美しい髪

美しい髪

私の髪はハリガネみたい

1本がハガネみたいに固くて太い(そして多い‼)

歴代の彼氏たちは、さりげなく「髪切ったら?」と言った

娘は3歳の時「ままの かみのけ いや」と言った

思い返せば、私が髪について褒められたのは「ハゲないよね」それだけ

ウツクシイ カミ

多分、みなさまお気づきだと思う

髪は自分で選べない(肌も顔も身長も両親も選べない!)

ある人は言った

“自分に配られたカードで勝負するんだ”と

有利な戦いとは言えない事は明白だ

(ラッキーなあの娘の髪に、私の分のキューティクルは分配されてしまった)

OK,わかった、仕方ない。そういう事は時々ある

私に出来ることは、自分のカードで…つまり、ハリガネみたいな髪と出来る限り上手くやっていくこと

だって、それが私だから

そして、髪と女は切り離せないのだから

さて

人々が言う“美しい髪”について考えてみる

つやつやと、やわらかく、輝く髪

切りそろえた毛先が、気まぐれな子猫の様に軽やかで愛らしい

そんな後ろ姿を見ると、私は思う

この女性は“特別”なんだ

この美しい髪の様に、細やかで丁寧に時を積み重ねる女性なんだ

あぁ、私もそういう髪の毛だったらなぁ…と

しかし

私に向けられるのは「おぬしは何故、ハリガネなのだ?」という軽い失笑

あざけり。同情。無関心。(言い過ぎ)

例えば…誰かの何気ない言葉

「ねぇすごい剛毛じゃない?」

私は“ハリガネの髪を持つ事”への責任を負うことになる

覚えのない責任を背負わされる事が人生には度々ある

そんな時は笑顔で中指を立ててやる(心の中で)

だって、ハリガネみたいな髪の毛は私のせいじゃない

そんな、私のハリガネライフにも、数年前変化が起きた

変えてくれたのは美容師さん

硬い多い太いウネル、そんな私の髪には、矯正縮毛が向いている事を提案してくれた

リスクはあるし、時間も費用もかかる

検討を重ね、トリートメント重視の矯正を当てた

矯正を当てると髪の面が揃い艶がでた

太い髪は痛みに強いから、矯正だけじゃなくてカラーも楽しめる

長く伸ばした重さを利用して広がりも抑えられる

私の人生はほんの少し軽くなった

勿論、おとぎ話のラストシーンの様には上手くいかない

どんなに頑張っても、私の髪は多分死ぬまでハリガネで、触れば硬いし、ごわつく

完璧ではない

100点でも“憧れ”でもない

でも私は配られたカードで勝負する

出来る限り自分の事を好きでいたいし、人生を楽しみたいから!

そう、これがわたしの“美しい髪”だ


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