朔、不知火」などの国産柑橘類※を使います。(※輸入物のオレンジはポストハーベスト農薬の影響を受けるのが嫌なので使いません。)
試食なので予算の都合もあり完全なオーガニックにはなかなか振れませんが、できる限り安全性の高いものを選んで作っています。

このオレンジキーマカレーもとても好評で、レモンも少し入れるのですが、デコポンの甘みとスパイシーな感じのコントラストがとても明確。カレーには唐辛子が入っていないのにも関わらず、他のスパイスとうまく協調しあってとても面白いのです。

「ヤバっ!ウマっ!家で作ってみたい!これレシピ教えてもらったりできるんですか?」
そりゃもう喜んでお教えしますよ。

試食のカレーは唐辛子が入っていないからお子様も食べてくれます。
「ママ、これ作って!」
シビレますよ、ホント。

今年はスパイスカレーの楽しさを味わって貰える機会を増やします

こうやって直接お伝えすると皆さんカレーが作りたくなってくれます。
昨年も多くのイベントに出店して試食販売をしてきましたが、今年はもっとスパイスカレーを自分で作りたくなるくらいに、試食というよりもカレー自体を味わってもらって、スパイスカレーが秘めた可能性やその楽しさを伝えられたらよいなぁと思っています。

と、言うわけで、今年は皆さんに飛騨スパイスカレー研究所が作るカレーを食べていただける機会をたくさん作っていこうと思っています。
・間借りの店舗だったり
・ケータリングだったり
・クッキングクラスだったり
・あとはベースキャンプでいつでも自由にスパイスカレーを提供できる空間もどこかに作りたい…
こんなことを考えています。

ビリヤニクッキングクラスの様子
ビリヤニクッキングクラスの様子


ランチケータリング
3種相盛りのランチケータリング
間借りやポップアップで提供する「飛騨地鶏のご馳走無水カリー」

オーガニックカレーで心と体が喜ぶ体験を!

飛騨スパイスカレー研究所のクレジットで試食ではなく有償でスパイスカレーを提供する際は、基本オーガニック100%を目指して作ります。
鶏肉・豚肉・牛肉・魚など動物性の食材に関しては、配合飼料の種類(遺伝子組換えでないもの)や抗生物質投与の有無、近隣の環境汚染状況などを考慮した食材を使用。
牛乳に関しては基本使わず、オーガニックのココナッツミルクを使用。
塩は環境汚染のインパクトをほとんど受けていない「チベットの湖塩」を使っています。どこ産?と聞かれたら「中国産」となりますが「中国産」を一括りにして「悪」とするのはあまり良くないですね。物によってはむしろ日本よりも安全なものがあります。
(これって何にでも言えることですが「いつも信頼のおけるあの人が言っているから正しい」「ムカつくアイツが言っているから間違っている」というのもちょっと理性的な判断ではありませんね。依存心みたいなものが働いた感情的な判断です。スミマセン、余談です…)
スパイスはもちろん全てオーガニックのものを使用。
お米はビリヤニに使うバスマティライスはオーガニックのものを仕入れて使用しますが、基本を自家栽培の自然栽培コシヒカリを使います。
あとはその季節に仕入れられるオーガニック野菜をなるべく近場から…飛騨の場合はオーガニック農家さんも多いので助かっています…仕入れて、それでもない場合は日本各地から取り寄せて使います。

クッキングクラスでもこのスタンスは変わらずで、あとは時と場合によって地元の伝承野菜や減農薬の野菜を使うこともあります。

イベントでの試食の場合は予算いっぱいいっぱいでできる限り安全性の高いものを仕入れては使っています。特に柑橘類は国産のものを使ってポストハーベスト農薬などの危険性を排除しています。

なぜこんなにまでこだわるのか?と疑問を持たれる方も少なくないかもしれません。実際にカレーやクッキングクラスの代金は高くなるのでお客さんのお財布にもある程度の負担がかかります。

使用食材へのこだわりについて

使用食材へのこだわりについては、100%安全で心も体も喜ぶ食の実現が難しい中で、まずは体に一切の後ろめたさのない(もしくは危険なものを最大限排除している)食を皆さんに食べてもらいたい、心と体が同時に喜ぶ瞬間を体感してもらいたい、そしてその瞬間を僕らも共有したい…という強い思いがそうさせています。

価格について

価格については、例えばオーガニックのスパイスカレーランチでいったら1,500円〜/食というところですが、これを高いと思うか安いと思うかは人それぞれ。こちらから言及することはありません。
でも1つだけお伝えしておきたいのは、ココが低価格だと原料を作っている農家さんの価値を壊してしまう…ということ。
これは飛騨スパ研の商品にも同じことが言えます。
というわけで、伝わりにくいかもですが、そういう思いでやっています。

飛騨スパイスカレー研究所の思い

僕らのスローガンは「食卓にもっとスパイスを!」です。
このスパイスは色んな意味で「スパイス効かせていこうぜ」ということ。
食をもっと積極的に楽しんで欲しい!そういう思いが強いです。

そこにある食材で美味しい料理が作れることのアドバンテージ

飛騨では夏になると沢山の野菜をご近所さんからいただけたりします。
本当に食料危機が来るのか?というくらいに。でも都会のスーパーではトマトが一玉250円を超えていたり、更に品薄だったり…。
全国各地で地震や豪雨災害も起こったりするからなおさらです。
そんな今更ながらに食料自給率の低さが叫ばれる時代に、我が家には自家消費できないくらいの野菜がある…なんて方もみえると思います。いわゆる田舎あるあるですが…。
そういった野菜も然り、冷蔵庫で行き場を無くなった食材も然り、まずはスパイスカレーにしてみませんか?
天文学的なスパイスと食材の組み合わせの中では失敗なんてありません。
様々な食材に愛おしさを感じてスパイスカレーを作ってみることで「食」と向き合うことができるかもしれない。
実はコレって生きていく上ですごいアドバンテージだと思うのです。

冷蔵庫にある食材でカレーを作ろう

ココでのポイントは「冷蔵庫にある…もしくは家にある食材で作る」とうこと。
飽食の時代に生まれる昨今の家庭内フードロスは「そこにあるもので作る」から「作りたいレシピを見つけてその通りに作る」へのシフトが原因であると思っています。こんな風潮はもう20〜30年前、、、いやもっと前から続いているんだろうと思いますが、調理器具が進化して過程でもプロ並みの料理ができる環境が整ったことと、特に最近ではYOUTUBEやSNSで美味しいレシピに動画付きでリーチができることと、また「つくれぽ」として自分からも発信できること(どれもとても素晴らしいことではありますが…)が、家の食材事情に合わせるのではなく、作りたい思いに任せて作ってしまう…という流れを助長しているように感じることもあります。
僕も目の前にある食材と作りたい料理のアンマッチに悩むこと、しょっちゅうあります。
でもそんな悩みなんて関係なく、野菜の旬がやってきます。

夏の3大野菜まつりを楽しむために

例えば夏の家庭菜園における3大野菜まつり「キュウリまつり」「トマトまつり」「ナスまつり」。まつり期間中(最大の収穫期中)の一週間はその野菜ばかりが食卓に並びます。なぜなら畑では次から次へと実ってくるから。その2週間後には「トマトまつり」が、そしてまた2週間後には「ナスまつり」がやってきます。
冒頭の話につなげると、このまつりのおかげでベースになる素材は固定されるから1つ変数がなくなります。ココからが腕の見せ所で、試行錯誤の末にキュウリやトマトやナスが様々な料理に変わっていく。そもそも食文化とはこうして生まれてきたものだと思います。家の畑のプロダクトアウトが料理のバリエーションやお袋の味を作っているのでしょう。
こういった食材に対するありがたみや生産者へのリスペクトを持っていたり、食材を上手にさばけるスキルがある方からすると、これらは夏の3大野菜まつりと称するに値するのでしょう。
一方でどうやっても余らせてしまう、、、腐らせちゃった…という経験がある方(僕もその一人でした)、こういう方からすると「今年も3大野菜ジゴクがやってくる」と戦々恐々とすることでしょう。

そんな時、僕はスパイスカレーに救われました。スパイスカレーが「ジゴク」を「祭り」に変えてくれた。

だから、ぜひ、皆さん、冷蔵庫にある(ご自宅にある)食材で一回スパイスカレーを作ってみませんか?
最初にお話した通り、まず最初はお手持ちのカレー粉などで変数を固定して、食材を組み合わせる楽しさを味わいながら。それによって生まれる奇跡のカレー(笑)にはすごいチカラがあるのだと思います。

また、辛いのが苦手なお子様やご家族、お仲間全員で食べられるカレーが作りたい!という場合は飛騨スパイスカレー研究所の基本のカレーパウダーをご利用いただければできますし、今年はnote内でレシピも公開していきます。

もちろんクッキングクラスやケータリング、出張出店にもチカラを入れていくのでご要望があればぜひご連絡ください。

そしてこの夏に開催される家庭菜園の3大まつりを盛大に楽しんで頂きたいと思います。

合言葉は「食卓にもっとスパイスを!」です!
皆さん、今年もよろしくお願いいたします〜

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