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質的なリサーチが重たく感じる時に使える「視点の変え方」

質的なリサーチは、きちんと進めようとすると時間がかかるものです。普段お仕事をするなかでやろうとすると、重たく感じることがあるかもしれません。そういうときに使える視点の変え方を紹介します。

「一つでも学びば得られたらよし」と考える

一度のリサーチで核心に辿りつかなければと思うと、重たく感じてしまいがちです。なので、一つでも自分が知らなかったことを学んでみようと思うようにしてみましょう。

また、学びは失敗したことからも得られます。「どうすれば上手くいくか」に比べれば「どうすると上手くいかないか」の方が学びやすいのです。リサーチのなかで何かを試して全くうまくいかなかったとしても、そこから学べばよいのです。

このように考えると、まずはやってみるかという気持ちで小さくリサーチが実施できたりします。

ただし、一つでも学びを得るといっても、それはユーザーに言われたままに作るということではありません。「ユーザーがなぜそれを求めるのか?」という背景を探って本質に近づく努力をします。そして、創造性を発揮して解決策を生み出すことを目指しましょう。

リサーチ結果を活かす「ポートフォリオ」を考える

リサーチ結果から学びが得られると、色々なことをやってみたくなるでしょう。そんな時に、改善のインパクトは大きいけど実現に時間がかかるアイデアばかりを選んでしまうと、重たく感じてしまうことがあります。

リサーチを活かそうとすると、サービスに反映されて結果が出るまでに、どうしても時間がかかります。なので、最初はなるべく小さく、素早く・確実に改善できることに組むことも重要です。

たとえば、既にリリースが決まっている機能の開発において、早い段階からユーザビリティテストをして使いにくい部分を確実に潰しておく、といったことがあります。テキストの表現が一つ違うだけでもユーザビリティは変わっていくものです。メンバーは見慣れてしまっていて、ユーザーに指摘されるまで気づいてなかった、なんてことも意外とあるものです。

具体的に、「改善インパクトと実現コスト」の2軸でマッピングしてみて、小さいものから大きなものまで、バランス良く取り組めるようにポートフォリオを整理する方法があります。改善インパクトは小さいが実現コストが小さいもの、改善インパクトは大きいが実現コストは大きいものなどなど、リソースを鑑みながら整理してみましょう。

また、リサーチ結果はプロダクトの改善以外にも役立ちます。たとえば、利用ログを分析するときのヒントにするとか、バラバラとしているユーザーイメージをチーム内で一致させる、といった目的でリサーチ結果を活用する選択肢を考えても良いでしょう。

リサーチを広めていく「スケジュール」を考える

リサーチを始めたばかりの頃に「組織全体に波及させよう!」などと考えると重たくなりがちです。そういう時は、どういうスケジュール感で、どういう段階を踏んで、リサーチを浸透させていくかを考えてみることも良いでしょう。その中で、はじめの一歩はどこから始めると良いか?を考えます。

たとえば、社内にはユーザーを獲得したり、使い続けてもらうために頭を悩ませているメンバーがいるはずです。まずは、その人たちにUXリサーチが悩みの解決に役立つとわかってもらえれば、一緒にリサーチをしたりリサーチ結果を活かしやすくなります。現状のメンバーのお悩みに寄り添って、小さく仲間を増やしていくと良いでしょう。焦りは禁物です。

そして、小さく仲間が増えてきたら次のステップに進めてみます。

ちなみに、大きなスケジュールを描いたものの、実際に試してみたら最初の計画とはぜんぜん違った、なんてことも起きたりします。リサーチプロセスそのものも、小さくやりながら学びを得て修正していきましょう。

おわりに

今回は、質的なリサーチが重たく感じる時に使える「視点の変え方」について3つほど紹介しました。よかったら試しにやってみてください。

世の中には優れた考え方がたくさんありますが、自分に合う合わないがあります。まずは試してみて、自分に合うものを取り入れていきましょう。

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