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22復興事業の完成来年度へ 石巻市 かわみなと大橋など 震災10年で完了ならず

 石巻市が行う東日本大震災の復旧、復興関連の少なくとも22事業が本年度内に完了せず、各種会計に計上していた予算約225億円を繰り越す。完成が来年度となるのは道路や橋の整備をはじめ、被災跡地の低平地整備や広場の整備、防災緑地整備など。これとは別に、旧門脇小学校の震災遺構整備で地下埋設物の撤去が必要になった影響で年度内の完成がずれ込むことになった。【熊谷利勝】

 市は震災から10年となる来年3月までの復興事業の完了を目指してきたが、国、県が行う事業との工事調整や用地交渉に時間を要した。本年度も新型コロナウイルス感染拡大で十分な人手が確保できないなどの影響を受けた。すでに市は、地盤沈下対策の雨水排水ポンプ場整備の完了が来年度にずれ込むことを明らかにしていた。

復興19事業繰り越し付け写真

建設中の石巻かわみなと大橋(11月上旬)

 ほかに来年度も工事が続く22事業は、県に委託して旧北上川河口に架設している石巻かわみなと大橋、北北上運河に架かる蛇田新橋の架け替え、渋滞が目立つ大街道の国道398号を補完する釜大街道線、同線と交わり国道45号に至る石巻工業港運河線ほか道路災害復旧事業など。渡波地区の防災緑地や中瀬公園、北上地区多目的広場整備、半島沿岸部の被災低平地、漁港復旧事業も工事が続く。

 市は今月3日に開会する市議会定例会に、これらの工程変更などに伴う組み替え予算や通常事業を含め24事業計226億円の繰越明許費を設定する補正予算案を提案。いずれも財源となる復興交付金など関係省庁と協議済みの事業で、来年度にずれ込む事業は今後増える。

 旧門脇小震災遺構整備もその一例で、被災校舎の観察棟を建てる場所に古い貯水槽のようなものが埋まっているのが分かり、工事が年度をまたぐ見通しとなった。来年度内に供用開始させる方針は変わらず、亀山紘市長は1日の定例会見で「遅れた分、(展示の)中身を吟味したい」と述べた。


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