レンズ沼あれこれ:MINOLTA MD ZOOM 35-135mm F3.5-4.5
今回はMINOLTA MD ZOOM 35-135mm F3.5-4.5です。ミノルタSRマウントの高倍率ズームレンズ。レンズ名にはロッコールがない、いわゆるニューMDと呼ばれるレンズです。ロッコール名がないMDズームは、35mm始まりでは35-70mm、35-105mm、35-135mmがいずれも1981〜83年の間に発売されました。同じようなタイミングで28mmスタートのズームレンズも発売されていましたが、どんな風に棲み分け・使い分けがなされていたんでしょうか。高倍率なのは間違いありませんが、ちょっと不思議な立ち位置のレンズであります。
マウントの呼び方はSRマウントですが、マウントアダプターはMDマウント用で普通に使えますし、何よりU1000円で落札できた代物。後玉に多少のくもりが見受けられたものの、こんな出会いがあるからオークションは楽しい。
余談ですが、自分にとってレンズ遊びサイクルの大事なファクターは、買った経緯だと思っています。いつ、どんな形で、何を考えて、そしていくらで手許に届いたか。もはや遊びを完結するための欠かせないワンアクションとなっています。いやはや、ビョーキですな。
さて当レンズ、ズームは直進ズーム。長めのピントリングをまっすぐ前に伸ばすと望遠側、手前に縮めると広角側。ピントリングに表記されている最短撮影距離は1.5mですが、手前側にもう一つリングがあって、こちらはさらに近接距離での撮影に使います。ズームを135mmまでいっぱいに伸ばし、2番目のリングのボタンを押しつつピントを合わせます。これをマクロ機能というのかは正直よくわかりませんが、驚きのギミックではありますね。
MINOLTA MD ZOOM 35-135mm F3.5-4.5
マウント:ミノルタSR・MDマウント
レンズ構成:12群14枚
絞り羽根:7枚
重さ(実測):511g
ズームが35mm位置でも全長はけっこう長めですし、マウントアダプターの長さも加わりますから、持ち運びはあんまり楽ではありません。また、撮影が冬の寒〜い日の屋外となれば、金属鏡筒の冷たさも地味に堪えます。なかなかの苦労を強いられるわけですが、そんなことを忘れさせてくれるような時間・撮影体験を提供してくれるレンズでした。しばらくX-T20につけっぱなしになってしまうかも。
まずは広角端で普通に撮影。コントラスト、色乗りともまずまずかと思います。視力には自信がないのでピントは怪しいですが、それでも割にシャープに写っているのではないでしょうか。
なんとなく顔に見えてしまうシリーズ。シミュラクラ現象というやつですね。郵便受けの質感もいい感じ。
光を入れて逆光で写すとこんな感じ。逆光撮影ではさすがにフレアが盛大に発生します。うまく使えば幅広い表現が可能でしょうか。
望遠端ではこんな感じの写りです。少しこってり系のオールドっぽさが出てきた気がします。アンダー気味で撮ってみましたが、色表現が絶妙。
次は第2リングで近接撮影です。さすが被写界深度は浅く、前後ろともしっかりボケてくれました。嫌味のないいい感じのボケ具合です。
ロッコール名のレンズは各方面でかなり評価が高いようで、中には驚くような高額で取引されているモデルもあります。ですが、ニューMDも侮りがたし。お買い得感もありますしね。今となってはいにしえのカメラメーカーとなってしまったのが非常に惜しまれます。
なお、レンズに関する記述や評価はすべて、素人カメラマンの個人的な感想です。誤った情報や評価などがあれば、ただちに修正していきたいと思っています。その点はご容赦ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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