フグリ!① vol.463
フグリ!
会社のかわいい部下である。
先日、如水ととも二人のナンパ道を教授するつもりで誘った。
フグリ、髪を切ってくる。
よほどの決意を感じさせる整えである。
リュックの中には寒さ対策のジャンパーもある。
万全である。
俺もショルダーの中にヅラがあり、ある意味万全である。笑
電車の中では会社でのいろんなことを、あーでもないこーでもないと賑々しくし、あろうことか電車を乗り過ごす。
ナンパにおいて一番の禁止事項とされる、注意力の散漫さが横溢している。
女の子の特徴を精緻に観察し、それを突破口にして笑いに転化していく。
この精神がなければナンパは決して成立しない。
結局我々は地蔵トークと合流飲み会で終わってしまうのではないか?
とはいうものの、俺らは一路渋谷を目指す。
着いた!
いつもの通り、如水と俺の聖地「宇田川交番裏」へ向かう。
近くのコンビニで缶チューハイを購入。
一気にそれを屠る!
それぞれがそれぞれに、屠る、屠る、屠る!
で、準備運動、軽くフグリにやり方を教える。
フグリ、完全に顔が硬直している。
鋭い目つきがさらに鋭さを増してくる。
まるで、スクールウォーズの「松村雄基」にも似た目から上の風貌である。
この男の視線は彼自身のナンパ道の未来の風景を見ているようだ。
これとおよそ逆を行く目つきの風貌はクルパカ氏である。
何度も評しているが、お◯んこ眼である。
フグリにもそれを教えてやる。
遠くを見据えるようで、見据えていない。それでいて近くに気を留めているようで、近くも見ていない。
眼球自体が伽藍堂である。
俺もそれを目指していることを今気づいた。
俺ら二人は親友であって、期せずしてそんなところが似ていたのか?笑
そんなことはいい。
フグリの初陣や、いかに?である。
フグリ、己の本物のフグリ以上に全身が重たく強張り、ビクともしない。
いけー!という言葉にまるっきり反応しない。
日頃の機敏さ、フットワークの良さはどこに置き忘れた!?
と、俺は叱咤激励。
俺の予想では、逸るフグリの動きを俺が逆に諌め、如水への発動のきっかけにするのではないかと思ってきたが、あらら、あらら。
俺が具体的にこう言うんだよ、ああ言うんだよと言うフレーズを1つとして覚えようとしない。
初心者とは本当にこうしたものなのだ。
頭で理解したとしても身体が理解したほどに動かない。
いざ、発しようとした時にその都度、忘れてしまい頭が真っ白になる。
と言うことで、なんだが埒があかん!と思い、17時前から作戦会議と称する飲み会兼反省会を行う。
結局俺はこうなることを予期していた。
我ら3人、上記のようなシビアな環境を離れれば、お互い気の良い男たちである。
いつものように話は盛り上がる盛り上がる。
ひとしきり盛り上がった後、再びストナン開始。
30分という時間を決め、それぞれがソロで自由に声かけすることにした。
俺は早々に1バンゲをしてから、あとはブログを完成させたりしていた。
30分経過後、戦果を聞いてみるとそれぞれ最低1人は声かけしたらしいが。。。本当か?笑
それで我々は戦場を移動し、逃げ場を確保すべく新宿まで戻り、帰りの特急券を買って我が身の安全を確保するに至る。
こうして帰りの道筋を保全してしまうことほど、士気が下がるものはない。
最後の場面で如水は少し気を吐いたが、相当な時間平行トークを仕掛け得たものの、バンゲにはいたらず。
そんな訳で俺ら3人の初めてのナンパ合流は終わった。
一夜明けて、俺の昨日の2バンゲはいずれも死番。
俺にとっては、普通に渋谷に飲みに行っただけであったが、如水の久々の勇躍とフグリの松村雄基ばりの強張った視線を見れただけで満足であった。(終)笑
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