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男惚れする格好いい男たち㉞ vol.482



俺がこの歳まで積み上げた人生や読書感からくる、格好いい人画像について語ってみたい。

マンガ、『デビルマン(悪魔人間)』の中からの引用である。

マンガの中の登場人物を語るのは初めてであり、実際の人物でないことに多少の引け目を感じるところではあるが、そこはご勘弁ください。

と言っても、俺の濃厚なフィルターを経ているので、皆さんの解釈と異なるところがありましたら、ごめんなさい。


全能なるサタン。

地球を自ら生み出し、それをほしいままにし、デーモンを配下に置きながらその上に君臨していた。

デーモンは醜かった。互いに殺し合い、殺戮の中で自らの本能を磨き、それを生き甲斐とした。

氷河期が訪れ、デーモンが氷の世界に閉じ込められしとき、やがて地球を人類という新種の種族が支配し始める。

サタンは人類の生態をつぶさに観、その利己心の強さに驚き、やがて人間を憎むようになる。

そして、サタンはこう決断した。

「人類は滅ぼされなければならない」と。

物語はこんなところから始まる。


飛鳥了と不動明は親友である。

飛鳥は、不動の優しすぎる点を不甲斐なく思いつつも、友人としてその存在を認めていた。

考古学者である父を持つ飛鳥は、ある日一つの決意をし不動を自分の屋敷に招く。

飛鳥は親父が死んだことを不動に告げる。

しかもそれは不審死であると。

自ら火を放ち自殺したという。

飛鳥は言う、「親父は考古学者として地層研究していくうちにあるものを発見した。それは氷河期の地層に存在したものだが、明らかにこれまで見たこともない生命体で、まるで悪魔のような形相をしていた」と。

さらに研究を進めていくと、悪魔の生態についての古文書の如きものが発見された。

それによると、悪魔には合体能力と瞬間移動能力があると書かれている。

飛鳥博士の研究はさらに進み、自らを悪魔の生贄にするところまで飛躍しつつある。

ここにデーモンと合体するにはいくつかの条件がある。

その一つに、合体した後人間とデーモンのどちらの意識が勝利するかという点が存在する。

例えば、人間が邪悪なデーモンと合体した時、人間そのものが邪悪な精神の持ち主である場合、あっという間に人間の心は打ち消され、悪魔に支配され、完全無欠なデーモンに成り果ててしまう。

人間が悪魔の体を支配するには、その人間の自身が際立つほどの善良さを持ち合わせていなければならない。
 
結果として、それを知るために飛鳥博士は悪魔と合体したようなものであったが、飛鳥博士は人間として高邁な人物ではあったが、悪魔の意識を乗っ取るほどの善良さはなかった。

悪魔に支配されない純朴たる精神。

それを考える時、その条件の苛烈さと、人間とっての無力感を感じざるを得ない。

邪悪なデーモン達は、氷河期に閉ざされた氷の世界から徐々に目を覚ましつつある。  

こうして飛鳥博士は、人類に残された重い課題を息子・飛鳥了に託さざるを得なかった。

その飛鳥が、いま、揺蕩う条件を提げ、不動の前に立ちはだかる。

飛鳥の考えはこうである。

『人類の滅亡はまさにすぐそこまで来ている。デーモンの生命力と攻撃力は人間のそれを遥かに上回る。人間がもしデーモンに勝てるとしたら、合体の好機をものにしなければならない。そして、邪悪なデーモンに心を乗っ取られないための条件は何か。それは合体する人間が人として極度の善良さを持ち合わせていること。そんな人間は、不動明をおいて他にはいない。』

そうだ。

飛鳥了は不動明を巻き込んだ。

それも生きて帰れるかもわからない悪鬼羅刹の世界に巻き込んだ。

そして悪魔の饗宴が始まる。

このマンガの展開のピッチはここから速度を早めていく。

で、悪魔と人間の合体には極めて特殊な環境が揃わなければならない。  

人間が、無我夢中であらゆる雑念や想念を捨て去った時、瞬間的に悪魔の誘致を招くタイミングが到来する。

だが、合体した悪魔達は、その心が人間に支配されようが悪魔そのものに支配されようが、合体したことによる興奮からか、究極の殺戮を好むことになる。  

合体したはいいが、不動はこの難局を果たして乗り切れるのか。

生きて飛鳥の元に戻れるのかどうか。

人間と悪魔合体の定理は、より人間としての純良さに相応して、より強い悪魔を引き寄せる。

不動が引き寄せたデーモンは、期せずしてその世界の中で最強の悪魔であった。

こうして、不動明は人間の心を蔵し悪魔の体を支配した。

飛鳥了が心から望んだ、『デビルマン(悪魔人間)』の誕生である!(続く)

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