運河交流館11年ぶり復活 4月1日開館記念セレモニー 身近に水辺親しむ
東日本大震災以降休館していた「北上川・運河交流館 水の洞窟」=石巻市水押=のリニューアル工事が完了し、29日に記念セレモニーがあった。11年ぶりとなる開館は4月1日で、展示スペースを新設。管理運営がこれまでの国交省北上川下流河川事務所から市に委託され、以前にも増して市民に親しまれる場にしていく。
セレモニーでは同事務所の小嶋光博副所長が「市が管理運営を行うことで自由度が高まる。川や運河に親しめる水辺になれば」と所長あいさつを代読。菅原秀幸副市長は「市民と一体ですばらしい場所にしていく」と約束した。近くのひばり幼稚園から年長・年中園児44人も駆けつけ、記念に歌を披露。各代表者がテープカットした。
建築家・隈研吾さんが設計したことでも知られる半分地下の同館は平成11年7月、北北上運河と旧北上川が合流する石井閘門近くに開館。運河と生活の関わりなどを紹介してきたが、震災の被害に加え、堤防整備などの復旧復興事業を優先するため休館していた。
再開館を望む声を受け、2月にリニューアルに着手。特に地階は古い映像展示機器をなくして壁沿いにつり下げ式の展示スペースを新設し、北・南北上運河の航空写真を表示した。以前のまま椅子とテーブルが備え付けられた1階は、交流スペースとして開放。いずれも自由に観覧、利用できる。トイレも修繕し、24時間使える。
同館は市の「いしのまき水辺の緑のプロムナード計画」に盛り込まれた拠点の一つ。来月には旧北上川河口から北北上運河まで約14㌔の川沿いの遊歩道がつながり、一休み場所としても利用できる。
当面はひばり幼稚園児の絵画を展示。管理者が常駐しないものの、市河川港湾課に申請すれば無料で作品展示や交流スペースのイベント利用ができる。開館時間は午前8時半-午後5時。【熊谷利勝】
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