レンズ沼あれこれ:NIKKOR 28mm F3.5
今回はニコンNIKKOR 28mm F3.5です。ニッコールの28mmといえば1960年頃に登場したHオートの時代から、Ai、Ai-s、またPC(Perspective Controll)ニッコールを含めて、数多くのモデルに枝分かれしてきましたが、私の手許にあるレンズはシリアルナンバーを参考にすると75〜77年に発売された単焦点広角レンズ。各モデルとも重なった時期に販売されており、次モデルと代替わりしたというよりは、多様な消費者ニーズをカバーしたということでしょうか。
私がニコンD90をメインで使っていた頃に中古で購入。ヤフオクなどでは現在でも割に手に入れやすいレンズのようです。YouTubeには海外の方の比較レビューがたくさん投稿されていました。英語圏ではナイコールというように発音するみたいですが、価格込みで海外にも支持者が多いレンズのようですね。
私が手に入れた当時はカメラ本体よりもだいぶ小ぶりなため、ちょっとアンバランスに感じていましたが、もしかするとレンジファインダー機サイズならぴったりだったのかも。
デザインはコンパクト。ニコマートなどと連動するためのお約束のカニ爪もあります。爪に穴が空いたタイプではないので、非Aiであることを物語りますね。分厚いピントリングの側面というか正面側にレンズ名が刻印されているのも特徴で、年代を語るオールドレンズらしさが感じられます。金属鏡筒のひんやりした感触と重量感には改めて、幸福感を覚えます。
NIKKOR 28mm F3.5
マウント:ニコンFマウント
レンズ構成:6群6枚
絞り羽根:7枚
重さ(実測):236g
手許のレンズは傷もなく、非常に美品。レンズキャップもおそらく、当初付属したものかと思われます。中古レンズの購入については、いろいろと失敗も成功もありましたが、当レンズのように当たりもありますからやめられません。どんどん沼へとハマっていきます。
ニコンらしくシャドウが沈み込んだかっちりした表現も得意ですし、光の加減によっては美しいグラデーションも表現してくれます。また、APS-C機やマイクロフォーサーズ機で使っていると、あまり周辺の荒れ具合も気になりません。ということで、リングを回してマニュアルでコントロールするという以外は、写真からはそんなにオールドっぽさを感じないレンズなのかもしれませんね。
縦構図で撮るとわかりやすいですが、28mmレンズのAPS-Cカメラ使用でもけっこう広く写る印象ですね。路地が奥へと続いていくような構図は大好きです。
F値が3.5と決して明るいレンズではないんですけど、開放付近で撮るとしっかりとボケてくれるのでうれしいです。最短撮影距離は30センチくらい。まあ、当方視力には自信がないので、手前側にピントを合わせたほうが安心できるという、切実な理由も構図に影響します。悲しいかな、遠景のみの広角ショットは避けちゃいますね。
お約束の逆光ショット。フレアの中でも解像感が感じられるというのは、もしかしてすごいレンズなのかもしれません。もしショップなどで見かけたら、ぜひゲットしてみてください。
なお、レンズに関する記述や評価はすべて、素人カメラマンの個人的な感想です。誤った情報や評価などがあれば、ただちに修正していきたいと思っています。その点はご容赦ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。