見出し画像

ひびやのとびらメンバー紹介 〜かなで編〜

皆さんこんにちは!日比谷卒で現在アメリカの大学に在学しているかなでです。趣味はテニス、本、テレビ・映画鑑賞でコーヒーが好きです!

コンフォートゾーンからの脱出

一人っ子の私は生まれてずっと、ぬくぬくと温かいコンフォートゾーンにいた。当時はその状態がコンフォートゾーンであるという事すら知らなかった。少し自由のある「普通の生活」・「普通の子供」、いつもそう思っていた。自分の置かれた環境や生活スタイルが恵まれているとは感じずに、自分の世界以外の世界を見てみようとは思ったことがなかった。周り友達と同じように、なんとなく5年生ごろから塾に通い、中学受験をしたが、中学受験で頑張る必要性も重要性も感じずに、ただただ塾にだけ通い結局受験は失敗した。


 転機的なものは突然きた。それは中学で同じになったフィリピンや中国から来た生徒の話だった。一応教科書やニュースでスラム街のことや、恵まれない環境下での生活を強いられる話は知っていたが、実際にハードな環境で育ってきた彼らのストーリーはニュースや本よりも迫力があり、初めて自分が育ってきた世界以外の世界を身近に感じた。彼らの常に上を目指す姿勢にはよくインスパイヤされたし、自分の家庭だけでなく、日本に生まれただけで世界でもトップクラスの「ラッキー」な人だと感じた。


 それからは、せっかくの恵まれた環境を精一杯生かすことが、その時の自分にできる勇逸のことだと思うようになった。この経験は今の私の根底にあるもので、おかしな表現かもしれないが、生まれながらに持っていた「ラック」をより多くの人とシェア・還元したいと思っている。しょうすけからこのプロジェクトの話を聞いた時、二言返事で返したのもこの経験からだと思う。

留学体験 〜ボストン〜

わたしが海外の大学についてなんとなく興味を持ち始めたのは約4年前。ボストンで約一週間の「留学体験」をして衝撃を受けたことをまだ鮮明に覚えている。英語にあまり自信がなかったため、緊張と不安でどうにかなってしまいそうだった。翌朝も不安でいっぱいだったが忙しいスケジュールに振り回されている間に最初のワークショップが始まった。幼稚園からずっと日本で教育を受けていた私はいつも通り机にノートを出し、「聞く準備」をしていた。しかし、ワークショップが始まって五分と立たないうちに「聞く」授業ではなくトピックについて自由に「議論しあう」授業になっていた。授業とは受け身のものであると疑わずに信じていた私にとっては大きな出来事であったが、自分で考えたことを相手に伝え、相手からのアタックに答えていくという過程が、自分のトピックに対する理解度をどれだけ高めてくれるのか痛感した。勉強したことを自分の能力にするとは、習ったことを参考書で演習するということではなく、自分のロジックの中に習ったことと自分の頭に既存する考えをうまく折り合わせていく、というだと始めて知った瞬間だった。その後の日程もワークショップ続きのスケジュールだったが、いつの間にか「議論しあう」授業を楽しみにしている自分がいることに気がつき始めていた。同じ内容の授業でも生徒が自ら積極的に参加する授業の中身の濃さと、議論しているときの教室の熱がとても好きだった。そんなこんなしているうちに約一週間の「留学体験」は幕を閉じた。

意外な出会い

日本に帰ってきたあとは、また別の意味での忙しい毎日を送っていた。ボストンでの経験を懐かしくは思うものの、真剣に進路選択について考えてはいなかった。今から振り返ってみると、進路や将来について特に考えなくてもなんとなく目指すべきとされている大学はわかっていたし、次から次へとやることがあったため難しいことは考えなくても時間だけは過ぎていった。そんな時に二年生が選択することのできる自由選択の授業の案内を聞いた。適当に資料に目を通している時になんとなく気になったのが「理数探究」という授業だった。内容としては他教科横断型授業で興味のあることについて自分で調べたり研究するというものだった。小さい頃からよく、なぜこんなことを勉強しなければいけないのだろう、と疑問に思っていた私にとって、今まで勉強してきたことが実社会においてどのように生かされてくるのか経験する良い機会になると思い、気軽な気持ちで選択した。授業が始まった当初は研究テーマすら決まらず、様々な分野でどんな研究ができるのか眺める程度だったが、自分が今まで興味を持ったことのあることについて思い出しているうちに、人間の行動、特に消費者行動についてよく関心があったと気がつき具体的にどんな研究をするか計画を立て始めた。結果的に二年次、三年時と二年間理数探究を選択し、研究活動に時間を費やした。たくさんの苦労を含めた経験をしたが、今回はこの経験がどのように進路選択に影響を与えたのかだけ共有したい。


 もう一つの「意外な出会い」は高校二年次の総合の授業にある。これもまた興味のあることについて調べるものであった。テーマを考えている時、ちょうど世界難民の日が近いと知り、なんとなく渋谷で行われていたUNHCRのイベントを観に行ってみた。そこで難民問題について改めて知るとともに、日本としての対応がどのようなものかを学んだ。いつどの国に生まれたかという全くもっての運だけで人生が自然と決まってしまう方のために、自由な選択をできる私は何か力になるべきだと強く感じた。ボランティアとして活動することを目標としてたものの、一年間ほどはなかなか受け入れ先が見つからずいろいろあったが、最終的に受け入れてくださる団体が見つかり今もボランティアに関わっている。総合の授業自体、他教科と比べて重要性が高いとは捉えられていないように思うが、一見関わっていないように見える事にもアンテナを張り、チャンスを自ら探して掴むことの大切さを感じた。

アウトカム

私が研究・ボランティア活動を通じて改めて確認できたことは下記の3つだ。

1 自分が興味を持っている分野は多方面の知識を必要とする分野であるとともに、文系理系の壁を超えた教科であること 
2 私は自分で調べて、その結果を社会にアプライすることが好きである 
3 方法はまだよくわかっていないが、世界のlast fortunateと言われる人々を助けたい  

アメリカの授業形態に引かれたことのある私は具体的にアメリカの大学の教育システムについて調べ、リベラルアーツという柔軟なカリキュラムや大学の学部生でも研究・ボランティアに参加する機会が多いことなどアメリカの大学の特色について知った。そして、この経験を通じて気づいた自分についての三つのことは、上記の特徴を持ったアメリカの大学進学という進路選択を後押しする結果となった。

プロジェクトでやりたいこと

まとめると、わたしはアメリカの大学のカリキュラムの柔軟さと、勉強のみならず様々なことを経験できる機会が豊富だということに惹かれて、アメリカの大学に進学することを決めた。幼稚園から高校まで、一度も日本以外の教育を受けてこなかったわたしがなぜ海外の大学を目指すようになり、そして何を成し遂げていきたいのか、その過程を共有することで、皆さん一人ひとりに自分の進路・将来について真剣に考えるきっかけになったら嬉しい。また、自分の好きなことを追求しようとしている人・アンテナを張りたい人を応援したいし、その人たちにとってのコミュニティーが作れたらと思う。活動を通じて新たな世界やマジョリティとは異なる選択をした人を知ることで、皆さんの進路や将来に関係してくる「選択」にきっと良い影響になると思う。




この記事が参加している募集

自己紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?