全人代

今年も全人代が開かれていた。
この様子を見聞きしながらいつも思う。

中国と日本は別の国。
文化も違う、言語も違うし何しろあちらは日本の20倍以上の国土に人口は10倍以上という桁違いのhugeというかmassiveというかのnationである。

特に政体を異とする。

中国は独裁主義。
日本は民主主義。

幼いころはそう思い、中国には個人の自由が制限されているのだと思っていた。中国の友人ができてからもそのまま継続していたし、
なんならつい10年くらい前も思っていた。ちょっとした夕飯時のおしゃべりで、上海っ子の友人が、一人っ子政策の時に強制中絶があった、なんてことを平気で話していて私は気持ち悪くなり席を立ってしまったくらいだ。

なんと個人の自由が制限された国なのだ。
それに引き換え日本は自由で良かった。

なんて思っていた。

しかし、全人代について見聞きすると「あれ?」となる。

全国人民代表大会といっても中国は野党はないから国会審議という形はない。
野党から厳しい批判などはない。
中国共産党が決めたことをメディアは発信するのみ。メディアが厳しい質問をすることはない。ハプニングもトラブルも反対意見もない。

限られた質問ばかりの仕込み会見と言われる最終日の首相会見は今年で最後。しかしアカウンタビリティーはないからなぜ最後なのかは説明なし。

政治のニュースが多いが政府広報である。

年々増える国防費。
中国は国民同士の監視を強めようとしている。治安維持のための住民同士監視は、以前文化大革命にも繋がった歴史がある。
習近平は、これをやろうと言っていた。

ネットの内容などのチェック、デジタル監視の強化。政権批判やデモなどを削除していく。

建前上男女同権だが、全人代や政治には男性だらけ。
ジェンダーギャップ指数107位。

などとつらつら聞いていると、
え?日本の話?

・野党はかろうじて存在するが、ほぼ一党独裁であり、反対意見が出たところで砂漠の一滴、ねじ伏せられるかのらりくらりと時間をかけて忘れさせる
・野党のふりをしている政党はあるが実のところは寄らば大樹の陰だから野党ではない野党がたくさんいる
・自民党が決めたことをそのまま流すメディア
・首相動向をただ流すだけのメディア
・メディアは癒着を極め、厳しい質問はなし
・会見は仕込み
・国会議員にアカウンタビリティーはなし
・年々増える国防費
・デジタル監視dappiなどの活用
・デモなどを報道しない
・政権批判したアカウントを凍結
・建前上男女同権だが永田町には男性ばかり
・ジェンダーギャップ指数125位

え?
同じだよ?
全く同じ。
ごめんだけど、中国と日本、何が違うんだろうか?
選挙だってあるし。その無効性だってなんなら瓜二つである。
ジェンダーギャップ指数に至っては日本の方がかなり下位で自虐もたいがいである。

中国と何が違うの?と問えば「政府の悪口を言っても逮捕されない」とか口にする日本人はどれだけ能天気なのだろうかと思う。
今、まだしばらく経済大国時代の名残を引きずっているだけで、これからホイホイ逮捕されるまで、民主主義という名の独裁主義に至るまでのカウントダウンは既に始まっているのだ。ここからローリングストーンのように、没落は早い。

このまま、市民が口を閉ざしたままでは。

行動できるうちにしなければ、転げ落ちる方は早いのだ。
この国は同様にして起きた悲しい過去があるではないか。

因みに、中国だけではなく、北朝鮮もほぼ似たり寄ったりである。

そういえばロシアについての記述も、

特権官僚が秘密予算を組んで税金を使い込む。多国籍企業に雇われた政治家が公営の企業やインフラを売り飛ばす。

背筋も凍る夏向きの話である。

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